なぜ、”おすすめデートスポット10選”にラブホテルは載っていないのか?
ラブホイノベーションと聞いて、自分とは無関係なものと感じる人は多いだろう。その印象がそのままいまのラブホの立ち位置を暗示している。しかし、大きな変化はときにアンダーグラウンドからはじまる。
文化の中心から溢れて周縁部に集まってきたモノ、その混沌のなかから、ときおり異質な文化が現れる。ラブホテルは、かつての日本の周縁から生まれた巨大なアンダーグラウンドカルチャーだ。
一方で、いまのラブホ文化は、過去の継承に留まってしまっている。だから我々は、いまだからできるラブホを考える。まずはラブホ世界の周縁から、ラブホテルの世界を変革するラブホテルを考える。そして、日本文化の周縁であるラブホテルから、日本に新しい価値を創造する。
アンダーグラウンドから、日本を変える
何にチャレンジするのか?
ラブホテルの概念や在り方のイノベーションの実証実験として、ラブホテルをテーマにした空間企画開発とその実装を目標にプロジェクトを行う。ラブホと聞くと、負の印象を抱く人が多いだろうが、ラブホのような性愛空間は、日本の誇る文化の一つだ。古代日本において、歌垣と呼ばれていた空間があった。そこは、男女が歌遊びをしながら性的な関係になるという、万葉集にも登場する性愛空間だ。そのような空間は、お祭りのような特別な時期に一時的に現れていたが、ときおりそこに維持されるものもあった。たとえば見世物小屋などがそうだ。そして、ラブホはいまの日本にのこる、数少ないそんな特別な空間の一つである。しかし、そのような場所がかつてもっていた自由さを、いまのラブホには感じずらい。ラブホは巨大で、敷居の高いものだという印象をもたれる。お祭りにいったときの解放感ほどの自由さを、ラブホ街を歩いても感じずらいだろう。私たちは、ラブホ=性愛空間のイノベーションから、愛や性をはじめとする娯楽を、自由に楽しむ社会をつくる提案がしたい。公共空間や、マンション、店舗、会社といった”身近なハコ”にも着目をし、空間創造の実証実験を行いたい。
なぜチャレンジするのか?
円山町を盛り上げたい。一年前から始めた円山町チャンネルでは、円山町を活性化させる活動を続けてきた。このPJTはその活動の延長にある。円山町を盛り上げる手段の一つとして、ラブホテルの新しい在り方を社会に対して実験していく。
そしてさらに、円山町を越えて、常識を覆すような空間・文化の創造を行う。 このプロジェクトの意義は、ラブホの魅力と密接に繋がっている。
①ラブホとは、誰しもの身のうちにある混沌を引き受ける場所だ。なにかに定義されない場所。芸術でない芸術、空間でない空間。我々の世界には、明るい昼の世界と、混沌に満ちた夜の世界がある。しかし、日常生活のなかでは、夜の部分は大事にされず、むしろ避けるべきものとされている。人の暗い部分を解放する場所がない限り、それは行き場を失って溜め込まれてしまう。
解放ができる場所は日本においては少ない。ラブホを通じて、そういった空間を増やしていきたい。
②無邪気な遊び心を持てる場を作る。ラブホテルは、純粋な遊びの場であったっていいと思う。
現代社会では、無償の遊び心は、子供の世界からさえも次第に消えて行きつつある。レジャーはシステム化され、暇つぶしの域を超えるものは少ない。セックスをはじめとして、ラブホは激しくも純粋な遊び心を取り戻す場になりえる。
深淵に近い場所から、遊び心の回復をめざす。
③円山町のラブホに中心はない。広がり続ける混沌のエネルギーが結んだ、ひとつの像にすぎない。流れていく空間のなかに、ラブホという渦が生まれ、それがまた新しい流れとなる。その流れが、いま、滞りつつある。ラブホという制度が特権化し、ラブホが本来持っていた空間としての自由さが衰えつつある。
その流れを再び甦らせ、渋谷が川から街をイノベーションしているように、ラブホの世界にも再び流動性を取り戻す。ラブホの活性化は、その周りにまで変化を促す。
その流れが、やがて大きな流れとなって、他の文化にまで変化をもたらすきっかけになってほしい。
どのようにチャレンジするのか?
