一枚の服に愛着を持つには?
消費者の方に向けて、作り手が込める想いやストーリー、製造過程といった文脈を前提に伝えることで一つの服に愛着を持つ価値軸を育てると同時に、服や作り手への共感をベースにしたコミュニティを楽しむことができるリアルとデジタルの融合した次世代のファッション体験をつくります。
何にチャレンジするのか?
stitchは、一枚の服に想いを込めるファッションデザイナーさんと消費者の方を直接繋ぐ、産直コミュニティアプリを作っています。個の価値軸やこだわりを追求したクリエイションを強みとするデザイナーさんの抱える、ビジネスリソースが不足しキャッシュフローが不安定であるという課題に対して、ビジネス面をサポートしてファンコミュニティを中心とした新たな収益基盤を確立していきます。
消費者の方に向けて、作り手が込める想いやストーリー、製造過程といった文脈を前提に伝えることで一つの服に愛着を持つ価値軸を育てると同時に、服や作り手への共感をベースにしたコミュニティを楽しむことができるリアルとデジタルの融合した次世代のファッション体験をつくります。
WEBサイト: http://stitchtokyo.com/
SNS : https://www.instagram.com/stitch_official_2021/
なぜチャレンジするのか?
機能的価値を追求してきた世の中は飽和状態にあり、その一方でそのモノが存在する意義の部分である情緒的な価値が求められ、一人一人の価値軸で世の中に問いを再定義していく時代になってきています。
技術の進化によりコモディティ化が進んだ世の中において、一人一人の価値軸から発せられる多様な問いは、その存在自体に大きな意味があります。 ファッションも同様に、機能性としての側面は既に飽和状態にあり不要不急の存在と隣り合わせとなる一方で、その対極にある嗜好性や表現としてのファッションは、個人の価値軸による多様な問いを世の中に定義していくものであると考えています。 他方で、ファッションにおける情緒的価値の高いクリエイションを追求する若手の課題として、世の中への問いを起点とした提供価値の追求にはコストが掛かるにも関わらず、クリエイション自体の販路は狭く、それに見合う経済的価値を生み出せることは少ないのが現状です。
また、信用できる質の良いものをより長く楽しみたいと考えるZ世代の消費者の抱える課題として、情緒的価値の高い若手D2Cブランドを消費するにあたっての金銭的、情報的コストの障壁が高いという現状があります。 両者の課題解決として、若手クリエイションの追求自体に付加価値を持たせ、消費者側にもその価値を身近にすることができれば、若手のクリエイションに経済的価値を持たせられると同時に、活性化させることができるのではないかと考えます。
どのようにチャレンジするのか?
8月:
クラウドファンディングにてstitch_のコアユーザーを獲得
α版アプリケーションを通したユーザーデータの分析
インサイトの収集
9月:
α版アプリケーションの改善
オフラインイベントの企画
10月:
展示会と体験型イベントの開催
プロジェクトメンバー
平澤 良樹
田中 琴奈
大浦 雲平
Creative Director
大浦 雲平
Creative Director
ベルギー、アントワープ王立芸術アカデミーに留学後、2006年にパリに移り住み、パターン学校A.I.C.P. (Academie Internationale de Coupe de Paris)にてレディースパターンナー資格を取得。 Veronique LeroyやLemaire,Alexander wangなど数々のブランドで研鑽を積み、2013年パリにて同ブランドを立ち上げる。 2015年自身のビザ取得のため、パリ最高裁判所にてゲリラショーを開催。ル・パリジャン紙、AFP通信 などを通じて世界に伝えられ、多くの反響を集めた。 以後、就労ビザを取得し、年2回のコレクションをパリと日本各都市にて発表している。
大城 章太
Web Engineer
応援コメント
サステナブルな時代に生まれたからこそ、あえて大量生産に背を向け、
1枚の服への愛情を訴える。
その先にどんな未来をみえてくるのか、一緒に探ってみたい。
リーダーインタビュー
あなたの「問い」は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
「一枚の服に愛着を持つには?」
経済合理性が追求されたことで便利な世の中になり、安くてもある程度質の良い服が当たり前のように買えるようになりました。一見豊かであるように見えますが、一度立ち止まって見ると、効率ばかりが追い求められていてお店ではビジネスとして”売れるもの”ばかりが並べられている現状があり、自分自身が本当に好きなものや気に入ったもの、小さな頃から育ってきた中で育んできた個性や色に向き合うことができる時間がなくなってきてしまっているのではないでしょうか。 日々の仕事や人との関係に追われ忙しない毎日の中で、自分の個性や色に全力で向き合うことができるような心休まる時や空間があっても良いと感じます。
stitch_は、一枚の服に想いを込め、独自性とこだわりを追求したものづくりを行うファッションデザイナーさんと、一枚の服を通して自分の好きと向き合う消費者の方を直接繋げてコミュニケーションが取れる場やコミュニティを作ることで、一人一人の色に向き合うことができる空間を作っていきます。 ファッションデザイナーさんと消費者の方の産直コミュニティを作ることで、主に3つの価値に繋がると考えております。
