世界中の人が参加できる日本酒造りのプラットフォームは実現可能か?
何にチャレンジするのか?
日本酒造りの構造課題を解決するために、web3技術を用いた「酒造り」を実現する。具体的には、飛騨高山の酒蔵と提携し、タンクの分散所有が可能なオリジナル日本酒を企画し、所有権を販売する。まず、日本酒が売買される前の状態であるタンクを事前販売し、分散所有を可能にする。運営チームとタンク所有者によって、オリジナル日本酒の詳細(絞りなどの酒造りの工程や味、パッケージデザインなど)を意思決定していく。最終的に販売した日本酒の売り上げを所有者に還元する。タンク所有権の販売と利益還元にはNFTを用いる。上述の企画によって蔵の外に開かれた日本酒造りプラットフォームの実現可能性を検証する。
ホームページ:https://nft-sake.com
Twitter: https://twitter.com/hummingbird_rbb
なぜチャレンジするのか?
日本伝統産業である日本酒は世界中で愛されており、ANAのファーストクラスでも採択される人気ぶりである。一方で、伝統産業が内在する産業構造や従業員の高齢化により、特注された日本酒は需要があるにも関わらず、閉鎖的で海外に発信できていない問題がある。我々は、Web3を用いてこの問題に取り掛かる。
どのようにチャレンジするのか?
【QWSチャレンジ以前】2022年10月NFT日本酒「雷鳥」発売開始。NFT日本酒「雷鳥」は、1,152通りの異なるNFTアートがボトルにデザインされた世界にただ一つの日本酒ボトルである。デジタルな情報価値を持つNFTと味などの身体的な価値を持つ日本酒という、異質なものを組み合わせ新たな価値を生み出した。NFT日本酒「雷鳥」をきっかけに、酒蔵、アーティスト、エンジニアによって構成されるSAKE DAOの核を構成した。
【2023年2月】 酒蔵経営者へのヒアリングを中心に、小〜中規模の酒蔵が抱えている課題を深掘り、明確化する。解決策は、IT技術、特にブロックチェーンなどのweb3技術をツールとして検討する。
【2023年3月】 最低限の技術だけで解決策のMVPを開発し、課題と解決策の妥当性を検証する。具体的な1社(酒蔵)に絞って解決策を考える。
【2023年4月】 MVPの検証によって解決策の妥当性が確認できた場合、他の酒蔵に追加ヒアリングを行い、解決策がスケール可能かを検証する。解決策の妥当性が確認できなかった場合、課題と解決策を再度見直す。
プロジェクトメンバー
須田 隆太朗
青山 奈津美
林 宋其
林 宋其
クリエイティブディレクター。スタートアップ企業を専門にデザインマネジメントを行い、分野を横断したクリエイティブを制作する。NFT日本酒「雷鳥」のデザインを担当。2022年度グッドデザイン・ニューホープ賞入選。東京芸術大学美術学部デザイン科在。
木村 拓仁
木村 拓仁
データ解析に特化したエンジニア。京都大学工学部にて情報工学を学び、University of Washingtonでの交換留学を経験。卒業後東京大学大学院にて最適化の研究を行う。
応援コメント
本プロジェクトは、Web3、NFT、クラファンという、新しい技術、スキームを活用し、メイドインジャパンの販売のみにとどまらず、日本のものづくり文化を世界に発信していく野心的な取り組みであり、大きな可能性を感じる。
リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
資本主義の原理とは別の形で、日本の本質的な価値を世界に届けることはできるだろうか?日本のものづくりは、細部へのこだわりから生まれる高い創造性と多様性、繊細な美意識を持ち、世界的に高い評価を得ている。また品質が高いだけでなく、本来的に環境負荷が低い sustainable な工程で生産されており、持続可能性という観点からも世界が注目すべき本質的な価値がある。しかし、少子化と国際競争力の低下によって相対的に貧しい国となった現在の日本では、国内需要だけで伝統的なものづくりを維持することが難しくなってしまった。この課題は日本酒産業にもあてはまる。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
2022年春、飛騨高山を訪れたことが、日本酒造りの構造的な面白さと産業としての課題を考えるきっかけとなった。飛騨高山には歩いて周れる距離に多数の酒蔵があり、運転免許を持っていない私にとってありがたい地理的条件だった(運転免許があったとしても、運転する当人は飲めないので、やはりありがたい条件である)。おかげで、2日間で全11蔵の酒造を巡ることができた。すると、コインサーバーで試飲ができるテーマパークのような酒蔵があったり、江戸時代の建築物をそのまま残している酒蔵があったりと、蔵ごとに個性があることが分かった。また、同じ地域の中を巡るので、新しい日本酒の商品開発に力を入れている蔵と伝統的な日本酒ばかりが目立つ蔵の違いが明らかに伝わってきた。統計的には、日本国内の日本酒需要は年々減少していると知っていたが、その中でも魅力的で圧倒的に美味しい日本酒を造っている酒蔵があった。一方で、いくつかの酒蔵の社長さんに話を伺ったところ、新しい日本酒造りに挑戦したくても出来ない酒蔵が大半を占めていることが分かった。さらにヒアリングを行うなかで、構造的な課題(米の買い付けから始まる資金サイクルが障壁になっている/地元の外で日本酒がどう飲まれているか酒蔵がわからない/外部の人間か関わりにくい閉じた構造があるなど)が明らかになった。
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