QWSステージ#10~可能性が交じり合い、未来を動かす問いへの挑戦~

QWSステージ

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3か月間、問いと向き合い続けてきたプロジェクトメンバーたちの晴れ舞台、QWSステージ。今回はQWSステージ#10の様子と、SHIBUYA QWS Innovation協議会(以下「SQI協議会」)による厳正な審査の結果、見事表彰された5プロジェクトのSHIBUYA QWS(以下QWS)で見つけた価値や、次のQWSステージへ向けた意気込みをお届けします。

テキスト=髙木香純・小林諭佳・松村ザカリ遥 編集=中島貴恵・秋山和哉 写真=池原瑠花

QWSステージとは、3か月に一度、QWSに集うプロジェクトメンバーがそれぞれの活動の中で見つけた「可能性の種」を放つ場です。QWSステージ当日はQWS内に舞台が設営され、発表するプロジェクトは、3分間で各々の活動成果についてピッチを行います。

4月28日に開催されたQWSステージ#10では14プロジェクトが登壇し、各々の成果を発表しました。SQI協議会の審議のもと、全14プロジェクトの中から「SHIBUYAサーキュラー広告プロジェクト」がSQI協議会最優秀賞と企業賞である味の素賞に選ばれました。また、SQI協議会優秀賞として「清走中」、「CGOドットコム」、「HARENOMI」の3プロジェクトがそれぞれ受賞し、計4チームがQWSでの活動期間の延長の支援を受けることが決定いたしました。さらに企業賞としてNTTデータ賞を「KAMADO」が受賞しました。

キーノートトーク

QWSステージでは、各分野の第一線で活躍している方をゲストにお招きし、講演していただく「キーノートトーク」を毎回実施しています。第10回のゲストは株式会社ロフトワークの共同創業者 林千晶さん。

SHIBUYA QWSの構想段階から携わってくれていた林さん。先日ロフトワークを退社され、常にアクティブに未来を見据える林さんに「明日を動かすルール」というテーマでお話しいただきました。

――林千晶さんのキーノートトーク

「まず初めに、今日QWSに来て私はとても感動しました。活気が溢れていて、年齢・性別問わずいろんな人が交流している。開業前に野村館長と『こんな空間が作れたらいいね』と話していた理想の姿。その理想を超えてくる光景を目の当たりにして、本当に素晴らしいと思いました。改めて、おめでとうございます。」

「私は幼少期の経験から、1つ学んだことがあります。それは“人間は多様である”ということ。今私の知っている当たり前は、どこかの国や人には当たり前ではないということ。
実際に世の中は目まぐるしく変化しています。人口は確実に減少するし、都心中心ではなく地方にフォーカスする時代になってきました。動脈のように大きな動きではなく、静脈のように細く広く広がるものに目を向けなきゃいけない。そう感じた私が、大切にしているルールを皆さんにお話ししたいと思います。このルールは“大変革の時代に、明日を動かすルール”です。

ルールの1つ目は、“若さは未来の力である”ということ。今までは未熟だと言われたかもしれないけど、世の中に感じた違和感に向き合って、今の当たり前を変えていくのは、絶対に若いエネルギーだと思います。どんどん挑戦してください!
2つ目は、“世界を訪れ、体験しよう”。行った場所、体験した感動でしか語れないし想像できないことがたくさんあります。何歳になっても良い。いろんなものを見て、いろんな体験をしてください。
3つ目は、“大胆に夢想しよう”。今想像できることは、今取り組めるから。私は将来のことを聞かれたら『今、想像できない事をしたいですね!』と話しています。」

「きっとQWSステージに立つ皆さんも、これを聴いてくれている皆さんも、どんどん新しいことを想像してくれると信じています。一緒に新しいルールを作っていきましょうね!」

登壇者略歴(林 千晶 氏)

早稲田大学商学部、ボストン大学大学院ジャーナリズム学科卒。花王を経て、2000年にロフトワークを起業。Webデザイン、ビジネスデザイン、コミュニティデザイン、空間デザインなど、手がけるプロジェクトは年間300件を超える。グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」、素材の新たな可能性を探求する「MTRL」、オンライン公募・審査でクリエイターとの共創を促進する「AWRD」などのコミュニティやプラットフォームを運営。グッドデザイン賞審査委員、経済産業省 産業構造審議会製造産業分科会委員「産業競争力とデザインを考える研究会」、森林再生とものづくりを通じて地域産業創出を目指す「株式会社飛騨の森でクマは踊る」取締役会長も務める。「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017」(日経WOMAN)を受賞。

