マイノリティ研究の促進と研究成果の実用化を図るにはどうすれば良いか?
今回QWSに採択していただいたプロジェクトの概要である「マイノリティ研究促進プログラム」では、メンタリング、研究支援、研究成果の実用化支援、交流会・発表会の4つの支援を、マイノリティ研究を行う若者の研究者に提供します。
このプログラムにより、若手研究者のマイノリティ研究の質を向上させ、社会全体でマイノリティへの理解を深めることを目指します。理論と実践の両輪で取り組むことで、マイノリティ当事者が直面する課題の解決に貢献し、多様性を尊重する社会の実現に向けて精進して参りたいと考えております。
何にチャレンジするのか?
マイノリティ研究所主催の研究プログラムを制作・実施する
なぜチャレンジするのか?
社会的必要性、知識の統合と実践、若手研究者の育成、産学連携の促進、社会的インパクト、持続可能な取り組み、多様性の尊重の観点から自身の掲げた越境する問いに対するチャレンジが必要であると感じた。
社会的必要性:
多様性のある社会の実現は現代の重要課題です。マイノリティの定義や状況が時代や場所によって変化する中、継続的な研究と理解が不可欠です。
知識の統合と実践:
各分野の専門知を融合することで、マイノリティ研究に新たな視点や方法論をもたらすことができます。 理論と実践を結びつけることで、研究成果の社会実装を促進し、実際の問題解決に貢献できます。
若手研究者の育成:
マイノリティ研究に携わる若手研究者を支援することで、この分野の将来的な発展を担保します。 メンタリングや研究支援を通じて、質の高い研究を促進します。
産学連携の促進:
研究者と産業界とのマッチングシステムを構築することで、研究成果の実用化を加速させます。 アカデミアとビジネスの架け橋となり、新たなイノベーションを生み出す可能性があります。
社会的インパクト:
研究成果の社会実装を通じて、マイノリティが直面する実際の課題解決に貢献します。 社会全体でのマイノリティへの理解を深めることで、より包摂的な社会の実現に寄与します。
持続可能な取り組み:
研究、支援、実用化、発表という一連のプロセスを確立することで、継続的かつ体系的なマイノリティ研究の推進が可能になります。
多様性の尊重:
マイノリティ研究を通じて、社会の多様性を可視化し、その価値を広く認識させることができます。
国際的な貢献:
マイノリティ問題は世界共通の課題であり、このプログラムを通じて得られた知見や方法論は、国際的にも価値のあるものとなる可能性があります。
どのようにチャレンジするのか?
- メンタリング
- 研究支援
- 実用化支援
- 交流会・発表会としての学会設置 の4点を兼ねたマイノリティ研究促進プログラムを制作・実施する
西岡春菜
西岡春菜
東京大学大学院修士1年 在学中。
学部2年生の頃にメンタルヘルスに関する活動を行う一般社団法人NeBAを設立・運営し、「マイノリティ全般に関して学際的に研究及び活動できる組織があったら良いな」と考え修士1年でマイノリティ研究所を設立した。
自助グループ形成・運営等の「コミュニティ」と、AI,VR,アプリケーション等の「テクノロジー」の2側面の研究及び活動から、「生きづらさ」を解消する為の方法を追求している。
ゼゼ
ゼゼ
武蔵野美術大学 芸術文化学科卒業.広島大学大学院 医系科学研究科 遺伝カウンセラー養成コース在学中.(修士1年)
ロボット開発のインターンを経験し,疾患と日常生活が地続きになっている人々の環境構築やコミュニケーション方法に興味を持つ.“未来の診察室”を標榜した卒業制作作品は,医美同源デザインアワード コミュニケーション部門にて最優秀賞受賞.
