日本人をやめてみたらどうなる?

プロジェクト名 bitobito japan
#グローバル社会#外国人#グローカル#アンラーニング#多文化共生#日本人のアイデンティティ#ローコンテクストとハイコンテクスト#異文化
あなたは日本人を辞められますか?それは、パスポートや国籍を捨てることでしょうか?
仮に、制度上は辞められたとしても、日本に育ち、染み付いた習慣、常識やイデオロギーなどはなかなかすぐに「辞める」ことが出来ないかもしれません。この問いでは、移民受け入れ枠の拡大、オリンピック開催など本格的なグローバル社会を背景に、日本人の既存の価値観を取り除くアンラーニング(学習棄却)のプロセスを経て、日本人が違う文化の他者を心底から受け入れられるかどうかの可能性を検証します。

何にチャレンジするのか?

本プロジェクトは、2019年から開始された移民の受入枠の拡大、2020年のオリンピック、インバウンド需要などでますます増える外国人観光客など今後、日本が本格的に、外国人など外の文化圏の人々と接していくことを背景に、日本人の価値観や意識変革を狙うプロジェクトである。
その問いとして、「日本人をやめてみたらどうなる?」と逆説的に考えるが、実はこの問いは同時にアンラーニング(学習棄却)のプロセスでもある。

なぜチャレンジするのか?

現在、日本の移民の受け入れ数はOECDの調査によると、ドイツ・米国・英国に次ぐ世界第四位であり、今年4月には新たな在留資格も創設され、今後も国内の少子高齢化、人口減少の人手不足を背景に、 ますますその数は増えていくと予想される。

そんな中、日本人と海外の文化圏で育った外国人との間には、言語の壁だけでなく、「文化や習慣による壁」が未だに多く残る。特に世界的に見ても 世界一ハイコンテクストな文化とまで言われるこの日本では、「郷に入れば郷に従え」という言葉があるように、これまでは、外から来た人々が日本のやり方に合わせ、会社のやり方に合わせることが一般的であったように思われる。

もちろん日本はこれまで、かつての自動車や、ゲーム、カレーやラーメンなどの食など、海外からのオブジェクトを日本なりにアダプテーションにさせることは得意とされてきた。しかし、文化を受け入れるということの根本には、モノばかりではなく、文化を持ってくる「ヒト」の生き方や思いを受け入れることがある。様々な感情と背景を持ってやってくる「 人間」を自国へアダプテーションすることにはまだまだ課題が多いように感じる。多くの移民を受け入れていく環境を迎える今後の日本では、これまでの日本のやり方ではなく、異なる文化や人のストーリーさえも、日本の将来の文化の一部としてアダプテーションしていかなくてはならないと考えるためである。

どのようにチャレンジするのか?

「日本人をやめてみる」体験型のインスタレーション(アンラーニングのインスタレーション)を制作。具体的には、様々な異文化の職場・家庭などのをシナリオを再現し、それらの場面で体験者が何らかの行動や意思決定をすることで主観者として体験出来るインスタレーションを制作、または映像化する。それを通じて、体験者はリフレクション(振り返り)を行い、やめてみた(アンラーニングした)中で新たに生まれるアイデンティティ、価値観、考えを検証する。

プロジェクトメンバー

メディナ マイコル

代表者/映像プロデューサー

メディナ マイコル

代表者/映像プロデューサー

株式会社mottomo Co-founder。ベネズエラ出身。デザイナーとして、言語、文化、習慣が異なる海外のサービスを自国に適用化させるためのローカライズデザインを担当。来日後は、ブランディングデザイナーとして働く傍ら、Behance Japan Tokyo Communityを立上げ、クリエイティブを通して、日本人と外国人とが協働出来るコミュニティの運営経験がある。

西垣 翔太

シナリオプランナー/プロジェクトマネージャー

西垣 翔太

シナリオプランナー/プロジェクトマネージャー

株式会社mottomo代表取締役。京都市出身。学生時代に中山間地域や老齢化が進む商店街のフィールドワークの経験から、まちづくりや地域ブランディングに関心を持つ。大手広告会社に勤めた後、産学連携事業、海外発コワーキングスペースのコーディネーターを経験後、2018年、株式会社mottomoを設立。同社では多国籍・多文化のチームによるクリエイティブワークを行う。

北川ペドロソ 実萌

UXデザイナー/デザインリサーチャー

北川ペドロソ 実萌

UXデザイナー/デザインリサーチャー

hotorri合同会社代表、クリエイティブディレクター。社会課題(国際保健・公衆衛生)にヒューマンセンターデザインを応用し取り組んでいる。米国、エチオピア、インド、ブラジルなどでフィールド調査、解決策のプロトタイピングなどのサービスを提供してきた。異分野異文化チームでクリエイティブに社会課題に取り組むのが大好き。マサチューセッツ工科大学 (MIT) 機械工学部学士、UC Berkeley機械工学部修士。京都市出身。

応援コメント

カナダのトロントでは、半数近い人たちが移民。そもそも「移民」というより、「多文化主義」として確立されている。日本でも、海外からくる人々とどういう関係を築くのか。私たちが「日本人」をやめたら、急にリアリティを持つのかもしれない。海外チームに乞うご期待!
株式会社ロフトワーク 代表取締役林千晶

リーダーインタビュー

あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?

この問いは、日本に住む移民が住みやすい環境になるためだけではなく、実は日本人のポテンシャルを引き上げることにも繋がると感じています。
共感の幅を広げることは広い視野の獲得、また多文化との比較をすることで、根幹である日本人としてのアイデンティティを自認、自覚することに繋がると思います。多文化が混在している世界で活躍出来る日本人がもっと増えるきっかけになると思います。

あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?

来日して約11年、日本語は日常生活、仕事面でもほぼ問題無いレベルに達しました。しかし、言語の壁を超えた今、日本の社会において言葉の壁以上に文化や習慣による壁は大きく、今でも時々まるで外国人としての「おもちゃ」として扱われているように感じたり、特に日本人が世間体を気にするあまり、個人と個人のコミュニケーションにおいて、違和感をおぼえることがありました。出身のベネズエラなどに比べて、日本はインフラなどの環境は各段に良いにも関わらず、多文化の視点から見た際に、そのような文化・マインド面で日本に「もったいなさ」を感じると同時に、どのように今後、日本人と人種や国籍を超えたコミュニケーションが出来るかに好奇心を持っています。

QWSステージでの発表

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