被災地はほんとうに「かわいそうな地域」なのか?

プロジェクト名 双葉まるごと文化祭
#地方創生#平和学習#東日本大震災#双葉町#双葉まるごと文化祭
「ひたむきに強い信念を持って復興してきた双葉町を舞台に被災地への同情の念(かわいそう)を問い直すきっかけでありたい。」私たちは共感を生み出し(ひきだし)「たのしさ」を創出する「双葉まるごと文化祭」を開催します。双葉町と若者のプロジェクトがタッグを組み、双葉町の地域資源をフル活用した企画で「たのしそう」を起点に双葉町のサイコウを目指します。

何にチャレンジするのか?

双葉町関係者と若者のプロジェクトがタッグを組み、双葉町の地域資源を活用する企画をおこない、「たのしそう」を起点に双葉町を知り、関わることができる地域文化祭を開催します。
2022年10月中旬頃、福島県双葉町で開催する予定です。開催に当たって、地域事業者とコラボレーションする若年層が主となるプロジェクトを公募で募集し、彼らと共にこの「双葉まるごと文化祭」の実現を目指していきます。他にも文化祭の当日運営、プロジェクトサポートをする若年層(主に大学生)を別途で募集し、様々な関わり方ができる文化祭を目指していく予定です。
当日には、双葉町にゆかりのある人、これから双葉町に関わろうと思っている人、単純に「面白そう」と思ってきた人の皆が楽しむことができ、そこで新たな対話と交流が生まれる場所にしようと思っています。「双葉まるごと文化祭」をきっかけに共感と「たのしそう」という認識が双葉町に生まれ、双葉町に関わる人が増え、双葉町の新たな産業を築く一歩目を目指します。

なぜチャレンジするのか?

福島県双葉町は、未曾有の大災害に見舞われ、生活が困難になるほどの被害に遭いました。その結果、避難指示が続くことで双葉町は、同情や憐れみなどの感情をも彷彿させる「”かわいそう”な被災地」という認識が形成されてきました。多くの人が双葉町に対して、このような認識を持っているのは、東日本大震災直後の11年前の印象で止まっているからではないでしょうか。
双葉町の現状(定量的・定性的)を正しく認識した上で、再び対話と交流の場を設け、多様な視点で双葉町を観察し、共に未来を描く。そこから地域への愛着を持ち、継続的な地域への参画を促す状態を生み出すことによって、現状の認識を少しでも変えられると私たちは考えます。
「震災に依存した観光」だけでない地域資源を見出し、多様な人が双葉町に魅力を感じ、関わることができる状態を目指します。

どのようにチャレンジするのか?

1ヶ月目:活動
2つの活動を展開します。1つ目は、「問い」と「ビジョン」の磨き上げです。QWSに集う様々なチームや人々との対話と交流からこれまでの「かわいそうな被災地」や「心の拠り所」の捉え方をさらに具体化し、「かわいそう」をどのように「たのしそう」に移行できるかを議論します。加えて、次の段階として、今後の双葉町の在り方や求められる「心の拠り所」の姿を、QWSへ集う方々とのディスカッションを通して、より具体化していきます。
2つ目の活動は、文化祭の運営態勢の構築と幹部委員の募集です。10月に開催を目指す「双葉まるごと文化祭」の実施に向けた運営体制の構築を行います。具体的には、提携団体との連絡・連携、プロモーション、現地とQWSをつなぐオンラインコミュニティの形成、備品準備及び管理などが挙げられます。加えて、「双葉まるごと文化祭」のビジョンと趣旨に共感していただき、当日幹部委員として携わっていただける方の募集をおこなう予定です。QWSに集う様々な魅力あるプロジェクトの方々を中心に公募をし、双葉関係者と連携しながら自身のプロジェクトを「双葉まるごと文化祭」にて企画化できないかを検討していただきます。

1ヶ月目:アウトプット
2つのアウトプットをおこないます。1つ目は、QWSに集う人々と出会い、対話と交流を経て得た気付きや知見を私たちが開催する「双葉まるごと文化祭」に反映させ、逐次バージョンアップしたものを共有、情報発信することです。
2つ目は、私たちのチームが目指す「問い」や「ビジョン」についても、QWSに集う人々との関わりを通して、絶えず見つめ直し、アップデートしていくことです。様々な気付きやアイデア、「双葉まるごと文化祭」の開催概要については、私たちの各種SNSから世の中に対して発信します。

