3カ月間、問いと向き合い続けてきたプロジェクトメンバーたちの晴れ舞台、QWSステージ。今回は10月22日に開催されたQWSステージ#28の様子と、SHIBUYA QWS Innovation協議会(以下「SQI協議会」)による厳正な審査の結果、見事、最優秀賞・優秀賞を受賞したプロジェクトをご紹介します。
テキスト・編集=越本 春香 写真=髙木 香純
QWSステージとは、3カ月に一度、QWSに集うプロジェクトメンバーがそれぞれの活動の中で見つけた「可能性の種」を放つ場です。QWSステージ当日はQWS内に舞台が設営され、発表するプロジェクトは、3分間で各々の活動成果についてピッチを行います。
QWSステージ#28では15プロジェクトが登壇し、各々の成果を発表しました。SQI協議会の審議のもと「廃棄石膏ボードから生まれた大理石調素材resecco」が、SQI協議会最優秀賞に選ばれました。また、SQI協議会優秀賞として、「M Buddy Japan」、「RED SPACE」、「SAMPO LABO」の3プロジェクトがそれぞれ受賞し、計4チームがQWSでの活動期間の延長の支援を受けることが決定いたしました。
なお企業賞として、東急賞「もごもご」、ADDReC賞「SAMPO LABO」、U Share賞「M Buddy Japan」が選ばれました。
キーノートトーク
QWSステージでは、各分野の第一線で活躍している方をゲストにお招きし、講演していただく「キーノートトーク」を実施しています。
今回のゲストは、慶応義塾大学医学部 教授の宮田 裕章さん。
宮田さんの著書『AI時代の「問い」を立てる力 「答え」が溢れる世界で、人間は何を引き受けるのか』(光文社新書)が10月20日に刊行されたばかりです。
キーノートトークでは、そんな宮田さんから「未知の価値を切り開く 『問い』の立て方」をテーマにお話しいただきました。キーノートトークは下の画像よりご覧ください。
登壇者略歴(宮田 裕章 氏)

慶応義塾大学医学部 教授
2003 年東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻修士課程修了。同分野保健学博士(論文)
早稲田大学人間科学学術院助手、東京大学大学院医学系研究科 医療品質評価学講座助教を経て、2009 年4 月東京大学大学院医学系研究科医療品質評価学講座 准教授、2014 年 4 月同教授(2015 年 5 月より非常勤) 、2015 年 5 月より慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室 教授
2026年4月岐阜県飛騨市に開校のコー・イノベーション大学の特別顧問として、地域社会・産業界を含む共創生態系の構想・推進に関与。また、大学の枠を超えた共創の基盤としてCo-Innovation Ecosystemを設立し、代表理事を務める。
専門はデータサイエンス、科学方法論、Value Co-Creation。データサイエンスなどの科学を駆使して社会変革に挑戦し、現実をより良くするための貢献を軸に研究活動を行う。専門医制度と連携し 5000 病院が参加する National Clinical Database、LINE と厚労省の新型コロナ全国調査など、医学領域以外も含む様々な実践に取り組む。それと同時に、アカデミアだけでなく、行政や経済団体、NPO、企業など様々なステークホルダーと連携して、新しい社会ビジョンを描く。宮田が共創する社会ビジョンの 1 つは、いのちを響き合わせて多様な社会を創り、その世界を共に体験する中で一人ひとりが輝くという“共鳴する社会”である。
SQI協議会最優秀賞/廃棄石膏ボードから生まれた大理石調素材resecco
廃棄石膏ボードから生まれた大理石調素材resecco
建設現場などで廃棄される石膏ボードから、大理石のような意匠性を持つ「下地一体型意匠壁材」をつくり、建築内装壁材で一般的となっている二重構造を1枚で完結させることで建築内装費を最大70%することを目指すプロジェクトです。家具として販売し、素材の美しさ・価格・市場性を検証し、その後、壁面材や下地一体型建材へ展開します。将来的にはインドなど廃棄課題が深刻な国にも広げ、世界の廃棄課題と建築費課題の解決に繋げます。
