QWS FES 2021で輝いた問いの軌跡と3年目への問い

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2019年11月1日の開業から2年を迎えたSHIBUYA QWS(以下QWS)は、開業2周年を記念してQWS FES 2021を開催しました。本記事ではQWS FES 2021を振り返ると同時に、開業から2年目を迎えるまでのQWSの軌跡を紹介します。

執筆:守屋あゆ佳 編集:加藤翼

問いでつながる7日間「QWS FES 2021」

開業2周年を記念して2021年10月29日から7日間開催された「QWS FES 2021」。

2回目となる今回は「『問い』に出会える、『問い』でつながる7日間」をコンセプトに開催。SHIBUYA QWSに関わる個人、法人、自治体、大学などの多様な連携パートナーを招き、パネルディスカッションを実施しました。ディスカッションテーマは日替わりで定め、様々なテーマについて深堀りした7日間となりました。

会期中、スクランブルホールでは16の企画、プレイグラウンドでは11のプロジェクトを展示。クロスパークでは、コミュニケーターと会員による企画を15も詰め込んだ「QWSホットステーション」が行われ、会員、非会員の枠を超えて、さまざまな問いを起点としたコミュニケーションが生まれました。

また、コミュニケーターによるSNSでのオンラインコンテンツも実施。Instagram LIVEでの生配信、Twitterでの「#『問い』でつながる7日間キャンペーン」など、QWSに直接来れない方も問いと触れ合える企画を用意しました。

【DAY1】QWS FES OPENING

初日のプログラムは、QWSと大学が連携して行うプログラムの一つ、クエスチョンカンファレンスからスタート。テーマは、Place on Question Conference 「いま『場所』がもつ価値とは?」。

QWSメンバーであり、SYYS LLC. 代表の矢代 真也さんをモデレーターに、コロナ禍でリアルな「場所」はどう変わったのか、QWSを仮説とし、共創のための場所・空間がもつべき3つの価値についてアカデミックな観点から、価値を生む場所の在り方を捉え直しました。 

【DAY2】EDUCATION & FUTURE

2日目は、教育機関である大学とスタートアップの関係性を問うセッションが続きました。渋谷区長 長谷部 健さん、渋谷区参与・SHIBUYA Startup University(SSU)学長 鈴木 寛さん、株式会社ミクシィ 取締役CTO 村瀬 龍馬さんをゲストに、渋谷で必要とされているスタートアップ支援について、渋谷区の事例やSSUの取り組みを伺いました。

また、近年増えている大学発のスタートアップ。早稲田大学理工学術院・教授、グローバル科学知融合研究所・所長 朝日 透さんをモデレーターに迎えたセッションでは、大学発スタートアップの現状と課題、大学としての支援体制や教育体制などについて議論が交わされました。

【DAY3】SDGs & Social Startups

3日目のテーマは「SDGs&Social Startups」。続くコロナ禍で浮き彫りとなった社会課題。そのような社会課題に対し、企業として取り組んでいる石井食品㈱ 代表取締役社長 石井 智康さん、㈱ローンディール 代表取締役社長 原田 未来さんをゲストに迎え、組織として取り組む必要性をお話いただきました。

また、東急エージェンシーSDGsプランニングユニット「POZI」とQWSによる渋谷スクランブルスクエア2周年キャンペーン「LOVE is SUSTAINABLE.」と連携したトークセッションも開催され、「モノを長く愛するための新しいものさし」について考えました。

【DAY4】GLOBAL & LOCAL 

QWSには、「パブリックメンバー」という地方自治体会員がいます。今回は一般社団法人官民共創未来コンソーシアムとQWSが連携し、越境時代の Publi‐Q サミット「BIGINNING OF SCRAMBLE」を初開催。官民共創をテーマに、4つの広域自治体と4つの基礎自治体担当者が、取り組みや直面している課題を共有する時間となりました。

また、米カリフォルニア州シリコンバレーを拠点に活動するHOMMA, Inc CEOであり、QWSコモンズの本間 毅さんや、コロナ禍でも海外進出に挑戦をしているスタートアップと、日本のスタートアップエコシステムの国際化に取り組むキーマンらを交えたハイブリッド形式のセッションでは、実践者ならではの視点で海外と日本のスタートアップの違いなどについてお話しいただきました。

