渋谷を「消費の終着点」から「新しい循環の出発点」にシフトできないか?

プロジェクト名 渋谷肥料 / Shibuya Hiryou
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「渋谷肥料」は渋谷を「消費の終着点」から「新しい循環の出発点」にシフトするプロジェクトです。事業ごみが7割を占める渋谷の卸売店・小売店・飲食店・宿泊施設などから排出される生ゴミを肥料・堆肥化し、「サーキュラーキット」「サーキュラースイーツ」「サーキュラーコスメ」の3つのソリューションを生み出すことで、都市における廃棄→再資源化→供給→生産→商品化→流通→販売→体験の循環に新たなモデルを確立します。

何にチャレンジするのか?

「渋谷肥料」プロジェクトは、渋谷らしいワクワクするクリエイティブを発揮し、生活者の目線を徹底することで、ゴミ問題に対して肩肘張らずに向き合い、渋谷に新しい循環のストーリーを生み出すことにチャレンジします。

肥料はミニマルなくらしを好む生活者のライフスタイルに合わせて臭いや成分、肥料自体のカラーリング(カラフル肥料)などを調整します。またパッケージデザインも渋谷らしいおしゃれなグラフィックに、1回の量を小分けにする扱いやすい小袋方式、植物の栽培などの2次使用を想定した収納ケースなど、様々な観点から肥料をリ・デザインします。 「この肥料を使うと楽しくなる・気分が上がる」というエモーションを生み出すことで、家庭菜園をより楽しくするのはもちろん、これまでメインターゲットではなかった20~30代の層にも家庭菜園の魅力を訴求し「家庭菜園」そのものにも新しい楽しみ方を生み出します。

QWSチャレンジにおいては、まず第1段としてShibuya Scramble Sqare内の飲食店から出た生ゴミを用いて有機肥料を作り、2020年内にShibuya Scramble Sqare内の青山フラワーマーケットや東急ハンズ内での販売を目指します。ビル内での生ゴミを再利用して活用する取り組みによって、チキンの骨まで細かく分別するShibuya Scramble Sqareの分別の取り組みをアピールし、まずビル内から循環の仕組みを創出します。

その後は渋谷区が提携する秋田県大館市などの農業や公共施設の花壇での使用のために肥料を提供したり、東急を中心とした渋谷の高層ビルの屋上庭園やオフィス緑化の肥料として自ビル内で出た生ゴミを再利用する仕組みをつくるなど、BtoB向けの取り組みにもチャレンジします。

さらには渋谷のカフェから大量に出るコーヒーの残りカスのみを用いた肥料や、ミニトマトやバジルの種、土と一緒になった栽培キット、発酵の際の抽出液を活用した消臭剤や清掃グッズなどとしても展開し、渋谷を「消費の終点」から「新しい循環の出発点」にシフトすることを目指します。

なぜチャレンジするのか?

▼問い – 渋谷らしい「イベント」では日常的な課題解決の仕組みには結びつきづらい?

渋谷はいま目覚ましい発展を遂げ、国内外から注目を集める国際都市です。その一方で大量のゴミが問題となっており、ハロウィンをはじめとしたイベント後のゴミの廃棄やフードロス、消費行為に伴うゴミの発生など様々な側面からゴミ問題が顕在化しています。こうした状況に対してよく挙がるソリューションに「渋谷=イベントの街」として、例えばハロウィンなどで発生するゴミの問題もイベントの力によって解決しようという声をよく聞きます。たしかに渋谷では毎年多くのイベントが開催されており、かなりの注目を集めています。しかしイベントは人の意識を啓発し、時に大きなムーブメントにもつながりますが、イベントそれ自体でも大量のゴミが出るうえ(文化祭の後片付けをしたことがある人なら、ゴミが大量に出るシーンが眼に浮かぶと思います)、日常的に課題を解決する仕組みづくりには結びつきづらいのではないか?という疑問が頭に浮かびました。

▼問い – 求められているのは「循環」の仕組みづくりではないか?

