研究者の知られざる脳内が、イラストで見える化されたら?

プロジェクト名 Nakajima Science Graphics
#科学#アート#考えを魅せる
①研究者の考えを可視化するイラストを作成し、②イラストの最適な活用方法を模索することで、アカデミアと社会のコンタクトポイントを構築します。
まず、研究者の考えを魅せるイラストにはどういう形があるのか、多様なイラストを作成し、その可能性を広げます。
次に、そのイラストをきっかけとして、人とのコミュニケーションを生み出すためには、イラストをどう活用していくのがよいのか、最適な展示方法や広め方を模索します。

何にチャレンジするのか?

①研究者の考えを可視化するイラストを作成し、②イラストの最適な活用方法を模索することで、アカデミアと社会のコンタクトポイントを構築します。
まず、研究者の考えを魅せるイラストにはどういう形があるのか、多様なイラストを作成し、その可能性を広げます。
次に、そのイラストをきっかけとして、人とのコミュニケーションを生み出すためには、イラストをどう活用していくのがよいのか、最適な展示方法や広め方を模索します。

HP
https://www.miserudesign.com

Twitter
https://twitter.com/N_Sci_Graphics

なぜチャレンジするのか?

アカデミアの中でも、イラストに出会う機会はある。研究発表でしようされる研究内容の説明のイラストや、研究室のホームページのトップビジュアルとしてのイラスト、またジャーナルの表紙になるようなイラスト。
確かに一見かっこよくて、目を惹くようなイラストはたくさんある。しかし、そういう目を惹くイラストが必ずしも、その研究の内容を正確に伝え、研究への興味を引き出したり、研究に関する人の繋がりをうんではいないのではないか、という疑問を投げかけたいです。 
特にアカデミアの分野において、研究の魅力を伝え、みる人の興味を引き出し、また人と人とのつながりをうむきっかけとなるようなイラスト、またイラストの見せ方とはどのようなものなのか。
改めて問い直すことで、より良い方法を探っていきたいです。

どのようにチャレンジするのか?

<11月>
・科学と社会のコンタクトポイントの価値の明確化
・科学とビジネスがうまく融合した事例についてのヒアリング
・従来の研究概要でない、研究にまつわる多様なイラストを作成
・イラストの展示方法の検討

<12月>
・「研究者の脳内が見えるかされたら?」展示会の開催
・展示会を通じて、研究と社会の新しい繋がりの事例を最低3つ生み出す。

<1月>
・展示会の成功事例から学び、科学×イラストにおいて、従来の研究概要ではない、新しい形のイラストを定義し、名付ける。
・研究者に向けて、自分の考えを示す新たな方法としてのイラストを提唱するイベントを開催。
・アカデミアと社会のコンタクトポイントについて、イラストが果たしうる役割のまとめレポートの作成。

プロジェクトメンバー

中島佑佳

代表 / サイエンスデザイナー

中島佑佳

代表 / サイエンスデザイナー

東京大学大学院工学系研究科で、有機化学、分子生物学、材料化学を専門に学ぶ研究者。
情報を図に整理すること、話しながら人の魅力を引き出すこと、を得意としている。
自身の科学の知識を活かしながら、イラストを通じて「人の考えを魅せること」「人と人との繋がりを生み出すこと」に強い想いがある。

松崎春菜

サイエンスイラストレーター

松崎春菜

サイエンスイラストレーター

2022年女子美術大学芸術学部ヴィジュアルデザイン専攻卒業。グラフィックデザイン、タイポグラフィ、映像、アニメーションなど幅広い分野を学んだ。
【科学×イラスト】の面白さと、自身のスキルを活かし研究者の「多くの人に興味を持ってもらいたい」という想いに寄り添えるのではないかと考え、中島と事業を始める。

