スラムのまちは、だれのもの?
何にチャレンジするのか?
ケニア・ナイロビのキベラスラムで、高校生が「暮らしたいまち」を模型で表現するワークショップを実施します。今回の実践は、対象やテーマの間口を広く設け、現地の若者の発想や反応から次の仮説を見出す第一回の試行と位置づけています。
なぜチャレンジするのか?
現在、ケニアのキベラスラムでも再開発が進む中、住民の意思を計画へ反映する手法が問われています。かつてインドで抱いた「聞かれなかったかもしれない住民の声」への問題意識に対し、これまでの建築系研究室での活動と社会人としての地域活動の経験を活かして実践したいと考えました。模型を対話の共通言語とし、住民自身が主体となって未来を描く方法を現地の人々と共に試すために、このプロジェクトに挑戦します。
どのようにチャレンジするのか?
渡航前に、模型素材の扱いやすさ、問いかけによる発想の違い、対話を促す進行方法を小規模に検証します。帰国後は、写真、映像、発言を用いたレビューを行い、現地参加者の声を損なわずに成果と課題を読み解きます。そこで得た仮説をQWSの多様なメンバーと磨き、次回の検証計画と現地での実践につなげます。
プロジェクトメンバー
日比野 遼一
日比野 遼一
大学院で建築・まちづくりを学び、千葉県館山市における、移動と地域交流を支えるモビリティハブについて研究した。大学時代にインドのスラムに通った経験を原点に、住民自身が暮らしたいまちを考え、形にする方法を模索している。
正林 泰誠
正林 泰誠
一般社団法人まちあそびラボ代表理事。東京大学大学院博士課程。離島や半島端に位置する漁村集落をフィールドに研究・活動中。地方各地を拠点にすることを武器に、地域での対話を重視した建築アイデアコンペを館山市や鳥羽市で企画している。
石井 ひろみ
石井 ひろみ
地元の丸太や自然素材を活かした木造の学校建築を全国で設計。建築を通じて、地域の教育・人・風土とつながり、まちの活性化を図る。古民家や里山の再生を軸に、都市と農村をつなぐイベントプロデュースも手がける。本プロジェクトには建築専門家目線からのアドバイザーとして参加。
永田 千智
永田 千智
不動産会社で土地・建物の仲介業務に携わる。ケニア・キベラスラムを訪れた経験をきっかけに、現地の暮らしや人々の生活に関心を持ち、教育支援活動に携わるようになる。
右田 幹
右田 幹
横浜出身、札幌在住。LINEヤフーでフロントエンド開発に従事。現在はフリーランスとしてAI支援や開発、まちあそびラボメンバー、起業体験イベント「Startup Weekend」の北海道運営を牽引。
応援コメント

リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
この問いがつながる未知の価値は、住民の声を要望で終わらせず、空間計画の選択肢として可視化し意思決定に組み込む仕組みです。文字や発話主体の手法ではこぼれ落ちがちな子どもや若者の生活記憶・希望も、模型を介せば他者と共有可能になります。将来は住民、行政、専門家が模型を囲み、未来像を比較・修正できる参加型都市計画の手法へ発展させたいです。模型を完成形ではなく対話の共通言語とし、キベラでの手法を世界各地のインフォーマル居住地や災害復興など、当事者不在で空間が決められやすい場へ応用することを目指します。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
問いの原点は、大学時代に滞在したインドでスラムの子どもたちと出会った経験です。日本生まれで選択肢を多く持つ自分と、環境によってそれを奪われた彼らとの隔たりに強い違和感を覚えました。その後、私が訪れた地域は再開発で消失。「住民の望む未来や声は計画に届いたのか」という問いが心に残り続けました。一方で、大学で建築を学ぶ中で、模型のように小さくても形にしたものには、専門知識や立場の違いを越えて暮らしの記憶を共有し、対話を始める力があると思うようになりました。
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