〈蛸みこし〉は、タコー感を醸成するのか?
本プロジェクトでは、〈蛸みこし〉を担ぐことが、「タコー感」(多幸感、多元的なウェルビーイング)に関連するのか、様々な参加者と実践と検証を重ねていきます。
アーティスト/疫学研究者のハブヒロシによって提唱された「ePi Art」とのコラボレーションによって、研究プロセスと結果の創造的な表現方法についても探求していきます。
何にチャレンジするのか?
アート作品〈蛸みこし〉を体験することが、タコー感(多幸感、多元的なウェルビーイング)の醸成につながるのか。アートと研究の垣根を横断しながら、制作 / 検証プロセス自体の課題や可能性にも光を当てたい。
なぜチャレンジするのか?
現代社会ではエビデンスの持つ力がますます強くなっていますが、それだけが行き過ぎると社会の硬直化にも繋がっていく気がします。そんな人間の営みを、蛸みこしでほぐしてみることで、今までにないエビデンスと生命としての人間の新たな関係の仕方が見えてくるかもしれません。
また、そこから巡り巡って、「エビデンス」という窓から見える世界の美しさも再発見していくことにも繋がると考えています。(ePi Art 土生)
どのようにチャレンジするのか?
疫学や公衆衛生は人々がいかに健康でウェルビーイングに生きていく事ができるのかについて研究しています。
しかし、ウェルビーイングを研究する研究者のウェルビーイングや、研究のプロセスそのものを問われることはないのが現状です。
それはどの分野においても起きている現象だと思いますが、そこに私は理念と現実の放置されたギャップを感じており、そのギャップを埋めるにはまずは身の回りの実践から始めることが大切だと思いました。
その方法として、アートにおけるこれまでの取り組みを見習い、エビデンス生成のプロセスにおいて専門家以外の人たちがフェアな形で協働していくということに挑戦していく必要があると感じました。
また、エビデンスという存在が、ただ何かを説明するための手段に成り下がっている感もあり、エビデンスという窓を通して見える景色の美しさの感動をシェアしたいという想いもつのっています。アートと研究は本来同根であるものが、一見真逆のような存在に分化しすぎていると日々感じており、互いの魅力をハーモナイズさせたいという夢が日に日に増しています。(ePi Art 土生)
野口 竜平
ハブヒロシ(土生裕)
京都大学大学院医学研究科社会疫学分野特定研究員、NPO法人丹田呼吸法普及会理事長
中島 響
応援コメント
また、そこに疫学の視点を取り入れて、「蛸みこし」が織りなすコミュニケーションによって生まれる「多幸感」をどう解いてゆくのかに大きな期待を寄せています。ぜひQWSをグニャグニャにしてください!
リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
〈蛸みこし〉を担ぐと、8人それぞれの背景や考え方が違ったとしても、「そこに居合わせた」ことを、ただ祝福しあうような気持ちになれることがあります。
みんなで息を合わせることも、バラバラなまま一緒にいることも、それができるという状況自体が、代えがたい価値なんだと思います。(octopus ∞ projects 野口)
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
「蛸は、脚のそれぞれに独立した知性がある」ことを知った時に、その心身をとても奇妙に思いました。
いったい、蛸にとっての脚、脚にとっての蛸はなんなんだろう、と考えているうちに、次第にその問いは、人間の個人と社会の間の空気感に似ているのではないか、と思い至り、「私たち」の集まりを蛸になぞらえる〈蛸みこし〉の制作と実践が始まりました。
それから5年間、各地で実践を重ねる中、〈蛸みこし〉を担ぐ8人やその周囲の人が、ときおり、不思議な多幸感に包まれる雰囲気に興味を持ち、その正体を知りたいと思うようになっていきました。(octopus ∞ projects 野口)
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