早川結子
早川結子
「自分の居場所を自分で作れる人を増やす」を目標に、子供の言葉の発達に関わるべく、言語聴覚士を目指しています。
興味範囲は発達障害、言語学、言語発達学、認知科学など、広く浅く。 NeBA(メンタルヘルスに関するサイト)や、映像プロジェクトValidationなど、様々な方法で表現しています。
杉本 碧
杉本 碧
慶應義塾大学環境情報学部2年。若者ケアラー。
小学生の頃からパーキンソン病を患う母をケアしている。
自身も中学生の頃からバセドウ病を患う。
現在は、ヤングケアラー、精神疾患の一歩手前のグレーゾーンに属している若者の居場所作り、 パーキンソン病患者の居場所作りの活動をしている。
趣味は、和菓子巡りと映画鑑賞。
採択者からのコメント
リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
「マイノリティ研究の促進と研究成果の実用化を図るにはどうすれば良いか?」という問いは マイノリティ当事者、マイノリティ支援従事者、マイノリティ研究をする研究者の各々に対する価値に繋がることを考えています。
【マイノリティ当事者の視点】 学問分野を超えた研究者コミュニティが形成され、若者のマイノリティを分野横断的に研究する活動や研究を元にマイノリティの為のプロダクトが開発する事を支援することで、次世代の日本社会にマイノリティ当事者一人一人の複合的な課題に寄り添った総合的な支援策が生み出される可能性が高まり当事者にとって生きやすい社会に繋がる。
【マイノリティ支援従事者の視点】 マイノリティ支援従事者が当事者に対して、マイノリティの分野横断的な研究が進むことで(HOW)トランスディシプリナリーなアプローチが出来るようになり、制度・政策から現場実践まで、マイノリティ支援のあらゆる場面で包括的な施策が立案できるようになる事で適切な支援や共生方法の模索に繋がる。
【マイノリティ研究をする研究者の視点】 マイノリティ研究をする研究者、かつ若者の研究者が研究仲間を集めやすくなるコミュニティー形成、研究者に研究を伴走してくれるメンターや金銭的支援のできるプログラムを作り参加してもらうことや、研究を社会実装したい時の支援をしてくれる制度を作る事で、研究者は研究と社会実装が容易になり、日本のマイノリティ研究は促進され、マイノリティに対する理解や支援策の検討は加速する。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
私の「マイノリティ研究の促進と研究成果の実用化を図るにはどうすれば良いか」という問いは、「青年期の精神疾患当事者を対象とした自助グループ」を設立・運営していた経験から生まれました。
精神疾患当事者の自助グループを運営し研究していく中で、日本では10~39歳の死因の第1位が自殺であり、その原因の40.4%が鬱病、21.6%がその他の精神疾患(統合失調症等)であることを知りました。日本の若者が亡くなる最大の理由が精神疾患であり、社会的偏見や経済的理由から医療機関に通えず、誰にも心の悩みを打ち明けられない現状に私は心を痛めました。そこで、「なぜ青年期の若者は精神疾患になるのか?」「いかにして青年期の精神疾患当事者の苦しみは緩和されるのか?」という研究課題に取り組み、研究成果の社会実装として学部時代に青年期の精神疾患当事者の自助グループを設立・運営してきました。
青年期の精神疾患当事者という一つのマイノリティ当事者の観点から見ても、精神疾患になる要因は多岐にわたります。不登校による鬱病、親からの虐待による双極性障害、発達障害によるコミュニケーションの問題から生じる精神的な落ち込みなど、複合的なマイノリティの要素が関わっており、課題に寄り添った総合的な支援策が必要不可欠です。
また、精神疾患の状況をいかに緩和するかというマイノリティ当事者の課題解決には、医療、社会福祉、政策、教育、組織学、自助グループに関する知識など、複合的な分野の知識と研究が求められます。こういった意味合いで「マイノリティ研究の促進と研究成果の実用化を図るにはどうすれば良いか」という問いは、越境する問いであると考えています。
そこで、様々なマイノリティに関する研究や異なる学問分野を学際的に研究できる「マイノリティ研究所」を設立し、マイノリティ研究を促進させ研究成果を実用化するプログラムを作るなどの取り組みを行うことで、日本のマイノリティ当事者が「生きやすい社会」を目指すことを考えました。
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