もしも渋谷にオフィスビルがなかったら?
現在、再開発と新型コロナウイルス感染症の影響で、都市のオーセンティシティを担保するような小規模な飲食店やクラブ、ライブハウス、アートギャラリー等が減っていますが、オフィスビル亡きあとの渋谷はいかなる都市に変容を遂げるのでしょうか? クリエイティブクラスが集い、都市そのものがインキュベーションハブとして機能する都市なのか、空洞化からの回復は不可能なのか──。
アムステルダムのナイト・メイヤーを務めたミリク・ミラン氏は、「夜」がもつ3つの価値のひとつとして “ナイトソーシャライジング“を定義し、昼の肩書を忘れて交流を深める夜独特のコミュニティこそが重要だと提唱しています。そしてわたしたちは、“カルチャー感“のある商業施設や駅前に並ぶ商業施設ではなく、あらゆるジャンルの人が意識せずに集う個人の経営するコアなバーやクラブ、狭いアートギャラリーといったストリートでこそソーシャライジングは起き、新たなる文化が生まれ、それが都市の価値として還元されていくのではないかと考えています。ナイトカルチャーや感性からの場所の検索といった領域で活動し、20代を渋谷で過ごしているわたしたちが、2030年に向けた渋谷の街の課題とポテンシャルを探ります。
何にチャレンジするのか?
2030年に向けた渋谷の街の課題とポテンシャルを探ることにチャレンジするリサーチプロジェクトです。
アムステルダムのナイト・メイヤーを務めたミリク・ミラン氏は、「夜」がもつ3つの価値のひとつとして “ナイトソーシャライジング“を定義し、昼の肩書を忘れて交流を深める夜独特のコミュニティこそが重要だと提唱しています。そしてわたしたちは、“カルチャー感“のある商業施設や駅前に並ぶ商業施設ではなく、あらゆるジャンルの人が意識せずに集う個人の経営するコアなバーやクラブ、狭いアートギャラリーといったストリートでこそソーシャライジングは起き、新たなる文化が生まれ、それが都市の価値として還元されていくのではないかと考えています。
ナイトカルチャーや感性からの場所の検索といった領域で活動し、20代を渋谷で過ごしているわたしたちが、渋谷の未来シナリオと現状の差異から向かうべきプロセスの導出を通じて、理想の渋谷の方向性を提言していきます。
なぜチャレンジするのか?
「最近渋谷つまらないんだよな」という声がここ3年でよく聞かれるようになりました。その言葉は、変化についていけない高年世代だけでなく、むしろセンスの良い若者たちの口から発せられています。理由を考えると、今回の再開発にあるのではないかと思うのです。
過去の渋谷ビジネスシーンから比較すると、ダイバーシティの門戸は広がってきたように思います。ただ、僕たち若者たちにとって、インクルージョンとローカルオーセンシティの観点が損なわれていっているとも感じているのです。これは、ジェントリフィケーションによって社会階層分断がより見えるようになってきたからでしょうか。
批判するだけではなく、代替策を見つけていきたい、ただ、僕たち若者だけだとわからなくなってきたので、QWSのみなさんと一緒にこの問いに向かいたいと思ったことがチャレンジ応募のきっかけです。みなさんと考えれば「都市の価値が空洞化する」という最悪のシナリオは避けられると思います。QWSで挑戦できることを心から楽しみにしています。
どのようにチャレンジするのか?
①渋谷の現状の調査
②現状をみた上で未来シナリオの考察
③未来シナリオと現状の差異から向かうべきプロセスの導出 の3ステップを、それぞれ1ヶ月くらいで行っていきます。
2月→①渋谷の現状の調査 渋谷の再開発によって変化した良い点と課題点をフィールドワークおよびデザインリサーチによって集計し、また、新型コロナウイルス感染症の影響で変化している渋谷の現状を集計していきます。 定性・定量データの中から課題とポテンシャルのビジュアルマッピングを進めていきます。
3月→②現状をみた上で未来シナリオの考察 ビジュアルマッピングされた課題やポテンシャルから、2030年の渋谷の未来シナリオを予測していきます。このシナリオは、最高のシナリオから最悪のシナリオまで、グラデーションされた数パターンがでてくるでしょう。
4月→③未来シナリオと現状の差異から向かうべきプロセスの導出 2030年時点のいくつかのシナリオから逆算して2021年時点へのプロセスを形作っていきます。2021年以降の渋谷を形作っていく上で、何を意識しながら都市をコントロールすれば最悪シナリオを避け、より持続的な都市をつくれるのか提言集を作成します。 この提言集は、今後都市のステークホルダーのみなさんと連携しながら渋谷の今後に反映させていきたいと考えています。
鎌田 頼人
古島 海
木村 亮裕
廣石 健太
応援コメント
リーダーインタビュー
あなたの「問い」は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
わたしたちは、あらゆるものを図る上で、3つの大事な指標があると思っています。それは「経済」「文化」「生物多様性」。現状では、文化と生物多様性は、経済に変換しないと誰かを説得できませんが、社会変化により文化や生物多様性もとても大事な要素になっている。最終的には、3つそれぞれの重要性を同じくらいにしないといけないと考えています。
カルチャーの価値を定量的に評価し、経済的にもメリットがあるという証明はすでに存在しています。リチャード・フロリダの「クリエイティブ資本論」に出てくる「ボヘミアン=ゲイ指数」によれば、地域の芸術家・音楽家・デザイナーの人口割合と、地域のゲイやレズビアンの人口割合が高いエリアは、文化度が高く寛容で、人口集中と住宅価格の高騰が起きるとされています。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
幼い頃から海外を旅することが多かった中で、日本では文化や多様性への理解が低いことに疑問をもつようになりました。 東大に入学したのち、将来制度設計に携わるであろう東大生向けカルチャーと社会の繋がりを学ぶオムニバス講義プログラム「Street Culture Academy」や、東大生と川崎工業団地のラッパーを学園祭でラップバトルさせる企画などを実施しました。 その際にわかったことは、東大生と同世代の工業団地ラッパー、都市設計サイドと市民、経営者と労働者など、あらゆるところに社会分断が存在していて、それが多様性への理解を阻害しているということでした。 その時に、最も社会分断を感じなかった場所は、クラブのダンスフロアでした。
有名企業の社長でもLGBTQでも全ての人に平等に開かれていて、音楽という共通項を通じて人々をソーシャライジングしていき、語られたアイデアを実験していくことができる場所。 ナイトシーンには、実はインキュベーション機能があるのではないかという問いが生まれ、ナイトデザインをはじめました。
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