2ヶ月目:活動
2つの活動を展開します。1つ目は、1ヶ月目から引き続いて「問い」と「ビジョン」の磨き上げを行います。「双葉まるごと文化祭」に関わってくださるQWSに集う方々(幹部委員)や双葉町の方々と共にワークショップを開催します。この場を通して、「双葉まるごと文化祭」を通して実現したい未来の共通認識を形成し、幹部委員が双葉町への理解を深めるだけでなく、目指す方向性の統一を実現します。
2つ目は、文化祭の運営体制の構築です。1ヶ月目と同様に「双葉まるごと文化祭」の実施に向けた運営体制の構築を行います。加えて、幹部委員として関わっていただく方々と双葉町の関係者の方々を繋ぐだけでなく、共同で作り上げるプロジェクトのサポートを実施します。

2ヶ月目:アウトプット
2つのアウトプットをおこないます。1つ目は、「問い」と「ビジョン」の磨き上げのために開催するワークショップの開催報告を各種SNSなどを通して情報発信することです。双葉町関係者の方々が双葉町の未来について考え、対話をする場が少ない状態です。だからこそ、この場を実施したことを記録として残すことに価値が生まれると考えています。
2つ目は、双葉まるごと文化祭の準備の様子を各種SNSを通して情報発信することです。双葉町をフィールドにプロジェクトを大々的に実施する事例は、震災後にはない試みであるため、実施までの様子を記録として残すと同時に発信をおこないます。この発信活動を通して、「たのしそう」というイメージを波及し、「双葉まるごと文化祭」の集客にも繋げようと考えています。

3ヶ月目:活動
2つの活動を展開します。1つ目は、文化祭の運営における管理と調整、支援です。幹部委員との対話を通して実施プロジェクトを選定し、「双葉まるごと文化祭」で実施する内容の概要を決定します。これらを踏まえ、実施するに当たって必要となる準備を幹部委員、双葉町関係者の方々と共に洗い出し、計画を立て、調整をおこないます。
2つ目は、実行委員の募集です。幹部委員が「双葉まるごと文化祭」で実施するプロジェクトが大まかに定まり、具体的に当日必要となる実行委員の数が明確になるため、このタイミングで実行委員の募集をかける予定です。基本的にはリファラルでの採用を実施しますが、各種SNSでも募集はおこない、幅広い層の若年層の方々が関わっていただける仕組みを構築します。

3ヶ月目:アウトプット
2つのアウトプットをおこないます。1つ目は、本プロジェクトの活動報告をQWS内外にて実施します。QWSでのファイナルセッションだけでなく、「双葉まるごと文化祭」実行委員の募集のための説明会開催などで、QWSで磨き上げた「問い」「ビジョン」を外部に向けて活動報告問い形で発信していきます。
2つ目は、双葉まるごと文化祭の準備の様子を各種SNSを通して情報発信することです。「双葉まるごと文化祭」実行委員の募集や「双葉まるごと文化祭」に来ていただく参加者の募集をも見込んで、積極的な情報発信をおこないます。我々が運営するSNSだけでなく、積極的に外部メディアなどにも露出を行い、活動をより多くの人に広めていきます。

プロジェクトメンバー

宮内愛音

代表

宮内愛音

代表

2003年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部在学中。チアリーダーズUNICORNSに所属し週5で競技チアリーディングに奮闘する大学2年生。高校時代には「デキストリンペーパーによるプラスチック代替」というテーマで生分解性プラスチック代替に関する研究を行い、日本学生科学賞を受賞。その時に感じた、基礎研究の価値と評価のギャップに疑問を抱き、現在は経済学的な観点から基礎研究のあり方を模索している。「言葉」を大切にしたものづくりが好き。みんなのクリームソーダになりたい。

川上友聖

共同代表

川上友聖

共同代表

2001年生まれ。立命館大学産業社会学部3年。高校時代から教育の機会格差に課題意識を持ち、学校法人角川ドワンゴ学園、ソフトバンク株式会社でのインターンを経て、デジタル教材の開発・授業支援をおこなうAO design合同会社を起業。事業展開のなかで、公教育の拡大が必要不可欠だと考え、「地域社会における教育のあり方」に関心を持ち、まちづくりと現象学を大学で学ぶ。2020年度、2021年度立命館大学学生部長表彰 受賞。

