SNSで「世界」は本当に広がったのか
SNSは情報へのアクセスを容易にし、私たちに新たな視点を提供してきましたが、その一方で受動的な情報摂取は表現力や独自性を阻害し、また現実とのギャップを生む可能性もあります。
本プロジェクトでは、これらの課題を検証し、SNSとの健全な共存を改善策を模索していきます。
何にチャレンジするのか?
皆さんはSNSをどれくらい見ていますか?
自分の求めている情報が簡単に手に入ることは、「タイパ」を重視している方にとってはありがたいことですよね。
しかし簡単に他人が発信する情報が流れてくるために、行きたいカフェやレストラン、旅行先、映画・ドラマの感想まで、行動がSNSに囚われている方も増えていると感じています。
私たちは本プロジェクトを通して、本当に「世界」が広がるSNSの使い方、そしてSNSの未来についてを探求します。
なぜチャレンジするのか?
私たちは東京外大の学生として、「多様性」を非常に重要視しています。
「文化」「言語」などの多様性が広がってきている一方で、SNSによって世界が一元化されつつあるという課題も感じています。また、外国語学習以前に日本語でも自分たちの考えを述べられない方が増えていることにも危機感を感じています。
社会をより便利にすることも大切なことではありますが、現在の状況は果たして自分たちの見えている「世界」が、本当に広がっていると言えるのでしょうか。
Webマーケター側の視点では、「バズる」投稿を生み出すためには、ある程度万人にウケるコンテンツが必要です。あるターゲットにアプローチするためには、そのターゲットを「個」としてではなく「塊」として捉える必要があります。
また、トレンドも同様です。
そのトレンドについていくことができなければ話題に置いていかれる、といった状況はどのように捉えるべきでしょうか。自分の個性を押し殺し、流行っているものに身を置く、それを好むようになることは自分たちの「多様性」を見失っているのではないでしょうか。
私たちはこうした状況に際し、これからのSNSとヒトとの関わり方について、真に「世界」が広がる使い方を考えていきます。
どのようにチャレンジするのか?
本プロジェクトでは真に「世界」が広がるSNSの使い方を模索するため、デジタルネイティブ世代を主として調査を行い、現在の課題点、また未来のSNSについてなどを探求します。
またWebマーケティングにおいて、今後のSNSをどのように捉えるべきかについても考えます。
伊藤 優花
伊藤 優花
東京外国語大学大学院博士前期課程2年。大学院で歴史学を専門としながら、静岡県を中心に地方企業や個人事業主を対象にWebコンサルティング・SNS運用代行を展開中。
様々なインターンや事業に携わり、Webマーケティングにおける地域格差について課題視している。
田端 愛寧
田端 愛寧
東京外国語大学学部3年。
高校2年時には、カナダのマニトバ州にてバレーボール留学を経験。大学では二つの体育会系部活動を兼部しながら、学業ではゼミで教育心理学を専攻している。
部活動を引退後、自分が挑戦したことのない領域で新しいことを学びたいという思いから、Web・SNS研究会(本サークル)に入る。
森川 紗衣
森川 紗衣
東京外国語大学学部2年。
高校2年時に約1年間カナダのアルバータ州に留学。大学では、日本に関する様々な分野について多角的に学習している。
本サークルでは、SNSの運用代行を務めている。
また、今年度からNotionキャンパスリーダーとしても活動中。
陶 彩葉
陶 彩葉
東京外国語大学学部1年。
高校3年時にロータリー青少年交換プログラムでインドのプネーに派遣。
大学ではヒンディー語専攻でインドについての知見を増やしている。
高校生でインドに留学したからこそわかる魅力をインスタグラムを中心にSNSにて情報発信している。
採択者からのコメント
コミュニケーション用のメディアはこれまでもこれからも移り変わっていくなかで、いわゆる現役である若いSNSネイティブ世代が自ら問題提議していくことはコミュニケーションの未来に向けての資産になると思いますし、ぜひ応援していきたいと思います。
リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
SNSの普及によって「情報」に容易にアクセスすることが可能になりました。SNSはユーザーに新たな価値や視点を提供しており、それによって日々の生活がより豊かになったと多くの人々が感じていることでしょう。
その一方で、「タイパ(タイムパフォーマンス)」が重視されている現在、観光をするのにもしっかり調べ上げてから回らないと時間を無駄にしてしまうと考えている人や、話題になっている映画を観るときは、自分が観て面白いと思えるかどうか、レビューを先に確認してから映画館に足を運ぶ人も増えています。
SNSには自分にとって最高で最適な情報がいつでも流れてきます。友達との旅行や恋人とのデートなど、これからやろうとしていることも成功に導いてくれることも多いでしょう。しかし、これによって本当に「世界」が広がったと言えるのでしょうか?