受賞者インタビュー

捨てられる広告を資源として、新しい循環広告をつくっていく

プロジェクト名:

SHIBUYAサーキュラー広告プロジェクト
守田篤史さん

SHIBUYAサーキュラー広告プロジェクトは、渋谷の屋外広告を掲示終了後に地紋を入れるなど再加工し、プロダクトとして新たな価値を生み出します。大量消費を促す広告がサスティナブルであるためのエコシステムの創造に取り組んでいます。

 

プロジェクト詳細はこちら

私たちだからできる「解決方法」と「スピード感」が強み

私たちは、グラフィックデザインだけでなく、印刷や加工の知識があったり、縫製ができたりと、実際の商品も作れるプレイヤーでチームを構成しています。
通常1ヶ月以上かかるサンプル作成が1週間程度でできるので、実物がないと想像がつきにくい商品でも、形を見せながらご提案することができます。また、パートナー工場との連携により、全体の予算感についてもスピード感を持って対応することができるので、QWSでのご縁からも数々の案件に繋げることができました。
以前はなかなか公にできない案件もありましたが、今回のQWSステージでは培ってきた理念とともに、さらに具体的な数字を出したりと、活動の成果をお伝えすることができて良かったです。

「サスティナブル」という言葉が社会に浸透してきた昨今、大量消費を促す広告はネガティブな印象を持たれることもあります。だからこそ「広告がサスティナブルである」という土壌を作ることは、デザイナーが早急に取り組むべき問題だと考えています。
僕自身、学生時代に「かっこいい広告」に憧れてデザイナーを志しました。今はキャリアを重ねたプロのデザイナーとして、次の時代にデザインを志す人たちにとっても、広告が悪者扱いされるのではなく「かっこいい」ものであってほしい。そんな想いでプロジェクトに取り組んでいます。

広告をアップサイクルする方法はたくさんありますが、自分達の専門分野やグラフィックデザイナーとしての強みを掛け合わせて、独自の取り組みを進めてきました。グラフィックだけではなく、コンセプトやストーリーなど、全部がかっこいいモノを作りたい。僕は欲張りなグラフィックデザイナーなので(笑)。
これからも、捨てられる広告資源を効率的に回収して素材にし、新しい循環広告を作っていきます!

多様な世代が交流する“学校”で過ごした3ヶ月間

プロジェクト名:

ゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清走中」
北村 優斗さん

QWSプロジェクト「清走中」は、人気TV番組「逃走中」と「ゴミ拾い」を融合させたゲーム感覚ゴミ拾いイベント。ポイ捨てされたゴミがアイテムに変わり、街全体がゲームエリアとなるような世界観を演出することで“楽しさ”を入口に、ゴミ問題について考える機会を提供します。世界中で社会問題が取り沙汰され、解決に向けた活動が起きている現代に、“楽しさ”を入口として正しさを学ぶことができる活動で人々を動かしたいと考えています。

プロジェクト詳細はこちら

 

今回の10期の応募が、初めてのQWSチャレンジでした。QWSチャレンジに応募したのは、QWSで活動しているCGOドットコムのバブリーさんに連れられて見学をした日、QWSの良さを実感したからです。Twitterで知っていた起業家の方々と話すことができたり、偶然の出会いで様々な人とお話をできたり、今までは1人で作業する時間が長かったので、ここで作業したいと思いました。3ヶ月が経った今、QWSはいろいろな世代が交流する“学校”のような場所だと感じています。今まで価値観の合う、というか自分の考えをためらわずに話せる空間は少なかったのですが、ここでは安心して話すことができ、不思議だなあと思っています。

QWSチャレンジで活動してきた中で大きな出来事は、「誰のどんな課題を解決できるのか」というプロジェクトの意義を言語化したことと、クラウドファンディングを行ったことです。クラファンの開始当初は目標通り進まず、不安と心配でいっぱいだったのですが、結果342万円を集め、目標資金を達成することができました。

 

イベントのクオリティを上げ、“楽しさ”から社会課題を知ってもらえるように

5月3日の清走中@渋谷編(※1)のイベントでは150名ほどの受付を予定していたのですが、200名を超える方の応募をいただきました。応募していただいた人数が想像以上で反響があることを感じた一方、個人的には反省が大きいものとなりました。今後、オペレーションやコンテンツの準備、検証をしっかりと行い、“楽しさ”を入り口とするイベントとしてもっと磨きをかけたいと思っています。