山根 辰洋

アドバイザー

山根 辰洋

アドバイザー

1985年生まれ。東京都⼋王⼦市出⾝の双葉町⺠。東⽇本⼤震災をきっかけに復興⽀援をキャリアにし、2013年福島県双葉町に委嘱職員として参画。秘書広報課に所属し、取材を通じた数百人の双葉町民との交流を通し双葉町の良さに触れる。その後、2016年に双葉町⺠と結婚。山根姓(双葉町民)となったことを契機に、支援者から地域を創る当事者として、生業(人生)を通じた地域再生を目指し独立。2019年11⽉7⽇に⼀般社団法⼈双葉郡地域観光研究協会(F-ATRAs)設⽴し、平和産業(観光業)創出を通じた地域再生を目標に日夜奮闘中。

牧野太緒

広報

牧野太緒

広報

2002年生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科所属。高校時代は文化祭の幹部を担当。多様なバックグラウンドの人が楽しめる企画・コンテンツ設計と多言語でのSNS広報・PR活動を本事業では担う。

中村修吾

渉外

中村修吾

渉外

2002年生まれ。一橋大学社会学部3年生。社会構造や格差社会に対して社会調査を用いてアプローチする手法について学ぶ。一橋大学で学園祭の実行委員会に2年間所属し、複数の企画を担当。これまでの経験で培ったコンテンツ設計・実行能力を本事業でも活かす。

木村美咲

企画

木村美咲

企画

2002年生まれ。國學院大学文学部日本文学科2年。大学では伝承文学について勉強中。その地域にしかない特別な「物語」を発信していきたい。

応援コメント

双葉の方々とどれだけ密なコミュニケーションが取れるかがこのプロジェクトの肝になると思います。
ぜひ何度も現地に足を運んで、その土地のそこにしかない魅力を見つけ出してください。
楽しいと感じてもらうには、まず自分たちが楽しむことからはじめることが一番だと思います。
皆さんがつくる文化祭から、双葉の新しい文化がはじまることを期待しています。
東京藝術大学 社会連携センター 特任教授伊藤達矢

リーダーインタビュー

あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?

未曾有の大災害に見舞われ、避難指示が続き、未だ帰還者がいない双葉町は、同情や憐れみをも彷彿させる「かわいそうな被災地」という認識が形成されてきました。
多くの人が双葉町に対して「かわいそうな被災地」という認識を持っているのは、東日本大震災直後の11年前の印象で止まっているからではないでしょうか。現在まだ双葉町は、帰還が開始されたばかりで社会インフラが整いきっていないという事実はあるものの、町民の想いとともに少しずつ前進しています。

現在双葉町は、原子力発電所の見学など「震災を軸にした観光」を展開し、平和学習の場として活躍しています。しかし、このような復興のあり方は双葉町の未来を考える上で、本当に幸せだと言えるのでしょうか。

私たちは、被災地というブランドに縋らない双葉町の再興を目指しています。双葉町を起点に定住するだけではない、新しい住民の在り方を模索していきます。誰もが、自分のライフスタイルに合わせて双葉町と関わり、対話と交流を通して、双葉町の未来を共に描く。このような双葉町を実現する第一歩として、「双葉まるごと文化祭」を企画、実施していきます。

「たのしそう」を起点に双葉町に関わるきっかけとして地域文化祭を開催し、町内外の関わるきっかけを作ります。双葉町と若者のプロジェクトがタッグを組み、双葉町の地域資源を活用しながら、新しい復興の在り方、新しい町としての価値を創出します。

あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?

私が双葉町と関わるきっかけは株式会社リクルートの「WOW! BASE」でした。プロジェクトの舞台となった双葉町の方々とのたくさんの対話を通して、彼らのひたむきさや、まちへの強い思いを受けとりました。彼らとの対話の中には震災当時の様子を形容する言葉が数多く見受けられますが、とても言葉には表しきれない痛みがあります。私は昔から本を読むことがすきで、様々な言葉や表現に触れることに喜びを感じていました。それゆえに、自分の想いや感覚を言語化する過程で「自分のもつ語彙」という網目を通してしまうことに苦しみを覚えることがあります。語り継がなければ消えてしまう想いがあるからと日々当時のことを思い返し、言語化するというプロセスを歩み続ける彼らの強さに至極感動し心動かされました。私は双葉町の語り部の方々が痛みを被ってまで残したいと思った記憶や思いには計り知れない価値があると確信しています。

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