私たちは、世界中の「言語」や「文化」を専攻している大学のWebマーケティングサークルとして、ここに浮かび上がってくる3つの問題に特に着目します。
(1)語彙力・思考力の低下
ドラマ、映画を観た後、すぐにSNSを開き、他人が感想を言語化したものを見て「あーわかる」と共感した経験はないでしょうか。また、動画を何も考えずに数時間流し見た経験がある方も多いと思います。
テレビや新聞と異なり、SNSは発信者が多いために自分が興味があることばかり流れてきます。興味があるものを受け身で見ることはとても気持ちが良いですよね。自分が頭を使わなくても誰かが作ってくれたテキスト、動画、画像を見るだけで自分ではない他人が自分の感覚を表現してくれるからです。
しかし、これにより語彙力や思考力の低下が指摘されます。これらの低下を防ぐSNSの使い方はあるのでしょうか。
(2)多様性の損失
カフェやレストランをSNSで見つけて訪れたとします。写真を撮影する際に、SNSでその場所を検索して自分が良いと思った構図そのままに撮影した経験はないでしょうか。
これは、自分で考えた構図ではなく、あくまで他人が考えたものです。
ここで問題になってくるのは、「個人」の表現として写真を撮影することが少なくなっていることです。
SNSを見れば「映え」る「正解」が載っています。これによって、特に若者世代の一人ひとりの個性が以前よりも伸びなくなってきているのではないでしょうか。SNS社会において、「個」としての自分の多様性を失わずに育てることは可能なのか、このことを模索していきます。
(3)SNSと現実の境界線
「チルい」「エモい」「メロい」などの言葉があります。これはSNSから始まった言葉で、SNSを見ていない人には通用しないことも多いです。SNS上のテキストや画像、動画を通じて「感覚の共有」は促進されていますが、これは果たして現実世界でも通用するものなのでしょうか。このような現状を元に、本プロジェクトではSNSと現実の境界線を探り、新たなコミュニケーションの形を考えていきます。
以上のような課題から、コミュニケーションに深みや多様性が失われている現状を浮き彫りにすることで、私たち一人ひとりの個性をさらに引き出し、SNSと現実の境界線を探ることに重点を置いて活動します。SNSがある社会において、人々がSNSを通じてさらに豊かなコミュニケーションを取れる方法を模索していきます。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
デジタルネイティブ世代である私たちは、SNSから膨大な情報を得ています。しかし、スマホがもたらした利便性によって生活が豊かになった一方で、自分の得た情報があたかもマジョリティの意見であるかのように錯覚してしまうことや、また、受動的に情報を取り込むことが習慣化することで、思考力が衰えるといった課題も見られます。
SNSは私たちに、自分をオープンにする手段を提供しました。しかし現状のままでは、たとえSNSが将来廃れたとしても、私たちが情報の渦に飲み込まれている状況は変わらないと考えています。故に、私はSNS運用者の一人としてこの課題に真剣に向き合い、何が問題か、その問題にどう向き合うべきかを模索していきたいと考えています。
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