これに対してゴミ問題への取り組みで求められるのは「循環」の仕組みづくりではないかと思います。ゴミとして処分されたものが新しく生まれ変わり、人の手に届くことが実感できるようにすることで「循環」の仕組みを社会に普及させていくことにつながると考えました。

▼問い – 渋谷のゴミ問題の解決に「もの」や「ものづくり」は有効ではないか?

そうした中でひとつシンボルとして手に取れるプロダクトが存在すると、社会がより「循環」を実感しやすくなります。人が「循環」から生まれたモノを手にとって使うことは、渋谷が「消費の終点」から「新しい循環の出発点」となる大切な一歩です。ただ渋谷は先述の通り「イベントの街」ということもあり、「もの」、特に「ものづくり」との結びつきが浅いとされています。一次産業が盛んでないこともあり、観光客が多く発信力はあるが特産品がないという課題に観光協会が悩まされているという声も聞きました。しかし「渋谷=『もの』とは無縁」という思い込みもまた、「渋谷は『もの』の大切さが芽生えにくい街」という意識の一因にもなっているのではないか?という問いが浮かびました。例えば農業が盛んな土地は「食べ物を大切にしましょう」という教えが言い伝えられており、職人の方々の多い町は「物を大切に使いましょう」という意識が形成されやすいです。一方、消費することがメインの渋谷という街には「もの」の大切さは芽生えにくいのではないか。そこで渋谷区のリソースを生かした新しい「ものづくり」をすることで、渋谷の「もの」に対する意識を高め、「渋谷を「消費の終点」から「新しい循環の出発点」にシフトする」ことに貢献できるのはでないかと考えました(もちろん「渋谷は特産品のない街」というウィークポイントを解消することにもつながります)。

▼問い – 肥料は渋谷のウィークポイントを生かせるのではないか?

「肥料」というプロダクトに着目したのは、まず渋谷区のゴミ問題の中でも特に「生ゴミの分別・削減」の優先順位が高いことと循環のストーリーが伝わりやすいことがあります。渋谷区内のゴミ処理場へのフィールドワークやデータリサーチで改めて渋谷のごみ問題を調べていたところ、様々な課題の中で「生ゴミの削減」は優先順位が高いことが分かりました。家庭ごみにおける生ゴミは排出量の1位で、事業ごみにおいても渋谷は生ゴミの排出量の割合は1位です(平成26年の事業系ごみの一人当たりの総排出量が574でその内訳は生ごみが258g、古紙・びん・缶・ ペットボトルが189g→それぞれの割合が生ごみ:約45%、古紙・びん・缶・ ペットボトル:約33%から)。また渋谷のゴミ処理場へのフィールドワークの際に、職人の方から徹底されたのが「分別をしっかりとやってほしい」ということでした。中でも「たとえば燃えるゴミの中にハンガーが混じっていると、処理場の機械をストップして取り除く必要があり、それだけで億単位の損失が出る」というお話は衝撃でした。肥料を作るというと必ず「飲食店での分別は大変では?」という疑問を呈されます。しかし例えば渋谷のスクランブルスクエアでは飲食ゴミの分別を徹底していて、生ゴミの中でもチキンの骨まで徹底して分別しています。発信力のある大型商業施設内で徹底したゴミの分別が行われているという事実を「肥料」というわかりやすいプロダクトにして伝えることで、、社会に対して分別の重要性とその先進的な取り組みをより多くの人に発信することにつなげます。

▼問い – 肥料はもっと素敵な品になるのではないか?

