本の「しおり」は人生の「しおり」になるのか?
私たちの人生もそれぞれ違った『物語』を歩みます。本の栞としての役割と同時に人生の『物語』に寄り添うような栞を作ります。
何にチャレンジするのか?
このプロジェクトでは、「本のしおりは人生のしおりになるのか」という問いを深く掘り下げ、本の栞としての役割と同時に人生の『物語』に寄り添うような栞制作に挑戦します。
また電子書籍や本のサービスが発展する中で、本の栞の未来はどうなっていくか模索し、新しい可能性を追求していきます。
instagram | https://www.instagram.com/bibliomarker_1090/
なぜチャレンジするのか?
自分の人生の状況によってどんな本にどんな感情を感じたかを知ることは、単なる読書記録以上の価値があると考えています。
自分が一人で悩み、悲しみに暮れている時、あるいは背中を押してくれる誰かを必要としている時、他の人々の読書体験と感情の記録が大きな力になると考えています。
ある人が勇気づけられた本が、別の誰かの心の支えになるかもしれません。
悲しみを乗り越えるヒントを得た本が、同じ悩みを抱える人の道しるべになるかもしれません。私がそうだったように、ある人の人生を変えた本が、別の誰かの未来を切り開くきっかけになると考えます。 もう一つ理由があります。
読書は基本的に一人で行う行為です。私は、常に繋がりっぱなしの現代社会だからこそ、一人の時間を作り著者の方と「サシ」で向き合い考える時間が重要だと考えます。
一方、人との関わりも大事です。人は一人では生きていけません。一人の時間と人と関わる時間の心地よいバランスは人それぞれだと思います。
そんな心地よいバランスを、このプロジェクトを通じて個々人が見出していただけたら嬉しいです。
どのようにチャレンジするのか?
biblio markerは、スマホにかざし共有できる栞を用いて、読んだ本と抱いた感情を「私の本史(自分の読書の歴史)」として記録するアプリ/webサービスです。色彩感情モデル図を導入しているため、どのような本に感動したのか、何に共感したのかなどを自覚しやすくなり、自分の人生の価値観や興味、感情の変化を把握することができます。
また記録された感情は、他者と共有することができます。同じ本を読んだ他の人がどのように感じたのかを知ることで、新たな視点や理解が生まれると思います。
主に3つのことを取り組んでいきます 。
①「栞の制作」 -本に優しく読みやすい素材とデザインを調査・検証。
- 紙素材、透明素材、木素材(ひのき、杉、ウォールナットなど)の検討。
- 日本各地の伝統的な紙をリサーチし、検討する -特殊印刷ができないか
-栞本体に技術を自然に組み込む
②「アプリ/ウェブサービスの開発」
読んだ日付、本の題名、著者、本を読んだ時の感情を色彩感情モデル図(プルチックモデル)で記録できます。
色彩感情モデル図(プルチックモデル)とは、8つの花びらと色を使って感情を表した図です。
8つの花びらはそれぞれ、基本感情を表しています。
怒り、恐れ、期待、驚き、喜び、悲しみ、信頼、嫌悪です。 花びらの3層はそれぞれの感情の強度を表しています。感情の強さは外側から花びらの中央に向かって強くなります。
それぞれの花びらの反対側は、反対の感情を表しています。
プルチックモデルを本の記録として使用することで、読書時に抱いた感情を視覚的に記録でき、感情の変化や強度を簡単に把握できます。
同じ本を異なる時期に読んだ際の感情の違いを比較したり、著者の意図と実際の読者の感情を分析したりすることで、より深い洞察が得られると思います。
さらに感情的・知的成長の機会となり、個人の成長や社会的つながりの促進に寄与すると考えます。結果として、単なる読書の進行状況を示すだけでなく、その時々の感情や気づきを記録し、他者と共有することで、人生の重要な物語の瞬間を象徴するものとなると考えています。
③「栞のデモンストレーションと試作イベント」 自分の読書経験を共有し、その中で感じた感情や得られた教訓などをディスカッションしたいです。
これにより読書がどのように人生に影響を与えるかを探求したいです。
参加者の方に実際に栞を使ってもらい、参加者が自身の読書の歴史や、それに関連する栞を作成し読書と栞がどのように人生の重要な瞬間に関連しているかを視覚的に表現するイベントを開催したいです。
柴山駿介
坂本洸亮
坂本洸亮
大阪府出身。幼少期からコンピュータに触れ、大学でも情報学全般を学んでいる。
技術的な面で積極的に活動する予定である。
赤星柚花
赤星柚花
読書に没頭する感覚を得られなくなった元「本の虫」。
望ましい読書という固定観念と折り合いをつける方法を探している。
主な活動領域は環境・非都市部地域・総合教育。
採択者からのコメント
活字離れに輪をかけて動画すら短いほうがいいといわれるこの時代に、活字で物語を読み進め、想像し、情感に直結させ、栞を使って共有しコミュニケーションを成立させる仕組みが生まれるとは、と驚きなのです。
人生において最も重要で本質的なことは常に人とともにあるアナログなエレメントです。
それを視覚化しスピーディに共有できれば、新しいコミュニケーションにつながります。栞の掲げる問いは、要所要所でハイブリットに展開していきそうですね。
個人的には、今までに読んだ多くの本を忘れているのが悩みです。読み進めていく中で「あれ?この本読んだかも?」と気づくこともしばしば。私はどうやら「視覚」から得た記憶のほうが残りやすく、物語を視覚化できた本は覚えていて、できなかったものは忘れているようです。
あらかじめこの栞で自分の本史を視覚化できれば、このような事態に陥らなくていいのかな、なんて期待もしている次第です。応援しています。
リーダーインタビュー
あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?
自分の運命的な本に出会うことで、今後の人生に大きな影響を与えることがあると思います。
もし誰もが自分の読書の歴史とその時の感情を記録として持ち、それを学校や職場などのコミュニティで簡単に共有できたら、学びや感動が人生の大きな転機となり、自己成長を促し、より人生に彩をもたらせると思います。
読書体験が共有されることで、共感や新しい気づきを生み出し、深いつながりが形成され、知識とインスピレーションの拡散が可能となり、人生のさまざまな歩みにおいて支えとなると考えます。ビブリオマーカーは、物理的な読書の進行状況を示すだけでなく、その時々の自分の感情や気づきを記録し、他者と共有することで人生の『物語』のしおりになると考えています。
あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?
私は、幼い頃から好奇心旺盛で、小学生で学校と地域の図書館の本を読破するほどの本好きでした。様々な人生の局面で本に救われてきました。
本を読むことで落ち込んでいる時にワクワクしたり、何かに挑戦したいときに同じ境遇の主人公が困難を乗り越えていく姿に背中を押されたりしました。
また大学入学当初は、大学の環境にうまく馴染めず悩んだり、漠然とした将来の不安があり眠れないことが多々ありました。そこである本に出会って、私の学生生活が変わりました。
その本がきっかけでイベントに参加したり様々なプロジェクトに参加し、素晴らしい方々との出会いがありました。
このように読書を通じて得た感動や発見、そして人との繋がりが、私の人生を形作ってきました。その中で私は読書体験をより豊かにしたいと思い、本の「しおり」に着目し活動しています。
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