伝統工芸の技術を将来に引き継ぐためには何が必要か?

プロジェクト名 伊勢の伝統工芸
#御糸織#擬革紙#和紙#伝統工芸#伊勢#地域ブランド#Japanbrand#gikakushi#washi#miitoori
三重県の伊勢・明和地域には、多数の伝統工芸が継承されている。擬革紙は和紙を使って革に擬(なぞら)えた和紙のことで、江戸時代に、お伊勢参りの参拝客に、小物入れを製造して販売したところ爆発的なヒットとなったが、明治時代に途絶えてしまった。御糸織は植物の藍で糸を染めて、機械で反物を織る一貫体制で生産している。藍色と縦縞は色の濃淡や線の太さなどでバリエーションが豊富である。このような伝統工芸の価値や魅力を再発見して、新たな可能性を引き出し、技術を次代に引き継いでいきたい。

何にチャレンジするのか?

伊勢の伝統工芸を取り上げることで、地方の産業の再生モデルを検討する。これまで地方産業の衰退は、国内産業の技術および生産投資の海外移転により、海外から安価な商品が還流し、国内の商品が競争に敗れて衰退したとされてきた。そのためJAPANブランドなどの政策支援で、著名なデザイナーを起用して、デザインを強化した高付加価値の商品を開発して、市場に投入してきたが、必ずしも成功していない。その理由は、市場主義を前提としていたため、商品、価格、販促などの比較から逃れらず十分な成果を出すことができなかった。そこで伝統工芸を市場主義から考えるのではなく、その価値を認める人やユーザーを見出し、工房と支援者やユーザーがつながったモデルを構築することによって、伝統工芸が次代に引き継がれるようにする。

なぜチャレンジするのか?

地方の伝統工芸が抱えている課題は、①担い手が高齢化している、②現在の商品が現代のニーズにあわない、③地方にマーケティングやクリエイティブを支援する仕組みが不足しているの3点である。これらの課題を解決するためには、①若者と交流する、②社会の潮流を踏まえた新しい企画をたてる、③地方の伝統工芸技術と、都市のマーケティングやクリエイティブの機能をつなぐ、という3つの取組が必要である。渋谷QWSは、これらの3つの課題解決に対応することができる。

どのようにチャレンジするのか?

伊勢の擬革紙・御糸織の工房と、渋谷QWSを結んで、以下の取組を実施する。①伝統工芸の価値や魅力を評価して、新アイデアを創出するワークショップを開く。②新アイデアを工房とともに試作する。④試作品を渋谷QWS等で展示して、様々な意見、アイデアを収集する。⑤伝統工芸に関心を持った個人やグループと、工房を結び、オンラインでワークショップを開く。⑥伝統工芸に関心を持つ個人やグループをファンコミュニティとし、ファンコミュニティから周囲へ情報や商品を発信する。以上の取組を通じて、伝統工芸を支援するプラットフォームのモデルを構築する。

プロジェクトメンバー

金子 和夫

金子 和夫

アパレル企業の販促企画や経営企画を経て、日本総合研究所で25年間地方創生に関わり、定年退職後は、地方創生のコンサルティング会社を起業。地方創生をマーケティングやブランディングの視点からアプローチして、地域に、地域資源の発掘と評価から新商品開発、ブランディング、販路開拓の一貫したプラットフォームをつくり、クリエーター、バイヤー等とネットワークを組んで支援している。

岩崎 暖果

岩崎 暖果

機器メーカー、新規事業開発支援、広告制作会社を経て、イマジニアとして活動中。仕事でも趣味でも、面白いアイデアを、形にして、製品として社会に届ける仕事をしています。つくることは手段。つくることでより愉しい社会を作っていきたいと考えて日々ものづくりをしています。夢の国の技術を愛する浦安市民なトランスジェンダー女子(MtF)。株式会社Imagineers’Guild/Chief Imagineering Officer。クリエイターのチカラによって、世の中にまだない社会的価値を生みだすことにチャレンジをするQWS内プロジェクト「Creators’ Hub」リーダー。

中村 彩乃

中村 彩乃

建築家、茶道家。ハウスメーカー、空間デザイン企業を経て、FumihikoSanoStudioで、伝統や文化・素材等を現代の感覚と合わせる事で新しい日本の価値観を作るという事を学ぶ。住宅・店舗・ホテル・インスタレーションやアート作品等を経験。現在フリーランスとして、建築設計デザイン、地方創生(コミュニティゲストハウス水戸宿泊交流場の運営)、プロダクトデザイン等に携わる。

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