さらに「肥料」というプロダクト自体にも「どうしてこうなってしまったんだろう?」という疑問がたくさんあることも着目した大きな理由です。一般的に家庭菜園向けの肥料といえば、キログラム単位のドサっとした袋にいかにも業務用というケバケバしたグラフィックが描かれたものが主流です。コストの面を考えると理に適っているのでしょうが、家庭菜園を「くらしの中の体験」と考えた場合、もっと「使いたくなるような肥料」「家の真ん中に置いておきたくなるような肥料」があって良いと思いました。私たちは「渋谷らしさ」とは「常識にとらわれずに体験そのものを楽しむこと」と考えています。肥料というプロダクトにも「渋谷らしさ」のエッセンスを取り入れることで、植物を育てる体験の楽しみ方に新しい視点を持ち込み、これまで年配層が主流を占めていた家庭菜園がより多くの若者に親しまれるきっかけにつながると考えています。

▼「渋谷肥料」は想いを持つ人の背中を押す、新しい「前例」となるのではないか?

渋谷が「消費の終着点」から「新しい循環の出発点」にシフトするうえで、「渋谷肥料」は新しい前例となる可能性を秘めています。前例というとネガティブな響きもありますが、新しい「前例」となることは「循環の仕組みを作りたい」「肥料をもっとこうしたい」「家庭菜園をこんな風に楽しみたい」といった思いを持つ人々の背中を押し、新しいチャレンジを生み出す第一歩となる可能性があります。私たちは渋谷を「消費の終点」から「新しい循環の出発点」にシフトする新しい前例として、「渋谷肥料」が新しいカテゴリの「肥料」として家庭菜園の体験をアップデートしたり、商業施設の真摯なゴミ分別の取り組みを世の中に発信したり、行政とゴミの再利用の新しい仕組みを生み出すことを通じて、「循環」を伴うくらしを豊かであたたかいものすることを後押ししたいです。

どのようにチャレンジするのか?

6月

1)製品化する肥料の要件定義

肥料2種類(果物を中心とした生ゴミとコーヒーの残りカスの生ゴミ)の発酵を継続しながら、肥料を使ってほしい生活者のニーズの分析を進めることで、彼らが求める肥料のコンセプトをより具体化します。ブラッシュアップしたコンセプトに基づいて、匂いがしない・カラフルで気分が上がるなど用途ベースで肥料の要件をまとめていき、肥料メーカーや大学の農学部など、肥料の機能を改良できる知見と技術を持ったパートナー候補をリストアップします。

2)肥料を使ってほしい生活者のニーズに基づくデザインのブラッシュアップ

また肥料を手に取って使ってほしい生活者のライフスタイルからデザインのトーン&マナーも決定します。またグラフィックはもちろん、ユーザーニーズの分析によって使い切りの袋・再利用できる筒状の缶など、機能に基づいたプロダクトデザインの観点からも内容を見直し、パッケージを通じて伝えたい「循環」のメッセージを表現するためのデザインをブラッシュアップします。パッケージはCGだけにとどまらずQWSのFab施設を活用してプロトタイプを制作し、実際に使用してみて機能性やインテリアとしてのデザイン性も検証します。

3)渋谷区との提携先地域や東急系列のビルの屋上庭園の運営の実態調査

さらに渋谷区と提携する地域の肥料の用途に関する調査や、東急系列のビルを中心に屋上庭園の運営における肥料の使用のヒアリング調査を通じてBtoB向けの用途を整理し、こうした場面で肥料を活用するための仕組みを立案します。

7月

1)コンポストを用いたオリジナル有機肥料の完成

12月から作り続けてきた有機肥料は7月を目処に発酵が完了する予定です。フルーツを中心とした肥料のほかに、コーヒーの残りカスのみを使った肥料も完成を予定しています。

2)認知を増やすためのワークショップを実施(QWSと連携)

またQWSと連携をして渋谷肥料を活用したワークショップを実施します。親子で参加できるワークショップの形式で、肥料作りや家庭菜園を体験しながらゴミの削減や環境問題についても学べるプログラムを実施し、プロジェクトの認知を増やすと同時に、渋谷の中心で「循環型社会」のあり方を多くの人と考える機会を設けます。