蒲池美紀

サイエンスデザイナー

蒲池美紀

サイエンスデザイナー

東京大学工学部応用化学科所属。分子設計と触媒に興味を持ち、ポリオキソメタレートを配位子とした金属ナノクラスターの合成に取り組んでいる。
研究者の方との対話で研究の魅力を引き出し、整理し、可視化することを意識して活動している。研究の魅力的な部分を、どんな人にもダイレクトに届けられるものにしたいという思いが強い。

上野山侑太郎

サイエンスデザイナー

上野山侑太郎

サイエンスデザイナー

東京大学大学院農学生命科学研究科においてバイオマスプラスチックの研究に取り組んでいる。環境問題の解決には技術を社会に伝える伝え方が大事だと考えており、そのためにイラストが有効だと感じている。人に興味を持ってもらえる科学伝え方に興味がある。

津旨まい

サイエンスデザイナー

津旨まい

サイエンスデザイナー

東京大学農学部で窒素循環や作物栽培を専門に学んでいる。
総合科学と言われる農学部において学科横断型のプログラムにも参加し、自分の専門に限らず生物生産や生物資源の利用全般を統合的に捉えることが得意。
イラストを媒介として科学者が自分の学問の枠に囚われず多くのことを学ぶことで創出される知に興味がある。

舩橋生桜

サイエンスイラストレーター

舩橋生桜

サイエンスイラストレーター

東京藝術大学美術学部デザイン科で、グラフィック、プロダクト、空間設計、アニメーションなど、幅広いデザインを扱うデザイナー。相手のイメージする世界観や空間を反映させたイラスト制作を得意としている。
研究者の熱い思いを、最大限のビジュアルで人に届けたい。また、自分自身が”わからない側”の立場だからこそ、描ける目線があると考える。

鈴木ひなの

サイエンスイラストレーター

鈴木ひなの

サイエンスイラストレーター

東京藝術大学デザイン科在籍。ジャンル問わずニーズに合わせた絵柄でイラストを描くことを得意としている。
認知症へのアプローチを目的とした、生涯学習と芸術の関わりについてリサーチしている。『作品を作る』ことが一般により身近なものになることが目標。

応援コメント

中島さんの話を聞いた時、「アカデミアの方々の思考が可視化されたアート、僕もみてみたい」と純粋にワクワクしました。歩み寄りにくいビジネスとアカデミアが、アートという共通言語で繋がれた社会。よりオープンで、とても素敵なものだと思います。QWSを通じて、この新しい社会が実現されることを楽しみにしています。
アート・エイジェンシーTokyoDexクリエイティブディレクター / 代表ダニエル・ハリス・ローゼン

リーダーインタビュー

あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?

「研究者の考えを可視化したイラストが、アカデミアと社会のコンタクトポイントになる」、という未知の価値に繋がると考えます。

近年、アカデミアの社会実装が求められていますが、そのためには、ビジネスサイドからの働き方だけでなく、アカデミアの方から門戸を開いていく必要があると考えています。
研究者はアーティスト、その研究はアート作品です。過去のたくさんの研究者が築き上げてきた長い歴史に根ざし、研究者の日々の数々の試行錯誤、努力の上に、今の研究があります。
そんな複雑で専門的で、奥深い、研究者の考えを知るための方法として、現状では論文をたくさん読み、研究者の講演を聞きに回るしかほとんど方法がありません。
これでは研究者の考えの魅力に気づくには、とても時間がかかりますし、いきなり論文を読み、講演を聞くのはハードルが高いことです。

そこで、研究者の考えの魅力をなるべく短時間で気づいてもらうツールとして、イラスト、という視覚的な媒体が活用できる、と考えています。
研究者の考えを魅せるイラストは、アカデミアの外を含めた人の興味を引き、アカデミアと社会をまたいだコミュニケーションを促進する働きを持つ、アカデミアと社会のコンタクトポイントになると考えています。