少し先の話になってしまいますが、将来的には社会課題から発展し、「ボランティアは無償でやること、という概念を壊して、行動をした人に見返りがある」ようにしたいです。

2022年5月以降も、広島、板橋、山梨とイベントを行うので、その準備に向けて頑張っていきます。
応募(※2)も随時受け付けています。

※1.「清走中渋谷編」開催報告記事

※2.清走中公式HPはこちら

人生100年時代に、心と体が整うことが人々のあしたを照らす

プロジェクト名:

体にやさしいCBDグミ HARENOMI
岡庭 晴さん

HARENOMIは、サプリグミブランド「HARENOMI」を作っているプロジェクトです。このHARENOMIという日本初の糖質オフで無添加のCBD※グミを通じて、バーンアウトから人々を救い、人の心と身体のバランスを整える。そして人が明日を楽しみに生きられるようにする、ということを目標としています。

※CBD(カンナビジオール)は、麻から抽出される自律神経の栄養素の1つです。リラックスタイムをサポートする成分として、世界中で人気となっており、海外ではコンビニやスーパーに置かれるなど、多くの人々の生活に浸透しています。

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QWSのコミュニティがブランド推進力の源に

QWSチャレンジに応募した理由は、to Bのアプローチが欲しいと思っていたからです。

3ヶ月の活動期間では、当初の目的通り、QWSに入っている企業さんとのコネクションもでき、QWSからの紹介で、錦糸町パルコや渋谷スクランブルスクエアでのポップアップ開催にも繋がりました。
また、当初の目的だけではなく、HARENOMIを採択してくださったQWSコモンズの横石崇さん(&Co. 代表取締役/Tokyo Work Design Week オーガナイザー)をはじめとしたスクランブルミーティング等のプログラムを通じてのメンターさんからのフィードバック、他のプロジェクトの方との交流もHARENOMIのプロジェクトを進める出来事でした。メンターさんからは、ブランドのコンセプトから売り方まで気づきをいただきました。他のプロジェクトの方からは、プロジェクトを進める刺激をもらうことができ、HARENOMIにとって、よい3ヶ月間になりました。

バーンアウトへの医療だけでない包括的なアプローチを当たり前にするために

次の3ヶ月では、最近チームにジョインした心理士さんも一緒にお客様へ届ける体験を計画していきます。他にも領域を超えたプロフェッショナルな方々と一緒に、バーンアウトの様々なアプローチを増やしていきたいです。

一人でも多くの人の、あしたを照らせますように。

▼購入サイトはこちら
・公式サイト:https://harenomi.jp/
・アマゾン:Amazon.co.jp

LINE登録をしていただいた方には、在庫入荷のお知らせや、今年夏に予定している新しいフレーバーのリリースもお知らせします!

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🌈✨💕QWSから、ギャルマインドを❗️❗️❗️世の中のアゲの最大化❗️❗️❗️👆👆🌈✨💕

プロジェクト名:

CGOドットコム
バブリーさん

CGOドットコム(以下CGO)は「ギャルマインドで世の中をアゲ👆💓にする」を掲げて活動をしています💓🌈
ギャルマインドとは、「好き」を貫く姿勢、自身の欲望や直感に従う勇気、ポジティブに行動する姿勢など。このギャルマインドは不確実な世の中を生きるための必要なエッセンスだと考えます💪💪

プロジェクト詳細はこちら

QWSでの活動は約2年になります。総長のバブリーが1期の別のプロジェクトで入っていて、そのあとからCGOとしてQWSチャレンジとして応募して活動が始まりました。

最初は「大好きなギャルと一緒に何かしたい!」という気持ちはありつつ、何をしたらいいか全くイメージがわきませんでした。
しかし、この2年で、多くの人に支えられようやく事業として運営することができるようになりました。
このように、QWSは未だ事業化できていないアイデアも、良いと思えば採択してもらえて形にすることができる場所です。
また、ギャルは社会との接点が少ないと感じています。(六本木くらいしか接点ない、っていうギャルも…)その接点をQWSは増やしてくれました。
この3ヶ月の間で印象的だったのは、ギャルが初対面の会員さんと相撲をとっていたことでした。それは、QWSがギャルの接点を増やしていることを感じて、印象に残ったのだと思います。

 

QWSチャレンジ10期は、CGOにとって大きく進歩した3ヶ月でした。
企業さん向けのギャル式ブレストだけではなく、立教大学で学生向けにギャルマインド講座も行うことができました。
3月に行ったギャルマインド講座では、最初に「自分が講座の中で一番可愛いと思う人?」と生徒さんに問いを投げかけてみたのですが、全く手があがりませんでした。しかし、講座の最後には、みんなギャルマインドに触れたおかげか、なんと全員の手があがりました。とても感動しました。