ラブホテルをイノベーションした新しい空間の開発と、その開発空間を実装した社会実験。個人とラブホのマッチングや、ラブホだけでなく、企業や店舗、マンションといった既存の空間への応用や実験に挑戦したい。目安として、”おすすめ観光スポット”に載るような、魅力的かつ社会に認められる空間も考える。
私たちは、性格も目標も異なる四人でこのプロジェクトを行う。
プロジェクトを成立させるには、全員が同じ方向を向いていることが必要だといわれている。
しかし我々は、四人があえて全く違う考えを持ち続け、それぞれが挑み合うことで、ラブホの持つ可能性に挑戦する。
ラブホには、経営、文化、土地開発など、多種多様な側面がある。それらを一方向からではなく、あらゆる面から自由に見つめ直すことで、ラブホの持つ魅力を再発見する。
ラブホは情念と経済のからみあいから生まれた、驚くべき遊び場だ。
“ラブホが好き”(ラブホリック)の元に出会った我々なら、この混沌のなかでこそ新たなラブホを創造することができると信じている。
プロジェクトメンバー
内野未唯
雜賀 由香
雜賀 由香
ニッチな一般誌や産業誌の編集、DTPデザイナーとして長年勤め、現在は個人事業主としてサポート業をメインに活動中。日本の誇る文化であるラブホテルの素晴らしさをプロジェクトリーダーたちと共に、発信していきたい。
熊谷渓司
熊谷渓司
産業機械メーカーにてDX推進(社内デジタルマーケティング体制の立上げ、等)や新規事業企画を経験。並行して環境系NPO活動、自社メディア運営を経て、レディース向けバッグブランドを設立し独立。マーケターとしてフリーランスでの活動も展開。
培ってきたtoC向けマーケティング/プロダクト開発の経験を生かして、これから自社コンテンツ/サービスを世に届けていく本プロジェクトのサポートをしていきたいです!
応援コメント
リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
ラブホを変えることで、結果的に価値が生じることがあっても、その価値をいま決めたいとは思いません。言葉にならないものを受け止めてくれるものがラブホや円山町にはあって、それが私の居場所になりました。社会で見てきた景色が、ときにあたりまえじゃなくなることに気付けました。そんな空間にも、実はたくさんの乗り越えなきゃいけないことがあって、それらの問題に自分なりに向き合うことで、結果的に新しい何かが生まれると思います。私が最初にラブホや円山町で感じた安心感を、もっとたくさんの人に伝えたい。この個人的だけど強い気持ちから。私は問いに挑戦します。そして、なにより私自身が、そこから生まれる価値を見届けたいと思います。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
私がラブホを好きな理由は、人生のいろいろなところから生じたもので、なにか一つに絞るのは難しいです。ですが、なにかに取り組むときには常に自分たちにしか作れないものを作るということを大事にしていました。いまの自分たちが等身大でできることに取り組む。自分が面白いと思える人たちと、背伸びをしない新しいものを作りたい。そして、それが自分たちの個人的な“面白い”から生まれたものであってほしい。若者だからとか、経験が足りないとかで挑戦をあきらめなければいけない社会ではなく、面白いものをどんどん生み出し続けられる、そんな社会があってもいいんじゃないか。そんな思いで面白いものに触れ続けてきました。例えば日本の色々な伝統文化や、地域の活性化。そして、そこに携わっている人やものが複合して、面白くなっているもの、本当になんでも好きです。それを研究して、自分でも作って、やりたいことが多すぎてひとつに絞れないほどです。でも、そのたくさんの活動が、いまのラブホイノベーションに繋がっています。よし、ラブホを考えよう!
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