若者から定義する高齢社会の新しい医療のあり方とは?
私たちのプロジェクトは、①メンバー一人一人が問いに真摯に向き合う ②高校生と大学生の二人三脚チームがこの問いに向き合うことができる仕組みを設計します。まさに課題が発生している「現場」でのヒアリングを通して課題を発見していく基盤を整え、多くのステークホルダーと共創していくことにより、課題の本質的な解決を目指します。
これらを通じて、高齢社会の新しい医療のあり方を、若者から定義していきます。
何にチャレンジするのか?
高齢社会の新しい医療のあり方、そしてその先にある若者から作り出す越境的な未来の医療を定義します。
私たちはまず、高齢者のフレイルによる課題、また高齢者医療全体の課題を特定し、テクノロジーを活用しながらその解決法を模索します。
私たちは、若者を起点とするボトムアップ型での取り組みにより、現状医療従事者などによるトップダウン型の啓蒙啓発活動が中心である高齢者のフレイル・高齢者医療全体へのアプローチの課題を定義し、限界を打ち破ります。
なぜチャレンジするのか?
新型コロナの影響で高齢者のフレイルによる課題はまさに今顕在化しようとしてます。
それにもかかわらず、現在フレイルに対する取り組みは、医療従事者などによるトップダウン型の啓蒙啓発活動が中心です。 タバコが体に良くないことを知っていながらも吸う人がいるように、トップダウン型の取り組みには限界があります。
私たち若者は柔軟な発想、テクノロジーへの親和性などの観点で、まさに大人には出せないような活用方法を生み出すことができるという武器を持っており、私たちだからこそこの限界を打破できると考え、チャレンジします。
どのようにチャレンジするのか?
大学の研究者などと協力しながら、当事者と向き合い、自分たちで課題を定義します。また、テクノロジーの力を用いて、課題に対する解決策を創出し、社会へ浸透させます。
5月
・Pre-GIPというプログラムを開催し、高齢者のフレイルにおける解決策を創出
高齢者のフレイルをテーマに、運営大学生対象の1ヶ月間の課題解決プログラムを実施します。この企画の目的は二つあります。運営大学生による課題解決と運営大学生の育成と選抜です。このプログラムを通し、大学生からフレイルにおける課題を定義し解決策を最低6つ創出します。また、プログラムで高いアウトプットを創出するために、中高生をリードしていける大学生サポーターの課題解決能力やマネジメント能力を上げ、それらの能力の礎を築きます。
このプログラム内では、以下のことを実施します。
−課題解決についての講義の機会のセッティング
−医療者や研究者、その他高齢者医療に携わる専門家へのヒアリング・巻き込み
−フレイルの当事者である高齢者へのヒアリング
−プロトタイピングを利用した実証実験
・参加を検討している中高生を対象にオンライン説明会を実施
高校生に近い世代のロールモデルとなる大学生から、i-GIPと学校との両立可能性をはじめとする不安や疑問に対してアドバイスを行い、説明会に参加してくれたすべての高校生が幅広い選択肢をもとに決断できるよう、サポートします。また、この機会を利用し、運営大学生のサポートのもと、ともに課題解決に取り組む高校生を集めます。
6月
・参加を検討している中高生を対象にオンライン説明会を実施
・参加する中高生を選抜 大学生とともにフレイルの課題解決に取り組む中高生を選抜します。
・Pre-GIPのアイデアの社会実装 5月に実施したPre-GIPの解決策のうち、いくつかのものは実装に向けて動き出します。
7月
・i-GIPのキックオフ
中高生と大学生サポーターによる高齢者のフレイルにおける課題解決を実施し、若者から高齢社会の新しい医療のあり方を創出します。具体的に以下のことを実施します。
−課題解決についての講義・様々な分野を横断的に学ぶ機会のセッティング
−医療者や研究者、その他高齢者医療に携わる専門家へのヒアリング・巻き込み
−フレイルの当事者である高齢者へのヒアリング
−プロトタイピングなどを利用した実証実験
−企業などを巻き込んだ社会実装への取り組み
このプログラムを通して、課題の定義と解決策の創出を行い、多くのステークホルダーを巻き込み、創出した解決策を社会へ浸透させていきます。
プロジェクトメンバー
國富 太郎
大久保 孝慶
高橋 航一郎
森田 えりか
(今年のテーマである高齢者のフレイルにおけるリサーチ)
森 夏音
(世界中の起業家やアカデミアの人にメンタリングを受けられる企画の立ち上げ)
藤田 優梨香
(50人弱いる組織のマネジメント)
藤田 優梨香
(50人弱いる組織のマネジメント)
