ブータンにおける幸せな農業とは?
何にチャレンジするのか?
私達は、ブータンにおける幸せな農業について模索していきます。
ブータンでは、国民の約6割が農業に従事しているが、その農家の人達の幸福度が他の職業に比べて一番低いといった現状があります。その要因の1つとして、「生活水準(所得の低さ)」が挙げられます。国土の3割が50度以上の斜面で、そのような過酷な農作環境が所得向上の障壁となっています。私たちは「JICA Innovation Quest」というオープンイノベーションプログラムで出会い、ともにブータンの農業課題に関心のあるメンバーで結成されました。
なぜチャレンジするのか?
長年、農家の所得向上に取り組み、伝説となった日本人の農業専門家が、かつてブータンにはいました。その専門家は、斜面を見ただけで、その斜面に適した農作物を言い当てたといいます。その方は現在ブータンにいませんが、「どのようにしたら、専門家が去った後も、専門家の教えをラストマイルの農家に、届けられるだろうか?」という問いを更に立て、検討しました。
私たちは専門家のノウハウを形式知化することで、より多くのブータンの農家さん達に届けられると考えています。
どのようにチャレンジするのか?
まずメンバー各々の専門技術や知識を、プロジェクトの実現のために共有しました。ブータンに長く携わってきたJICA職員、衛星データ解析のスペシャリスト、起業家、マッチングビジネス担当者、広報、医療関係者などが、伝説の農業専門家の教えを普及可能なものにするためにどのようにすれば良いか検討しました。
そして伝説の専門家の経験知を要素分解すると、5つの要素(標高・霧の有無・降雨量・河川からの距離・斜面の傾き)から判断して最適な作物を導き出していることが分かりました。我々は衛星データ等を活用し、携帯で斜面を写メるだけで適した農作物をリコメンドするサービスの構築を検討しております。また育った農作物を購入する、バイヤーとマッチングするサービスも検討しています。
現地に住む人々の文化を最大限尊重し、どこまでリコメンデーションできるのかを検討していく方向で現在考えています。これにはJICAはもちろん、たくさんの支援機関・関係者の皆様の御助力をいただき、形にしていく考えです。
プロジェクトメンバー
高野翔
高野翔
JICA職員。2014-2017年にブータンに駐在しGNHを中心とした国づくりの展開に従事。強みは地域づくりと幸せ調査。どちらともブータンで学んだものです。
高見純平
高見純平
宇宙ビジネスに興味を持ち、人工衛星の画像解析エンジニアとして社会インフラ、経済分析業務に従事。人工衛星を用いた新たなサービスソリューションのアイデア創出チームとしてイベントや資料調査を実施。大学卒業後、市役所に5年間勤務し、退職後は海外大学院に進学、統計学や衛星技術を用いた水文学や流体力学を学び、現職に至る。
茂木智仁
茂木智仁
粋株式会社 代表取締役 / タイで生まれ、幼少期をタイと香港で過ごす / エンジニアリング会社に就職し、海外プロジェクトに従事 / 起業 / 経産省主催 グローバル起業家等育成プログラム「始動Next Innovator」第1期生 / 日本ナミビア友好協会 発起人 / 新しい国際協力のあり方を日々模索しています!。
藤巻結衣
藤巻結衣
医師。英語好きの母に影響され、幼少期より海外に興味を持つ。高校時代にアメリカに短期留学し、自分が狭い世界で生きてきたことに衝撃を受ける。大学在学中はロシア、スイス、アメリカの医学交換留学に参加。大学卒業後、国際協力のオンラインサロンで国際協力について理解を深め、タンザニアにもFWで渡航。その後、本プロジェクトに従事。
橋本悠
橋本悠
現在は旅行領域のマーケティング・事業企画に従事。大学在学中はミャンマーの現地企業で半年間インターンシップを経験。その後、日本ミャンマー学生会議を設立。国際協力、オープンイノベーションに興味があります。
枝廣紀子
枝廣紀子
外資系企業にて広報を担当。 ニュースレターの作成・翻訳・配信、社内イベントの企画や開催、動画やホームページ制作の企画等を行う。 海外の大学院卒業後、PR代理店にて約6年間、幅広い業界の社外広報に従事。SDGs✖️オープンイノベーションに興味を持ち、本プロジェクトに参加。
リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
「SDGs(持続可能な開発目標)」という目標をご存知でしょうか?そこにはあなたの想像する途上国だけでなく、私たち日本を含む先進国と呼ばれるような国も対象に含まれ、地球規模の課題解決に取り組む目標が掲げられています。「SDGs目標 2:飢餓に終止符を打ち、食糧の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」私たちのアイデアはこの目標に大きく貢献するものです。
現在ブータンの農業は自給自足を目的とした農業が主体であり、農家の方達の中には現状に満足している方もいらっしゃいます。しかし、昨今の気候変動により、ただでさえ過酷な農業環境がさらに厳しくなる可能性もあります。私たちのアイデアは、ブータンの農家の人たちに【選択肢】をお示しするだけのものです。あくまでリコメンデーションなので、彼らがそれを選択するかどうかは彼ら自身に委ねられてます。選択肢の限られた環境で農業を営んでいる途上国の人たちもいらっしゃいますので、商業利用可能で、持続可能な農業の発展には私たちのような機能がもしかしたら必要なのかもしれません・・・
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
「なんやろ・・・ブータンって幸せじゃないん?」私は、JICAとQWSとの協力で実施されたオープンイノベーションプログラムでメンバーとは出会いました。そこで、ブータンに長年携わるJICA職員、ブータンから日本に留学にきている学生、ブータンに携わってきたビジネスマンなど、多くの多種多様なブータンを想う人たちと出会いました。ブータンのことを調べていくうちに、ブータンのGNH(国民総幸福量)に関心を持ち始めました。ブータンは長年鎖国政策をとっていましたが、1971年に国連に加盟して以来、国民総幸福量を基本とした国づくりで有名です。国民総幸福量とは「経済的な豊かさではなく精神的な豊かさを重んじるというもの」のようです。「豊かさ」というものに改めて考えました。当たり前の生活を送れることは確かに感謝しなくてはいけないし、それで十分なのだと死ぬときには思うかもしれません。でも、私の答えは「豊かさとは、選べること」だと考えています。人は知らないから羨ましいと思わない。そして選ぶことができる、選択肢のある環境があっても良いのではないかとも思います。私たちの問いの感性は、私を含むメンバーそれぞれの「豊かさ」について検討してたどり着いた産物であり、育まれてきたものです。
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