① 大量生産大量消費へのアプローチ
ファストファッションの流行により国内アパレルではコストの低減傾向が進められ、海外に産地や工場が移転されたことで、世界で評価される日本の服のものづくり産地は衰退が進行しました。 質の良い服があれだけの低価格で提供されるようになった世の中は資本主義の中では成功と言えますが、80%以上の服が人に着られることもなく捨てられ、消費量が減っているのにまだまだ売るために生産され続ける世の中は、シンプルに必要ないし誰が求めているのでしょうか。ファストファッションの服も、その捨てられる一枚の服も、どこかの誰かが一生懸命手で縫っている一枚です。代々受け継いできた縫製技術で出来上がる一枚の服の裏側を理解するだけでも、多くの人の想いが詰まっているその一枚の価値を見極められるようになるのではないかと考えています。その一枚にフォーカスを当てて裏側を知り、作り手さん達への共感を軸に購入していく場を作ることで、服に対するリテラシーを上げていくことがstitchで実現できる1つの価値です。
② 日本のものづくり産地の衰退へのアプローチ
世界で評価される日本の服のものづくり産地衰退の背景には、一枚の服をより安くしようという考え方がありました。一方でヨーロッパのハイブランドの事例として、より良いものづくりをするために職人を守り、育てていく価値軸があります。 実際に多くのハイブランドが価値の高い日本の産地や技術を起用しており、逆輸入型になっている現状があります。多くの工場では国内の後継者問題やコストダウンなどから軒並み倒れて行ってしまっていますが、stitchではその技術と文化を消費者が直接応援し守ることができる仕組みを作っています。産地や職人さんなどをオープンソース化し、エンドユーザーからも直接応援できる仕組みを提供することで、日本のものづくりの衰退を少しでも減少させることができるのではないかと考えます。
③ 独自性を追求するデザイナーのクリエイション活性化へのアプローチ
日本のものづくり業(産地や職人など)を守っていくことも重要であると同時に、その技術を付加価値のある最終製品に変えられるデザイナーを育てていくことが、非常に重要であると考えています。ファッションにおいてデザイナーの強みであるクリエイションの追求には非常にコストが掛かるにも関わらず、そのクリエイション自体の販路が狭く、それに見合う経済的価値を生み出せることは少ないため、非常に身を削っていく構造となっています。また、ものづくりに両立するビジネス面での知識やリソースが不足していることが理由でクリエイションを諦めたり、ひとまず将来のために就職しよう、という判断に至ることが多いのが現状です。 また、その追求されたクリエイションのコストに見合う経済的価値は非常に高価であり、消費者がその経済的対価を払うには高い障壁があるのが現実となっています。 デザイナーのクリエイションの追求自体に価値を持たせ、消費者側にもその価値を身近にすることができれば、若手のクリエイションに経済的価値を持たせられると同時に、活性化させることができるのではないかと考えます。stitchではアプリケーションを通して、デザイナーとその消費者が直接繋がれるコミュニティを醸成し、コアなファンづくりに取り組みます。このコミュニティ機能を提供することで、デザイナーは今まで立てられなかった生産予測などを消費者からのリアクションで測ることができ、息を吸うようにクリエイションをすることができる基盤を作っていきます。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
私の家族や親族には、80年代の日本のファッションの最前線で働いていた人達がいました。ファッションの楽しさと共に、衰退・縮小していく時代も体験している世代です。私の叔父が常にファッション業界には進まない方が良い、やめた方が良いよ、と私に話している一方で、自ら所有している服や過去のファッションにまつわる記憶に対して大きな愛情を持って触れている姿を見ていて、心の引っ掛かりを覚えていました。叔父から譲り受けた服はどれも愛情ごと引き継いでいる気分で、今もこれからも、強く愛着を覚えるものであり、繋いでいきたい体験であると感じています。
経済合理性の追求により安くても質の良いものが手に入る世の中が当たり前になり、一つ一つの人の温かみの様なものがどこか薄れ本質的な価値がどこにあるのかも見えづらくなってしまっているこの時代に、思想や表現、アートとしてのファッションの持つ力を信じ、個の価値軸を追求する若手のファッションデザイナーの方々とひたすら向き合い続け対話を重ねて1年が過ぎます。 独自性を追求したこだわったものづくりに魅力を感じる一方で、クリエイションを追求していくのに非常に厳しい構造があることを叔父をはじめとして周りの友人を見て感じてきました。そのような本気でクリエイションを追求していこうとする人達が、未だ世の中に評価されていない若さの中、困難な環境下で感性を追求していく中で、そこに内在する構造的な課題を解決することはできないかと考えたのが始まりです。
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