また、イベントの進捗のみではなく、新しい価値に気づけたことも大きかったです。
当初ギャル式ブレストの強みは、ギャルの生み出すアイデアにあると仮説を立てていました。しかし、実験を重ねていくと、ギャル自体が生み出す雰囲気に価値があるという結論になりました。
まさに「企業のコミュニケーション文化に改革を起こすことができる」と強く確信しました。

今期の経験を糧にして、これからは「仕組み/組織づくり」に取り組んでいきたいと思います。

アート・文化にふれる機会をみんなで創造する

©TOMORUBA

プロジェクト名:

KAMADO
柿内 奈緒美さん

現代アート・伝統工芸・民藝・モノづくりを軸に発信するバイリンガルウェブマガジン「KAMADO」は「アートがもらえるかもしれないKUJI」と「アーティスト支援につながるFUMI」を運営し、創り手と支援者をつなくサービスで、アートと文化が多くの人に循環する仕組みづくりを行ってます。

 

プロジェクト詳細はこちら

より大きく、より新しく動いていくために

前回のQWSチャレンジ#9から3か月、2022年2月17日にコンセプトムービーとサイトの公開が始まり、いよいよKAMADOも大きく動いてきました。
アート業界だけでなく、各方面のビジネスコンテストやデモデーに出場し、より営業を推進すると同時に、改めてサービスの整理や、補助金申請を行ったり、またQWSコモンズのダニエル・ハリス・ローゼンさん(Tokyo Dex代表)との対談記事(※1)も公開されました。

前回のQWSステージ#09では、目標としていた優秀賞を取ることができ、今回はQWSチャレンジプログラムとしては最後のピッチイベントとして臨んだステージだったので、NTTデータさんから賞をいただくことができて、とても嬉しかったです。

多様性や人の在り方の選択肢を伝えたくて始めたKAMADOですが、文化と社会の好循環をつくりたいという思いを、より一層企業と繋げていくことに邁進していくことができればと思っています。
そのためにOUR ART PROJECT BY KAMADOのクラウドファンディング(※2)が5月末にスタートしましたので、見ていただけると嬉しいです。

※1.オフィス・外壁アート TokyoDex代表、ダニエル・ハリス・ローゼン氏とKAMADO代表柿内の対談記事
※2.みんな(OUR)で、「アートにふれる機会をつくっていくプロジェクト」を広めたい

『QWSステージ#10』
14プロジェクト、それぞれのピッチ映像はこちらから

「未知の価値に挑戦するプロジェクト」を募集しています

2022年5月から活動を開始したQWSチャレンジ第11期のメンバーは、年齢も領域も様々。新しい仲間、新しい自分、新しい世界。どんな出会いが待っているのでしょう。それぞれのプロジェクトの問いは、どのように磨かれ、放たれていくのでしょうか。
次回のQWSステージ#11は、2022年7月末に行われます。QWSから生まれる「可能性の種」をお楽しみに。

現在、QWSチャレンジ第12期を募集しています。詳しくはこちらをご覧ください。

QWSチャレンジ第12期を募集中

QWSステージ#10登壇プロジェクト一覧

  1. neco-note|猫の推し活サービスで、保護猫団体の”自続可能性”を高められるか?
  2. 清走中|ゴミ拾いを21世紀の遊びにするには?
  3. fairy’s diary|コンプレックスとのポジティブな付き合い方とは?
  4. SHIBUYAサーキュラー広告プロジェクト|広告は悪者なのか?屋外広告が循環していくエコシステムを探る。
  5. レイワセダ|全人類がクリエイターな世界は訪れるだろうか?
  6. HARENOMI|がんばる人へ「自然体になるきっかけ」を届けるには?
  7. 渋谷肥料|渋谷を「消費の終着点」から「新しい循環の出発点」にシフトできないか?
  8. 夕暮れのえてがみ|顔の見えないロールモデルは人生を変える?
  9. レンタル博士|学問と社会の断絶はなぜあるのか?新しいプラットフォームで研究と社会の架け橋をつくる
  10. KAMADO|文化とお金を社会に循環させるには?
  11. DOUSHI|シングルゴールではなく、ダブルゴールな社会の実現とは?
  12. CGOドットコム|ギャルマインドで世の中をアゲにするには?
  13. GOOD FOOD GOOD MOOD|私たちはなぜ、食事をするのか?-バイタルデータで紐解く「食事」-
  14. Dramatic Dining|コロナによって生まれた日常の制限を、アート体験としてポジティブに転換できるか?

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