審査員からは、とにかく楽しそうにプロダクトをつくっており、出来上がったプロダクトも美しすぎると絶賛。建築素材の価格が下がることによってサステナブルな取り組みとしてつながっていくため、販売総数を増やしていくことが期待された。
受賞コメント
環境の課題や、コストを下げることなど、細かいところはまだまだ詰めないといけないところがたくさんあります。実際のものを見たり触ってもらたりして感じてほしい。そのうえで建築をつくるうえでのコスト削減や環境に負荷をかけない話をしながら実装ができたらいいなと思っています。今日ここからをスタートとして皆さんと一緒に取り組みをさせてください。ありがとうございました。
SQI協議会優秀賞受賞プロジェクト
RED SPACE
RED SPACEは、絶滅危惧空間を再活用し、新しい都市インフラとして再実装するプロジェクトです。電話ボックスやガソリンスタンドなど、かつて社会を支えた空間を評価し、次の社会に適応させることで、これらの空間を「変異」させ、社会的価値を再創造します。プロジェクトは主に、統計やリサーチに基づく絶滅危惧空間のリスト化、空間を次世代の社会に適応するための変異計画書の収集、変異アイデアの社会実装を行います。最終的には、都市に住む全ての人々が既存の空間資源を評価し、都市の変異を促進できる社会を目指します。
QWSステージ#28登壇プロジェクト一覧
SAMPO LABO
SAMPO LABOは、「誰かと歩きながら話す」散歩コミュニケーションを通じて、健康、対話、つながり、共創の可能性を探究するプロジェクトです。横並びで同じ景色を見ながら歩くことで、会議室や交流会では生まれにくい会話や気づき、偶然の出会いが生まれます。
QWSでは、テーマ別のSAMPO MEETUPや渋谷を舞台にした新たな散歩プログラムを実践し、気分や会話、関係性がどう変化するのかを検証します。さらに企業、研究者、自治体等との共創を通じて、散歩コミュニケーションを、健康習慣から社会の新しいつながり方へと育てていきます。
- M Buddy Japan|血縁や国籍を超えた家族は、子育てにどんな可能性をひらくのだろうか?
- しくわる株式会社|独りよがりでもなく、誰かの言いなりでもなく、社会と豊かに生きるには?
- ボイスニュアンスラボ&声キャラ診断|口の“構え”が整うと、自分の声を好きになれるだろうか?
- スラムのまちは、だれのもの?|スラムのまちは、誰のもの?
- KOKOROMi|仕事に慣れた20代後半。次は何にチャレンジする?
- 株式会社OhMyFamily|人生について寄り添ってくれる人がいたら?
- SAMPO LABO|誰かと歩く。 それだけで、社会はどう変わるのか?
- CREATIVE BAR|他者の視線に絶えず晒される現代において、期待に応え続けてしまう人が「自分軸」を取り戻すにはどうすればよいか
- 廃棄石膏ボードから生まれた大理石調素材resecco|廃棄石膏ボードで、建築内装費を70%下げられるか?
- urban fragrance publicness lab.|「鼻環境」は設計できるか?
- Scouta|「何を信じて買えばいいか分からない」とき、購入後の本音はどこに集まり、誰を信じて選べばいいのか?
- RED SPACE|絶滅に瀕する空間を次の時代のインフラに変えるには?
- もごもご|どこまでがエロで、どこからが芸術なのか?
- Nearby Finds|環境にいい選択を、自然と選びたくなる社会をどのように実現するか
- 遊び活|なぜ遊んで生きれないのか?
「未知の価値に挑戦するプロジェクト」を募集しています
新しい仲間、新しい自分、新しい世界。どんな出会いが待っているのでしょう。それぞれのプロジェクトの問いは、どのように磨かれ、放たれていくのでしょうか。次回のQWSステージ#29は、2027年2月25日に行われます。QWSから生まれる「可能性の種」をお楽しみに。
現在、QWSチャレンジ第30期を募集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