3)2次展開例の候補をリストアップし、プロトタイプを制作

コーヒーの残りカスのみを使った肥料や種や土がセットになった栽培キット、発酵の際の抽出液を活用した消臭剤や清掃グッズなどを想定している2次展開に関して、コンセプトとの整合性やソーシャルインパクト、実現可能性や生活者のニーズなどの多方面から分析し、候補をリストアップします。有力なものは肥料同様にQWSのFab施設を活用してプロトタイプを制作し、QWS内外の方々からのフィードバックを頂きます。

4)肥料メーカーや大学、肥料販売会社、渋谷区、東急系列のビルにプレゼン(提携先候補との交渉)

肥料メーカーや大学、肥料販売会社、渋谷区、東急系列のビルなど、2月にまとめた提携先候補に向けて、企画とプロトタイプをプレゼンします。メーカーや大学とは肥料の成分についての研究を行い、メーカーの直販のECや小売店、大学の生協などでの販売も視野に入れてプロジェクトを進めていくことで、製造から販売までのルートを検証します。また渋谷区や東急系列のビルとは観光や市区町村間の連携、ビルのCSR活動としての文脈から、渋谷肥料が貢献できる取り組みを検証します。

8月

1)活動の成果報告+今後の活動計画のロードマップを提示

3ヶ月に渡る活動の成果をQWSステージで発表します。その際に9月以降のプロジェクトのロードマップを提示し、未来へとつながるビジョンと今後の活動計画、協力をいただきたい内容をお伝えします。共感をしてくださった方々と一緒にプロジェクトのアイデアをより膨らませて、実現に向けたステップを歩んでいきます。

2)6月以降にブラッシュアップをした肥料とパッケージの公開

QWSチャレンジの期間中にブラッシュアップをした肥料とパッケージをコンセプトモデルとして公開します。形になった製品をお披露目することで、多くの人に具体的なイメージをつかんでいただくと同時により多くのフィードバックが得やすくなります。コンセプトモデルの存在によって渋谷肥料の魅力を発信し、プロジェクトを推進していきます。

プロジェクトメンバー

坪沼敬広

代表 / コンセプトディレクター / プロジェクトマネージャー

坪沼敬広

代表 / コンセプトディレクター / プロジェクトマネージャー

クリエイティブ・デザイン・コンセプトメイキングについての理論と方法論を駆使し、BtoB / BtoC、プロダクト / サービスを問わない多方面でクライアントの課題解決に携わる。渋谷肥料プロジェクトでは全体コンセプトのディレクションと各企画のマネジメント、外部対応の窓口を中心に担当。

お問い合わせ

合同会社渋谷肥料

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合同会社渋谷肥料

「渋谷肥料」は渋谷を「消費の終着点」から「新しい循環の出発点」にシフトするプロジェクトです。事業ごみが7割を占める渋谷の卸売店・小売店・飲食店・宿泊施設などから排出される生ゴミを肥料・堆肥化し、「サーキュラーキット」「サーキュラースイーツ」「サーキュラーコスメ」の3つのソリューションを生み出すことで、都市における廃棄→再資源化→供給→生産→商品化→流通→販売→体験の循環に新たなモデルを確立します。
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応援コメント

都会の「渋谷」と結びつきそうもない「肥料」とのつながりに興味をもちました。生ゴミの再利用で「消費の終着点」から「新しい循環の出発点」となる渋谷に期待しています。
東京都市大学 工学部 教授大上浩

前回に引き続き推しなのですが、毎回着実に進んでいて、かつあがってくるアウトプットのレベルも軸もぶれていないので見ていて気持ちいいです。
そもそもの着眼点もとてもよいので、あとここからはいかに”良い”プロダクトを作れるかにかかっていると思います!
こだわり抜いていきましょう。
株式会社ウツワ 代表取締役 ハヤカワ五味

大学でも学生はなかなか観葉植物に関心をもって世話してくれません。そこにこういった物語があると、変化が生まれるかも。コンビニやキヨスクで買えるようになることを期待します。
早稲田大学創造理工学部建築学科 教授/龍蔵寺住職 高口洋人

リーダーインタビュー

あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?

