開業から3年。多様なつながりが生まれたSHIBUYA QWS FES 2022

QWS FES

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2019年11月1日、多様な人たちが交差・交流し、社会価値につながるアイデアや新規事業を生み出すことを目指した共創施設として、SHIBUYA QWS(以下QWS)はオープンしました。本記事では、開業3周年を記念して開催されたQWS FES 2022の様子をお届けします。

執筆・編集:守屋あゆ佳

問いでつながる3日間「QWS FES 2022」

QWS FES 2022のテーマは「問い」に出会える、「問い」でつながる3日間。SHIBUYA QWSエグゼクティブディレクター野村は、QWS FES 2022開催に至るまでの思いや背景、今後の展望について、インタビューで語っています。

QWS FES 2022では3日間の会期中に、スクランブルホールでは7の企画を、クロスパークでは19のプロジェクトが展示を行いました。QWSで活動するコーポレート・プロジェクトメンバーによる展示では、アート、カルチャー、地方創生、社会課題など幅広いジャンルで未知の可能性に挑戦するプロジェクトが並びました。

クロスパークで行われたプロジェクト展示の様子

多様な領域で活動するゲストと問う「つながり」

スクランブルホールでは「SHIBUYA」×「LOCAL」×「GLOBAL」の3つのつながりについて、各界をリードする豪華ゲストとパネルディスカッション形式で考えました。各セッションの終盤にはリアルタイムアンケート機能を使用した質疑応答の時間を設け、知や人の出会いをスクランブルさせることにもチャレンジしました。

1日目は西村 真里子さんをモデレーターに迎え、渋谷と世界がつながるためのこれからのアクション・プレーヤーについて探りました。今後、グローバルなステークホルダーやイベントを巻き込んでいきたいQWSにとってSXSW (サウスバイサウスウェスト)やArs Electronica(アルスエレクトロニカ)等、グローバルイベントの知見をもつ登壇者の皆さんのお話は参考になるものばかりでした。

モデレーターを務めた西村真里子氏

夜は「スタートアップ創出元年におけるSHIBUYA QWSの役割とは?~オープンイノベーションの促進に必要なこととは~」と題し、開業前からQWSのあり方を議論してきた3名の登壇者の皆さんと一緒にQWSの3年間を振り返りながら、社会課題解決のためのオープンイノベーションのあるべき姿について考えました。

左から野村 幸雄(SHIBUYA QWS エグゼクティブディレクター)、石井 芳明氏(経済産業省 経済産業政策局 新規事業創造推進室長)、林 千晶氏(株式会社ロフトワーク 共同創業者)、高宮 慎一氏(株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー)

2日目は計4つのトークセッションが続きます。キャンプ空間のような装飾が施されたステージでは(株)東急エージェンシー SDGs プランニング・ユニット 「POZI」とSDGsを問うコラボセッションを実施しました。

続いて行われたのは、近年「イノベーションを起こすための場」として知られるリビングラボをテーマにしたセッション。イノベーションの専門家を招き、リビングラボの概念を紐解きながら、街・コミュニティの機能としてのリビングラボの意味について議論しました。

また、QWS独自のワークショッププログラム「カルティベーションプログラム」を企画する株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO 安斎 勇樹さんと予防医学研究者であり、『問い続ける力』の著者でもある石川 善樹さんを招いたセッションでは、QWSのコンセプトでもある「問い」の役割について深ぼりました。

最後に行われたセッションのテーマは、「渋谷」。渋谷区長 長谷部 健さんらを招き、100年に一度といわれる大規模な再開発が進む今の「渋谷」についてあらためて考えました。

また、会場には来られない方やOBOGメンバーにもQWS FESの熱量を届けたいという思いから、コミュニケーターによるライブ企画も実施。ここでは、普段から会員とコミュニケーションをとっているコミュニケーターだからこそ生み出せるつながりが見られました。

コミュニケーターによる公開インタビュー企画「Question TIMES」

激戦を勝ち抜き、渋谷を飾る初代王者に輝いたのは?

QWS FES 2022のクライマックスを飾ったのは「SHIBUYA QWS STARTUP AWARD #1」。設立準備中から設立5年以内のスタートアップ企業を対象とした、渋谷から放つ、未知の可能性を表彰するピッチコンテストです。最優秀賞には活動支援金100万円をはじめ、SHIBUYA QWS会員権(6か月間)、渋谷スクランブルスクエアの外壁ビジョンや渋谷駅2階の大型ビジョンなど、渋谷スクランブルスクエア特別広告パッケージが贈られます。開催にあたっては日本最大級のテクノロジーとスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo」を運営していたBoundless株式会社に企画協力・メディア連携、支援していただきました。

当日は書類審査を通過した5プロジェクトによる5分間のピッチと、Scrum Ventures 創業者兼ジェネラルパートナー 宮田 拓弥さんをはじめ4名の審査員との質疑応答が行われました。いつものQWSとは一味違うより緊張感のあるピッチイベントに、隣のプロジェクトベースで活動するQWSプロジェクトメンバーも終始釘付けの様子でした。

ピッチするLINDA PESA株式会社代表 山口氏

応募総数74社、ファイナリスト5社による熱いピッチを見事制したのは、日本の住宅関連産業を最先端の技術でサポートするアプリ「Scanat(スキャナット)」を提供するnat株式会社。iPhoneのLiDARセンサーを利用し、専門家でなくても簡単に現地のスキャンができるスマホアプリ「Scanat」を開発しています。

審査員を務めた株式会社ココナラスキルパートナーズ代表取締役 南章行さんは「審査員の票はバラバラで、かなり難解な審査だった」と今回の審査の裏側を明かしました。特にスタートアップは、どの視点で見るかによって事業の評価が大きく変わってくるものだと述べながらも、最優秀賞の選出理由について「技術に裏付けられた競争優位性と十分な将来性というバランスの良さ」を挙げました。

また、Google Cloudスポンサー賞、審査員特別賞にはアフリカ特化型の経営管理アプリ「LINDA PESA」を提供するLINDA PESA株式会社が受賞しました。

nat株式会社代表の劉氏と、SHIBUYA QWS エグゼクティブディレクター 野村

問いの可能性を信じ続ける

QWSは開業以来、独自のプログラムを提供し、まだ世の中にない新しい社会価値の創出に挑戦するプロジェクトを支援してきました。その数は200にのぼります。なかには既に社会実装し、複数のエンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの資金調達を得たスタートアップやプロジェクトもいます。

まだ誰も知らない、未来を創るアイデアはいつだって「問い」から生まれるのではないでしょうか。QWSはそう信じて、3年間「問い」と向き合い続けてきました。わからないものを面白がる好奇心も、現状に満足しない違和感も、未来を創り出す大切な「問いの感性」です。

あなたの「問い」はなんですか?

SHIBUYA QWSでは、そんな問いへの挑戦者をいつでもお待ちしています。

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