今だからこそ、対話と熟議を通した私たちの「コモンズ」を再興できないか?
何にチャレンジするのか?
世の中を豊かにしていくイノベーションは、座視しているだけでは生まれない以上、まず私たちは「対話の場」を開きます。ただ、共創を行う為には「知」の積み重ねが必要不可欠です。だからこそ私たちは、対話の場を通して生み出された知を蓄積するナレッジ・タンクとしての役割も果たしていきます。同時に、蓄積したものを提案・提言を継続的に発信することで、私たちと社会で「新しい知見」を拓きます。
私たちは、「対話の場」の要素として、
① 参加者が『フラット』に位置付けられていること
② 場における『確かさ/正しさが相対的である』と参加者が認識していること
③ 場に現れた(表れた)言葉をうのみにすることなく、同時に参加者と場を尊重する
『批判的公共性』を参加者が自分自身に求めること この3点が必要であると捉えています。この3点が具現化された場所をひらいていきます。
なぜチャレンジするのか?
「『対話』や『熟議』は手間がかかるし非効率。あまり意味がないのではないか」という言説に、このコロナ禍を通して触れる機会は非常に数多くありました。無論こうした言説はコロナ禍が生起する以前から、多く見られました。言い方を変えれば、対話や熟議に対して、冷ややかな視線、懐疑的な視線が向けれられていたということです。
しかし、この言説は、私たちにとって「善いもの」なのでしょうか?
様々な社会情勢や報道等に接する中で、対話や熟議の難しさを痛感することも少なくありません。ただ、そうであったとしても、私たちが頭の中にあることを言語化し、それを言葉にして他人に共有し、他人の言葉を本質的には理解できないとしても理解しようとして務め、(なんとか頑張って)合意形成を図りながら、行動に移していくこと。これらの事柄は、私たちが私たちらしく生きていくために欠かすことができません。
故に、例えそれが短期的に困難である様に見えたとしても、私たちは対話や熟議を諦めてはいけないと考えています。
どのようにチャレンジするのか?
私たちひらく研究所は、QWSチャレンジ6期生としての3ヶ月間、定期的に繰り返し開催していく催しと、単発・不定期で開催する企画の双方に取り組んでいきます。
私たちが開催する・取り組む事柄の見た目や扱っているテーマは、一見まとまりが無いかのように見えるかもしれません。ただ、「事実」の分析や整理、整理した「事実」の共有、反論/反証を通した検討などのプロセスを経ながら、知識量や経験の差異を乗り越えた対話の場を生み出す、という点では、共通しています。対話そのものに何か特定の目的を定めるのではなく、徹底して対話を行う試みです。
【定期的な活動】
・月ごとに探究するテーマを定める。そしてテーマに基づいて、以下の内容を繰り返す
① ラジオ配信:今月のテーマの発表、テーマの率直な感想などを収録・配信
② 勉強会:テーマに関連する事柄をメンバーが独自の観点から集めてきた情報(=「事実」)を共有する
③ 対話:自身の観点・他者の視点を織り交ぜながら、設定したテーマを起点に対話を行う *11月は『労働』をテーマとする予定です。
【不定期の活動】
・井戸端会議:ゆるっと集まって話す会を開きます
・「属性」入れ換えダイアローグ:場に参加している人々の属性(ジェンダー・職業・年齢etc.)などを擬似的に入れ換えて、対話を行います
・映画/アニメなどをじっくり見つめる会:映画やアニメといった作品を単に作品として鑑賞するのみならず、「描かれ方」の分析や整理、整理した「描かれ方」の共有、反論/反証を通した検討などのプロセスを通して、対話の題材として扱います
そして最終的に、対話そのものを相互理解や課題解決の手段として用いることができるようにするために、一定のお作法を見出すことを目指しています。
プロジェクトメンバー
栗本 拓幸
斉藤 亮太
田村 大輔
田村 大輔
1999年生まれ。立命館アジア太平洋大学在学。6年前の大事故から生還した後、昨年には1年間かけて世界一周を遂げる。
小林 彩人
小林 彩人
1996年生まれ。20代ひた走るカメラマン。社会人の傍ら、ブルーインパルスをはじめとした飛行機を中心に幅広く撮影。高校卒業後は、サマースクールやイベント等のカメラマンもするように。劇団四季ノートルダムの鐘が大好き。
永田 右京
永田 右京
2000年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部在学。地域公共交通の持続的な運営に関して、新たなモードや制御方式などと共に、「『交通をつくる』営みをつくる」をテーマとした研究活動を行う。
松藤 蓮
松藤 蓮
2000年生まれ。九州大学経済学部在学。実践活動を通した教育効果を生徒と共に探究する『共育ラボ』を主宰。他、高校時代の経験を活かして、学校内民主主義を考える検討会議に有識者メンバーとして参画。
応援コメント
SLOW LABEL ディレクター栗栖 良依
リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
今、世の中では様々なところで変化(とされるもの)が断続的に起こり続けています。そして、世の中を行き交う情報量は、インターネットの普及も相まって加速度的に増加し続けています。私自身、あたかも情報の海を彷徨い、時には溺れそうな感覚さえ持つことがあります。この感覚は、皆様の中でも少なくない数の方にも通じるものでしょう。
しかし、この溺れそうな感覚があるからといって、私たちが世の中から例えば目を背けたり、関心を失ったり、あるいは他人を攻撃することで自らが這い上がろうとしたりすれば、回り回って、自らの首を締めることになることは言うまでもありません。そこで、私たち一人ひとりで泳ぎ続けることで「溺れ」ない様に、同じ社会に生きる私たちで、繋がり、お互いの傷を癒しながら、世の中にある様々な情報や課題の先に繋がる道をひらいていく。このことが混沌とするこの世の中に、価値をもたらすと考えています。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
緊急事態宣言が発令され、「不要不急の外出」の自粛が政府によって要請される中、ひらく研究所は、世の中の移りゆく情勢について考えたり、あるいは自粛生活を通して感じていること・考えていることを共有して、みんなで考えるためのオンラインでの対話イベントを継続的に開催していました。
この活動を通して改めて、こうした有事においてこそ、対話や熟議を欠かすことができないと、改めて確信しました。 私にとって、私たちが生きる社会、あるいは所属する組織やコミュニティの中で、その構成員が対等に参画し、共創を行うための空間である「コモンズ」をどの様に創出するか、という問いは、非常に重要なものであり続けています。
QWSチャレンジ3期では、液体民主主義の社会実装を掲げる『Liquitous』というチームから、この問いに向き合いました。Liquitousは現在、徐々にスケールさせ、事業として社会実装に向けて動き続けています。 今回は、コモンズを生み出すには欠かすことのできない対話や熟議という営みに視点を当てて、それらの営みをより世の中に広めていくために、私たちは何ができるだろうか、という問いと腰を据えて向かい合いたい、と考えるようになりました。
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