▼肥料に「世界観で買う」という新しいカテゴリーを生み出す

有機肥料は渋谷らしいおしゃれなデザインのパッケージで売り出すことはもちろん、スティック状の使い切りパック、匂いが少ない土、カラフルな色が付いた土など、若者が家庭菜園で使いたくなるような要素を盛り込みます。グラフィックデザインを中心としたトーン&マナーはウェブサイト・リーフレット・店頭POP・SNS・関連プロダクト(コンポスト)なども統一感を持って展開し、あらゆる側面から生活者との接点のデザイン性を高めることで、「この肥料を使うと気分が上がる」「おしゃれだから使って家にも置いておける」という肥料ブランドとしてのポジションを確立します。結果としてこれまでコストパフォーマンスや機能性が重視されてきた肥料のマーケットに「世界観で買う」という新しいカテゴリーを生み出します。

▼4つのルートで展開することで様々な角度から生活の中に浸透する

「渋谷肥料」ブランドは、渋谷を「消費の終点」から「新しい循環の出発点」にシフトするために《①家庭菜園をする生活者向け製品》《②高層ビルの屋上庭園で肥料を活用》《③渋谷区が提携する自治体向けに肥料の提供》《④コーヒー肥料や栽培キット、消臭剤や清掃グッズとして2次展開》の4つのルートで展開をします。用途に応じた多方面での活用によって、「渋谷肥料」ブランドが様々な角度から生活の中に浸透することにつながります。

《①家庭菜園をする生活者向け製品》は、「生活の質を高める肥料」として一般的な1kg300円~400円程度の肥料よりも高価格帯で販売をします。販売はShibuya Scramble Sqareや東急系列の高層ビル、ネット通販、特産品として渋谷区観光協会の管轄のエリアでの展開します。さらに肥料作りワークショップの実施や農業イベント、ごみ問題の啓発活動とも連携し、ブランドのPRはもちろんゴミ問題の啓発活動にも貢献します。

《②高層ビルの屋上庭園で肥料を活用》は、例えば渋谷スクランブルスクエア内の飲食店で出た生ゴミを肥料として再生し、ビルの屋上庭園やオフィス緑化の肥料として活用します。渋谷スクランブルスクエアではごみの分別を細かく対応しており、社会的意義の観点からも「肥料」という分かりやすい形で分別の取り組みを伝えます。また東京都で1,000平方メートル以上の敷地で新規建築する際には緑化計画書の提出が必要であることから、屋上庭園などのビルの緑化の取り組みが盛んですが、そうした用途に自ビル内で出た生ゴミを活用した肥料を使用することで、ビル内で出たゴミをビル内で再利用するという「循環」の仕組みを生み出すことができます。ゆくゆくは高層ビルごとの個性を生かした肥料が開発され、渋谷を中心とした都心の高層ビルではゴミの再利用と緑化を通じて自ら「循環」の仕組みを作るというアクションへとつなげていきたいです。

《③渋谷区が提携する自治体向けに肥料の提供》は、渋谷区が提携する秋田県大館市などの農業用や公共施設の花壇・緑化向けに肥料を提供するSocial Goodの活動です。例えば秋田のお米が渋谷のレストランで食され、残った分は肥料となって再び秋田の農業に貢献するといったように、渋谷にやってきた農作物が再利用され、新しい農作物を生み出す肥料となるストーリーを展開することで、「「消費の終点」から「新しい循環の出発点」にシフトする渋谷の姿」を広く伝えて、新しい循環の創出(サーキュラーエコノミー)に貢献します。

