SHIBUYA QWS独自プログラム”QWS Cultivation Program”は、当初オフラインで開催されていましたが新型コロナウイルスの影響を受け、現在オンラインで開催中。偶発的なコミュニケーションが生じにくいといわれるオンライン環境の中で、「問う」力はどのように耕されているのでしょうか。
今回は全9つで構成される本プログラムの一つ目に据えられている、「問いへの入り口」の参加者によるプログラムの感想や魅力に関するインタビューと、実際にプログラムに参加したQWSコミュニケーターのレポートをお送りします。
執筆・イラスト=守屋あゆ佳、編集=渡辺舞子
参加者インタビュー:「問い」と向き合ってわかったものとは?
QWSチャレンジメンバー 武藤琴音さん
QWSチャレンジメンバーとして「動く照明によって生まれる空間的な時間感覚とは?」という問いをもとに、レールの上を移動する照明を作っています。
私たちのプロジェクトも元々、「問い」を繰り返して作品をつくってきていたので、Cultivation Programに参加することを楽しみにしていました。実際に参加すると、様々なバックグラウンドの人の問いを聞いて、視野が広がりました。「問う」ことも、場面や環境で変わってくるということに気が付きました。プロジェクトについて「問う」ことと、ワークショップで色んな人と「問う」ことでは、一見違うようだけど、対話を重ねることで繋がる部分が見えてきて面白かったですし、他の人の発言が私の中の言葉と繋がって、さらに発展していったのが楽しかったです。自分の問いも、もっと丁寧に深掘りしようと思いましたし、問いを発信していくことも大切だなと感じました。
QWSコモンズ 針谷誠児さん
QWSコモンズとして「丁度良い選択肢とは?」という問いに向き合い、活動しています。
Cultivation Programは「問いとはそもそも何なのか?」ということや、問いの性質の「捉え方」や「活かし方」が学べるイメージを抱いていました。オンライン上で参加者の方々とうまくコミュニケーションが取れるか心配でしたが、ファシリテーターの方の進行が分かりやすく、さまざまな立場の方達とたくさん意見交換ができ、有意義に過ごせました。人の問いに触れることで、脳の普段使わない部分が動いているのを体感できたと同時に、あらためて「問い」が視野を広げさせてもらえる「きっかけ」としてとても貴重な要素であると気づかせてくれた時間でした。「問い」とはより良い未知を切り拓いていくための「最初の一歩」。「問う」とは答えのないものに、応えていく姿勢ではないでしょうか。何かに挑戦している人におすすめしたいプログラムです。
コミュニケーター体験レポート:「問い」と向き合うことが、次の「問い」を生む
私は何か新しいことを始めるときはワクワクするタイプですが、「プログラムが始まる前までに何かやることはありますか…?」と以前プログラムに参加したことのあるコミュニケーターに相談するぐらい緊張。普段QWSでコミュニケーターとして働くなかで「問い」と向きあっているつもりでしたが、改めて考えると「問い」が何なのかよくわからなくなったからです。しかし、いざ始まると心地よい音楽や、運営のきめ細やかなサポートのおかげで、抱いていた不安や緊張感は嘘のように消え、すんなり打ち解けることができました。普段は時間がなく、なかなか考えられないとりとめのない小さな「問い」にじっくり向き合った時間は新鮮でしたし、問うことはすごく難しいことではないことを実感。プログラムが終わった後はスッキリではないにしろ、嫌には感じないモヤモヤ感が残りました。これがおそらく次の「問い」を生み出すエネルギーになるように思います。
Cultivation Program「問いへの入り口」に参加しよう
ここで、オンライン「問いへの入り口」の流れについて紹介します。
①チェックイン(自己紹介)
Peatix申し込み後に与えられる指定のZoomリンクから入室し、チェックイン。まずはファシリテーターから今日のワークショップの流れやツールの使い方の説明を受けます。その後、いくつかのグループに分かれながら、参加者全員で自己紹介をしていきます。QWS会員、非会員、年齢、職業も多種多様。「問い」を起点に、新たな出会いが生まれる瞬間です。
②自分の問いを考えてみる
自己紹介の後は、プログラムのテーマでもある「問い」について、まずは自分の抱いている問いを付箋に書き出していきます。とりとめのない小さな問いから、社会を巻き込む大きな問いまで、問いの種類はさまざま。
③問いを共有してみる
個人個人で考えられた問いたちを、今度はいくつかのグループに分かれて皆で考え、深めていきます。一見、繋がりがみえなかった問いに繋がりがみられたり、自分の問いからさらに次の問いが生まれたり、考え直してみたり…他人の視点を通してさらに問いが磨かれる時間を体感できます。
④振り返り
最後は、プログラムを振り返って、参加者がワークショップをどのように感じたかを内省し共有する時間。チェックインの時に表情が固かった人も、和やかになっているのが印象的でした。そして、参加者全員で記念撮影!ポーズは回によって様々で、この日は「問いとは何か」がテーマ。
以上で約2時間の「問いへの入口」は終了です。
「問いへの入り口」はどんな場所?ーファシリテーターを務めるコミュニケーターが解説!
Cultivation Programの「問いへの入り口」は、QWSのコミュニケーターがメインファシリテーションを務めます。今回は、コミュニケーターの進藤夏葉さん、大澤峻也さんに「問いへの入り口」の魅力を教えてもらいました。
大澤:「毎回参加メンバーが異なるため、何が起こるかわからない、理科の実験のようなワクワク感があります。そのなかでも印象に残っているのは、70代の方とオンライン上で『問い』を起点にコミュニケーションがとれたことです。新型コロナによって移動が制限されているなかで、様々な世代・職種の方が対話し、受け入れ合い、発することもできる場は貴重ではないでしょうか。」
進藤:「普段の生活で『問い』をテーマに対話することはあまりない気がしますが、実は問うことや対話することについて考えることは、プライベートや仕事の場面で生かせることも多いと思います。問いに興味がある方誰もが問いと向き合い、問うことの面白さを体感できるのがCultivation Programの魅力です。」
大澤:「わからないことを楽しむのがカルプロ(Cultivation Programの略称)。様々な世代と様々な職種の方と出会い、対話できる学びの場です。とにかく話したい人、自分の価値観を共有したい人、いまが不安な人。心構えするようなことはないので、ぜひ気軽に参加してほしいです!」
「問い」を起点に、新たな出会いを
参加者によって異なる雰囲気が魅力のCultivation Program。QWSを訪れたことがない方、オンラインのワークショップが初めての方も大歓迎です。QWSコミュニケーターがサポートします。
誰かとじっくり対話する機会が失われている今こそ、ぜひ、「問い」を通じて新たな出会いを生み出してみませんか?多様な問いと触れ合うことで、あなたの問いから新たな可能性が生みだされるかもしれません。
▽詳細や申し込みはこちら
https://shibuya-qws.com/program/cultivation