慶應義塾大学医学部3年生。 大学入学後、医療と他分野との連携に着目するように。現在は特にAIの医療分野への応用可能性に関心を持ち、ヘルスケアベンチャー企業でインターンシップをしている。 将来の目標は誰もが十分な医療を受けられる制度を作ること。海外での活動も視野に入れ、多様な文化や価値観に根ざした医療提供を行いたいと考えている。当団体での活動を通じて幅広い分野の知見を得ると共に将来像に向け新たなアプローチを構築したい。
島 碧斗
(私たちとともに、問いに答えを出す中高生の育成)
杉浦 蒼大
(私たちとともに、問いに答えを出す中高生のリクルート)
杉浦 蒼大
(私たちとともに、問いに答えを出す中高生のリクルート)
東京大学理科三類1年。高校一年時に現在所属するi-GIPに参加し、精神科診療の効果向上を図るAIチャットアプリの開発に取り組みました。現在も医療とテクノロジーとの融合に強い関心があります。
将来の夢は、多くの患者さんの命を救う医療イノベーションを実現する医療者になることです。
野村 怜太郎
(私たちの課題解決を社会へ浸透させるための開発)
野村 怜太郎
(私たちの課題解決を社会へ浸透させるための開発)
聖マリアンナ医科大学医学部1年
中学、高校時代は理工学研究部に在籍し機械設計、回路設計、プログラミング等を学びテクノロジーの可能性に衝撃を受ける。
将来の夢は、今後更に融合が進んで行く医療xテクノロジー分野での研究、技術を応用、実用化し実際に社会にもたらすことで多くの人々の健康、そして患者さんの命を守る事です。
応援コメント
一人ひとりのニーズに合った選択がある、 多様な幸せが実現できる社会へ。
高齢化の中、「健康寿命」はその試金石です。
負の面を解消する発想を超えて、
プラスを生み出す感性によるプロジェクトと期待しています!
リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
私たちの問いは、医療への考え方に対するパラダイムシフトにつながると考えます。 従来医療は、「大人」である「医療者」が「トップダウン」で行うものでした。 患者を病院に集め、医療者が病院で治療を行う、医療者が啓発の主体を担うといったトップダウン型のアプローチが行われています。
私たちは、柔軟な発想とテクノロジーへの親和性、人々とのフラットな接点を武器に、医療を「若者」である「学生」が「ボトムダウン」で行うものへと変えていきます。これは医療、とりわけ高齢者医療の分野において、未だかつてない「価値」であるといえます。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
昨年の4月、何か新しいことをやりたいという単純な思いからi-GIPの運営に参加しました。昨年の医療のテーマは発達障害でした。私は発達障害についてあまり詳しく知らなかったため、本や当事者へのインタビューを通し、理解を深めていきました。具体的には、発達障害の方が自分の悩みを打ち明ける会への参加や、発達障害の子を持つ親など様々なステークホルダーにインタビューを実施しました。そして、発達障害に対する理解を深めるだけでなく、発達障害というテーマの課題を調査していきました。
そのような体験を通して、私にはとても新鮮な発見がありました。それは、情報と現実の乖離です。本やインターネットの情報によって知ることができる発達障害の課題は、インタビューを通し知ることのできる現実の課題と大きく異なっていたのです。その時、実際に当事者と向き合わないと、困っている人の本当の課題には辿り着けないことを知りました。そして、そのように見落とされる課題を若者から定義することが、このプログラムの強みであることを実感しました。それらの発見が私の心に強く刻まれ、自分たちの力で困っている人の本当の課題を解決したいと思い、今年i-GIPの代表になりました。
話は変わりますが、私は高校三年生の時に祖父を亡くしました。祖父は、大腿骨を骨折したのちにフレイルという状態になり、肺炎を患いました。そのため、高齢者のフレイルというテーマは長い間、自分の中で関心のあるテーマでした。フレイルにおける医療課題について、医師や大学の先生にヒアリングを実施すると、フレイルというのは日本における喫緊の課題であることを知りました。そして、フレイルに付随する諸課題は新型コロナウイルスの影響でまさに今、顕在化しようとしています。
医療者や研究者へのヒアリングを通じ、これまでは医療者の啓蒙・啓発活動によって対策が進められていたことを知りました。しかし、煙草が体に悪いことを知っていながらも吸う人がいるように、啓蒙・啓発活動による対策には限界があります。これらを踏まえると、啓蒙・啓発活動をする医療者と現実の課題の間には乖離があることが推測されます。この考察に至った際に、若者だからこそ高齢社会の新しい医療のあり方を、新たな視点で定義できるのではないかと考え、今の問いに至っています。
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