みんなでスタートアップを応援するピッチアワード「QWS STARTUP AWARD #2」最優秀賞受賞者インタビュー
多様な人たちが交差・交流し、社会価値につながるアイデアや新規事業を生み出すことを目指した会員制共創施設「SHIBUYA QWS」が主催する、スタートアップが次の革新的な一歩を踏み出すピッチアワードです。
今回は、2024年3月に開催されたQWS STARTUP AWARD #2にて、最優秀賞を受賞したVxTech株式会社 FOUNDER & CEO 小野 衣子さんを取材しました。
執筆:冨田阿里
VxTech株式会社 FOUNDER & CEO 小野 衣子
母子家庭で育ち、学費工面のため夜間大学へ進学。在学中カナダで就労経験を積む。
新卒より上海で新規開拓営業としてアドウェイズ、マイクロアドの海外事業立ち上げを行う。AIスタートアップのオルツを経て独立。起業2社目となるVxTech株式会社でSASENAIを開発。
── 最優秀賞の受賞、おめでとうございます!。
ありがとうございます!
── QWS STARTUP AWARDに応募したきっかけを教えてください。
まだ提供できるプロダクトがなかったので、そういう段階で応募できるビジネスコンテストなど、挑戦するような場面がないかを探していました。
その中で、QWS STARTUP AWARDを見つけました。ピッチコンテストの開催背景のインタビューを読んで、『世界を変えたいという思い、それをバックアップします。』という趣旨を拝見して、「これだ!」と思い、チャレンジする決意をしました。
──その勇気が最優秀賞受賞につながったのですね!受賞につながった努力や、工夫したポイントがあれば教えてください。
登壇する半年ほど前に、「TOKYO STARTUP GATEWAY」と言うコンテストに応募し、色々な方からフィードバックをもらっていたので、応募書類における事業の説明、面談での言い回しなど、より強みを分かりやすく伝えることを意識しました。
以前は起業の背景など、自分の想いを中心に伝えていたのですが、フィードバックを受けて技術要素についての具体的なデータ等、数字をしっかりと資料に記載したり、面接の場でも、その事実を伝えました。
──書類選考を通過後、ピッチ当日までの期間はいかがでしたか?
二次面接では、かなり緊張していましたがご参加されていらっしゃった西川さん(※1)から、共感と応援のお言葉をいただけたことで一気に緊張がほぐれ、その面接時間自体がとても有意義でした。
そして、二次面接官のアニマルスピリッツ中山さんによる、ピッチ当日までのメンタリングを通していただいたアドバイスや、事業を評価してもらえたことが、素直に自信に繋がりました。
自分のビジネスアイデアや想いを披露してフィードバックもらう場が今まで仕事をしててなかったので、この一連のプロセスが新鮮な体験でした。
※1 QWS STARTUP AWARD協賛パートナーである三浦法律事務所の西川喜裕さん
──その小野さんの純粋な気持ちが、審査員の心を動かしたのですね!他に印象に残っていることはありますか?
QWS STARTUP AWARDは、『社会を変えたい!』と言う共通の意識を持った方が応募されているので、みんなのピッチを聞くことで視野が広がりました。また、そういった志を持つ起業家とのかけがえのない出会いの場となりました。
授賞式でも企業の協賛賞などが沢山あり、他のプレゼンターが名前を呼ばれる際も、自分ごとのように嬉しかったことを覚えています。社会に必要なサービスが評価されたと言う事実は、私にとっても喜ばしいことでした。
新しいことを始めるときに、出来ない理由を探そうとすれば際限なく出てきます。実は私、この会社を創業する前から、何か事業をやりたいという気持ちがあっても、「競合が来たら厳しいな。」とか、難しい理由をすぐに見つけて、結局始められない。やるやる詐欺になっていたのです。そんな中で熱を持ち続けられたのが今の事業でした。しかし「独りよがりではないか?」と言う不安は残っていました。
そんな中で、自分の描いている未来が、審査員の皆さんに評価いただけたことは大きな自信になりました。1日でも早く実装して価値を届けようという想いが、一層強くなりました。
──QWS STARTUP AWARDを通して起きた変化はありますか?
もともと自分や会社のアピールをすることが苦手でしたが、受賞後に取材の依頼が来たり、以前と比べて周囲からの事業への評価が高くなったと感じています。
ピッチをした当日の、ネットワークの時間で、お声がけいただく言葉からも実感しました。
また、副賞でQWSを半年間利用する中でも出会いや機会がありました。
たとえば受賞がきっかけで山梨県のアクセラレータープログラムにも参加していますが、QWS STARTUP AWARDを通してお会いした篠原さん(※2)がメンタリングを担当をしてくれていて大変心強いです。
オンラインの画面越しでしかお話ししたことのなかったAPT Womenでメンターであった安喜さん(※3)と、QWSでバッタリお会いすることが出来たことも嬉しかったです!QWSのコミュニティコンセプトである「Scramble Society」、多彩な人が集う場所というのを実感しました。
また、QWSでイベントも主催させていただきましたが、なんと80人の方が予約をしてくださいました。これも、QWSと言う場所の力を感じました。おかげで想像以上のたくさんの方に、想いを届けることができました。
そして何よりも大きかったのは、海外へ視野を広げてチャレンジする勇気が持てたことです。「QWS STARTUP AWARD #2」に参加をした他のスタートアップの皆さんが世界にチャレンジする姿に大きな刺激を受けました。アワードのメッセージでもある「世界を変える」とあって、私自信が世界にチャレンジしなくてどうするんだと思うようになり、アワード後に東京都が主催する「X-HUB TOKYO」のアクセラレーションプログラムに参加し、シリコンバレーで現地のVCやエンジェル投資家に向けてピッチをしました。創業した時には海外でピッチをする自分の姿は想像していませんでしたが、この一歩を踏み出す勇気を与えてくれたのは、間違いなくQWSでの出会いとアワードへチャレンジする機会をいただけたことだと思います。
※2 一般社団法人静岡ベンチャースタートアップ協会 理事長 篠原さん
※3 iSGSインベストメントワークス 安喜理紗さん
──ここまでご活用いただけるとQWS冥利につきますね。ありがとうございます。
最後に、シードスタートアップやこれから起業を考えている方へメッセージをお願いします。
まず、想いがあることが非常に重要です。どんなことも想いがなければ始まりません。シード期やこれから起業をしようというタイミングは、「できない理由」を探して諦めてしまう力が働きやすいですが、自分の中から湧き出る「想い」があることが、本当に本当に素敵なことだと伝えたいです。
想いを持った一歩は周りと比較して小さなものであっても、想いのない一歩よりも意味のある一歩になり、見えない景色を見せてくれる一歩に必ずなります。想いを持っている自分自身を大切にしてください!
──心に沁みます。小野さん、本日はありがとうございました!
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