イラストには、①短時間で多くの情報を伝える、②人の質問を引き出しコミュニケーションを生む、というふたつの利点があると考えています。
電車広告を見渡すと、写真やイラストが活用されていることからわかるように、短時間で多くの情報を伝える際にイラストや写真は有効です。このことは、アカデミアの人の考えを伝える際にも有効だと考えます。
また、文章での説明は、理解できないのは受け手側の責任である、というプレッシャーを与えるものであり、なかなか質問をしにくく感じてしまうものであると思います。
一方イラストでは、前提として情報が削ぎ落とされている、という認識があるため、理解できないポイントについて気軽に質問をすることができ、会話のきっかけを生み出すことができると感じます。

また、研究者の考えを伝えるサポートとして働くイラストは、伝える側、研究者側の心理面側面にも価値を持ちます。
自分の考えの代弁者であるイラストを持っているということは、人に物事を伝える時の心の支えとなります。
伝える力に自信を持ち、より積極的に社会と繋がりを持つ研究者を増やすことができると考えています。

あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?

①研究者の考えの魅力が社会に伝わっていないことへのもったいなさ
人は誰しも、その人しかない貴重な考えを持っている、と思っています。
その中でも、研究者の人は、特に考えに独自性があり、ある方向にかなり飛び抜けた考えを持っていて、とても興味深い方達ばかりだと感じます。

しかし一方で、周りの研究者の友達や、先生方を見回してみると、自分の考えはニッチすぎるから、と他の人と考えをシェアすることを諦めている人が多かったり、人とコミュニケーションを取ることに苦手意識を感じておられる方が多いのも事実です。とてももったいないと感じています。

あるアカデミア界では偉い教授が、イラスト制作に関心を持ってくださり、お話しさせていただく機会がありました。すごく落ち着いておられる方で、謙虚に、「大した研究ではないのですが、、」と話し始めてくださいました。

私が話を聞くなかで、気になった点について、いくつか質問をすると、
最初は淡々と質問に答えてくださっていたのですが、
だんだん熱が高まってきたのか、すごく楽しそうに、研究についてすごくいきいきと話されていました。

そして私が先生の話を聞きながら、先生の研究内容を軽くイラスト化してお示しすると、
「僕はこういう研究がしたかったんですね!こんなに質問攻めにされることがなかったので新鮮で、自分の中でも頭の整理ができました。このようなイラストがあれば、他の人にも説明しやすいです。自然と話せちゃいますね!」
と言っていただきました。

アカデミア界ではすごい立場にある研究者でも、ご自身の考えを人に伝えたり、
社会に届けようとする機会があまりないのだと驚き、とてももったいないと思いました。
そして、独自性の高い、今まだ社会に広まっていない研究者の考えを、もっと社会に広め、考えの魅力の可能性を高めていきたい、と思うようになりました。

②イラストがコミュニケーションのきっかけとなる可能性について。
大学3年時、初めてポスターで研究を発表する機会がありました。
せっかくの機会なので、大学内の友達を呼んでポスターを見てもらったのですが、
研究頑張っててすごいね、で終わることが多くとても悔しい気持ちになりました。
研究の中での自分の考えのおもしろさに興味を持って欲しい、研究内容について質問をして欲しい、もっと知りたいと思って欲しい、と思いました。

どうしたら人の「もっと知りたい」という気持ちを引き出せるのか。

そんな時、自分とは全く離れた分野の研究者の方との会話が弾み、気づけば2時間がたっていた経験をしました。きっかけは、研究についてのイラストでした。最初は綺麗なイラストに興味を惹かれ、その後イラストを指差しながら、次々に質問をしていたら、時間が経っていました。そして、研究への理解と興味が深まっていました。

この時のわたしのように、詳しく知れば研究に興味を持つ人たちを、文章の説明だけでは取りこぼしてしまうのではないか。イラストが、研究を「もっと知りたい」と思わせるきっかけになるのではないか、と強く思い、
まだイラストの価値があまり重視されていない科学の分野で、研究を伝える際にイラストが活かせるのではないかと思いました。

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