SHIBUYA QWS(以下QWS)独自プログラムの一つ、”QWS CROSSTAGE”は、3ヶ月に一度、渋谷スクランブルスクエア7階にあるイベントスペースL×7(エルバイセブン)で行われる実証実験イベントです。普段QWSで活動するプロジェクトメンバーがQWSを飛び出し、プロジェクト活動を進める中で生まれたプロダクトやサービスを一般のお客さまに体験していただき、新たな気づきや出会いを生み出すことを目的にしています。
本レポートでは、実際にCROSSTAGEに出展したQWSプロジェクトメンバーによるインタビューを交えて、”QWS CROSSTAGE”について紹介します。
執筆=根岸薫海 編集=守屋あゆ佳
QWS CROSSTAGEとは
2021年4月以来、過去9回にわたって開催してきたQWS CROSSTAGE。開業以前より準備を進めてきた本イベントの最大の特徴は、生活者のリアルな意見や気づきに出会えること。商業施設直上に構える共創施設という立地を生かし、普段QWSにいるだけでは出会えない人との偶発的な出会いがイベントを通じて生み出されています。
出展するプロジェクトは、およそ1ヶ月半前からQWS CROSSTAGEに向けた準備を始めます。これまで出展してきたプロジェクトは、自らのサービスやプロジェクトのブラッシュアップなどを目的に、アンケートやインタビューなど様々な手法で展示を行ってきました。ご来場に際して、事前の申し込み等は不要。ふらっと立ち寄った方でも、お気軽に展示をご覧いただくことが可能です。
QWS CROSSTAGEではプロジェクトにとっても、来場していただいた方々にとっても新たな気づきやコミュニケーションが生まれることを目指しています。特にプロジェクトメンバーは、二日間の出展を通して得られた気づきをその後のプロジェクト活動に生かしています。
プロジェクトメンバーインタビュー
実際にQWS CROSSTAGEに出展したプロジェクトメンバーに、QWS CROSSTAGEで得た気づきや出会いについて、聞いてみました。
sake3 須田 隆太朗さん
「世界中の人が参加できる日本酒造りのプラットフォームは実現可能か?」
世界中で愛されている日本伝統産業の日本酒。一方で原料の買い付けから商品の販売までの期間が長く、商品開発の資金的リスクが大きい構造上の課題があります。そこで、sake3は新しい日本酒造りプラットフォームの実現可能性を検証し、日本酒産業が抱える課題をweb3技術を用いて解決します。
私にとってQWS CROSSTAGEは、日本酒に興味のない人も含めて通りすがりの方に「15秒で自分のアイデアを伝える練習の機会」です。当日は人によって角度を変えながら、私たちsake3が取り組んでいることをお話しして、一人一人に届いているのか否かを確かめながら伝えることを意識しました。印象的だったのは、福井県の酒蔵の関係者にたまたま声をかけてもらえたこと。その場ですぐに連絡先を交換して、2日後にはQWSでゆっくりお話しすることに。結果、私たちが開発しているプラットフォームで日本酒タンクの一部の権利を販売することが決まったのです。
実際に酒蔵の方とお話しをして、手作りにこだわり歴史のある酒蔵であっても、地元以外での認知度の低さにより、技術はあれど日本酒を高く売ることが難しいという現状を抱えていることを改めて感じました。
QWS CROSSTAGEでは朝から晩にかけて伝え方をどんどん変化させて、どんな伝え方をするのが一番伝わりやすく、かつ面白いのかを試す場所として活用するのがいいと思います。今は私自身が実際に海外に行きながら、渋谷で通用したものが同じように海外で通用するのか、現地の人のリアクションを見ながら学んでいる最中です。QWSで活動するプロジェクトにはQWS CROSSTAGEでやり切った後、渋谷から世界に飛び出して同じように出展することをおすすめします。
e-lamp. 山本 愛優美さん
「もしも「心」が可視化されたら、社会はどう変わる?」
人の心拍を「ドキドキ」として光で可視化するイヤリングデバイスを開発。脈拍に連動して明滅し、心臓からの血液量にあわせてLEDの光が、赤、青、緑の三色に変化します。自分自身の感情を見せたり、他者の心拍情報を共有して楽しんだりすることで、感情の共有を促進するような新たなコミュニケーションのきっかけを生み出していきます。
e-lamp.としてQWSに入ろうと思ったきっかけの一つこそ、QWS CROSSTAGEの存在です。渋谷スクランブルスクエアという渋谷駅直上にある大きな建物の中で、自分たちのことを知らないお客さまにヒアリングや体験してもらうことができる機会は、他の施設ではなかなかできない経験だと思いました。特に渋谷というロケーションと、最上階にはSHIBUYA SKYがあることで、インバウンドの方もたくさん通られます。これまでもプレゼンでe-lamp.について伝える機会は何度もありましたが、改めて心を掴む言葉選びを考えるきっかけに繋がっています。
実際にQWS CROSSTAGEに参加するようになってからも、滅多にない機会であるということを意識して「この貴重な機会を使ってやるぜ!」と、ガッツを持って出展しています。過去に5回参加していますが、出展するたびに「目を惹く展示とは?」を問いながら、試行錯誤しています。これまでは自分の心拍数グラフをカードにして配ったり、イヤリングを実際に耳につけてもらい、記念撮影したりしてきました。e-lamp.に興味を持っていただいた方に、後で思い返してもらえる設計にすることを大切にしています。その結果、お客さまを巻き込みながらも、自分たちにとって有益な情報を知ることができる展示になっています。
QWS CROSSTAGEはプロジェクトメンバーの活動や成果を発信し、リアルな意見をもらうことができる貴重な機会です。次回のQWS CROSSTAGEの開催はSHIBUYA QWSイベントページでご案内予定です。
また、SHIBUYA QWSではプロジェクトメンバーを募集しています。
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