《④コーヒー肥料や栽培キット、消臭剤や清掃グッズとして2次展開》は、生ゴミを活用した肥料にとどまらない多彩な商品展開で「渋谷を新しい循環の出発点にシフトする」可能性を広げていきます。コーヒー肥料は柑橘類などに比べて発酵速度が速いコーヒーの残りカスで作った肥料です。渋谷にはカフェも多く、コーヒーの残りカスは必ず出るゴミであることから(QWS内のカフェHintでは毎日一番出る生ゴミがコーヒーの残りカスと言われています)、コーヒーの残りカスの再利用もゴミ問題に対する取り組みの観点から意義があります。またスターバックスなどの大手コーヒーチェーンは環境問題に対する意識が高いため、スターバックスデザインのパッケージの開発や肥料の店頭販売などのコラボレーション企画の可能性も探ります。ほかにも海外ではコーヒーの残りカスを再利用したマグカップや3Dプリンタ用のフィラメント素材などの事例もあることから、コーヒーの残りカスを再利用した製品開発にも挑みます。コーヒーは食品系の生ゴミの再利用に比べて抵抗感も少ないことから、たとえば「コーヒーチャレンジ」のようにキャンペーン化もしやすく、より多くの人にプロジェクトに参加していただくきっかけをつくりやすいことも強みです。栽培キットは、肥料に加えて栽培の容易なミニトマトやバジルのタネ、土をセットにすることで、家庭菜園の初心者もキットとパッケージを活用して野菜を育てることができる製品です。野菜を育てるところまで総合的に体験できるので、小さなお子様でも「循環」の仕組みを体感することができます。ワークショップや教育現場でも積極的に活用することで、従来の家庭菜園に親しんできたシニア層より幅広い世代に「循環」「いのちを育てる」仕組みを伝えていきます。そして消臭剤や清掃グッズは、肥料が発酵する際に出る抽出液をオーガニック消臭剤として渋谷のお土産としたり、改良を加えて清掃グッズとして世に出すことで、肥料よりライトな形で「渋谷を新しい循環の出発点にシフトする」取り組みを世の中に発信していきます。

あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?

渋谷に来ると日々様々な流行を目にします。流行は刺激的ですが、一方でその字ごとく「流れて行く」ものなので、消費されていく寂しさもあります。チームには20〜30年間渋谷に通っているメンバーもいますが、渋谷は新しい楽しさにあふれている一方で永く残るものが少ない街でもあります。日本の各地には時間をかけてその土地に根付いた独自の文化が形成され、地元の人々の誇りであり心の拠り所となっています。これに対して皆さんはたとえば「渋谷産」と言われてすぐに思いつくものはありますか?もちろん渋谷の地域でも農業や工芸に従事している方々もいますが、一般的にはすぐに浮かびづらく、渋谷とはやはり「消費の終着点」といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。一方「渋谷肥料」の取り組みは新しい「渋谷産」を生み出すことにもつながります。さらに肥料というプロダクトの特性を生かして社会を巡る仕組みを作ることで、渋谷を「新しい循環の出発点」にシフトすることを目指しています。

そもそも私たちは、QWSが開業前の2019年9月に「渋谷の新しい魅力を発信する」をテーマに『Newspicks』と主催したイベント「『クリエイティブパワー×ビジネス戦略』で新たな価値を創造する」内の出会いから生まれた有志のチームです。私たちは仕事や遊びで楽しい時間を過ごした「渋谷」という街にそれぞれの思い出に基づいた愛着を抱いていることから、渋谷で発生するゴミ問題といった負の側面にも心を痛めています。こうした現状に対して有志のチームだからこそできるしがらみのなさやノリの良さを生かして、常識にとらわれず体験そのものを楽しむ「渋谷らしさ」を体現し、不思議な縁に導かれた7人組みだからこそできる新しいチャレンジに取り組んでいきたいです。

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