【DAY5】BUSINESS & Startups

5日目は新規事業の実践者によるトークセッションや、国内外のベンチャーキャピタルに携わるパートナーを招いたディスカッションがハイブリッド形式で開催。

また昨年に引き続き、会いたい人に会えるピッチ大会「HACHIKO PITCH」では、QWSに入居する「 I _ for ME」「GOOD FOOD GOOD MOOD」「謎解きロゲイニング」の3プロジェクトが参加しました。

【DAY6】ART&CULTURE

昨年のQWS FES 2020から始まったQWS×INERTIA。

4回目を迎えた今回は、第一部にはビジネスの最前線で活躍されているシミックホールディングス㈱創業者 中村 和男さん、第二部には様々な美術館やコレクターのために貢献してきた㈱サザビーズジャパン代表の石坂 泰章さんをお招きし、アートとビジネスの関係性を問いながら、アートの本質的な価値についてお話しいただきました。

モデレーターは館長の野村、公益財団法人 清春芸術村 理事⾧、HOKUTO ART PROGRAM 総合ディレクターであり、QWS コモンズでもある吉井 仁実さんが務めました。

【DAY7】QWS FES CLOSING

QWS FES 2021を締めくくるのは「QWS AWARD 2021」。

QWS AWARDでは、QWSを卒業した元会員や現会員の皆さんから問いを起点としたプロジェクトを公募。その後一次審査を通過した11プロジェクトを、これまでの活動実績、期間中の展示、最終日のピッチ発表の3点で審査し、最も未知の価値に近づいたプロジェクトMVP(Most Valuable Project)を決定しました。

当日は審査員としてKESIKI パートナー 石川 俊祐さん、株式会社ゼロワンブースター ブランスクム 文葉さん、WORLD ROAD株式会社 共同代表 平原 依文さんをお迎え。3名による審査に加え、来場者の投票やオンライン投票による「オーディエンス賞」、「エキシビション賞」なども設けられました。

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当初予定していた審査時間を大幅に超過した今回のQWS AWARD。激論の末にMVPに輝いたプロジェクトとは?

Analitics of Ambient 浅井 睦さん

見事、MVPに輝いたのは「Analitics of Ambient」。「音を素材として取り扱えるようになるには?」という問いを掲げ、普段見えない音のかたちを解析し、可視化するツールを開発しています。

審査員の石川さんはMVPの決め手として、QWSのキーワードの一つ、「未知」を挙げます。

「今、自分たちの理解できる文脈を超えたところに球を投げて、一歩を踏み出している。勇気を持って実現に向けて取り組んでいるというところが、非常に面白い。新しい可能性しか感じない。ぜひ、日本の創造性を引き上げてほしい」

QWS開館時から複数のプロジェクトを通じて、未知の問いと向き合い続けてきた浅井さん。石川さんから、熱いエールが送られました。

また、オーディエンス賞には「母親アップデートコミュニティ」、エキシビション賞には「渋谷サーキュラー広告プロジェクト」、さらに特別賞として「YU-RA」がそれぞれ受賞しました。

QWS AWARD 2021に参加した11プロジェクト

3年目に向けて

ほとんど緊急事態宣言下での営業となった2年目。先が見えぬコロナ禍でも、QWSの問いが止まることはありません。

2年目にはオープン当初より準備を進めてきた実証実験イベント「CROSSTAGE」を開催し、一般の方にも、QWSやQWSで活動するプロジェクトを知ってもらうきっかけとなりました。

3年目のQWSも、「日常的にスクランブルを生み出すには?」という問いと向き合い続けます。かつて産業革命の礎を築いたとされる、ルナーソサエティのように、さまざまな人が出会い、議論し、新たな価値をつくる可能性の種が芽生える日常を目指し、試行錯誤を重ねていきます。

開業から2年で集まった問いは約7,500個。2年の月日を経て、問いから生まれたイノベーションの種が渋谷から、日本、そして世界へと確かに芽吹き始めています。

SHIBUYA QWSでは、未来の価値を創造する問いへの挑戦者をいつでもお待ちしています。

入会について

https://shibuya-qws.com/membership

QWSチャレンジ#12について

https://shibuya-qws.com/qwschallenge12

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