「未知の価値に挑戦するプロジェクト」を推進するプログラム「QWSチャレンジ」。2019年11年〜2020年1月の3カ月のチャレンジ期間を通して、プロジェクトチームが抱く“問い”はどのように磨かれ変化していくのでしょうか。今回は、母親はこうしなければならない等の固定概念や同調圧力に縛られることなく、「have to」ではなく「want to」で生きられる母親を増やすための活動をしているプロジェクト「母親アップデートコミュニティ」の鈴木奈津美さんに、9つの質問に答えてもらい、QWSチャレンジについて振り返ってもらいました。
編集・ライティング・撮影/渡辺舞子
1.どういうきっかけでSHIBUYA QWSを知りましたか?
メンバーの平本沙織さんが「渋谷に今度『未知の価値に挑む』をテーマにした施設がオープンするよ」と教えてもらったのがSHIBUYA QWSでした。私たちのプロジェクトはオンラインのコミュニティなので、リアルの拠点を探していたのと、施設のテーマがぴったりだなって思いました。QWSを拠点にすれば色んな人と出会えるだろうし、渋谷という多様性がフォーカスされているエリアで何かできるのでは、と期待していました。
2.『QWSチャレンジ』に応募することを決めた理由はなんでしたか?
昨年9月に渋谷ヒカリエで実施された「ソーシャルイノベーションウィーク」にクリエイティブディレクターの栗栖良依さんが登壇していて、彼女の考えに感銘を受けていたところ、栗栖さんの口からQWSというワードが。「QWSと関係あるのかな?」と思って調べてみたら、栗栖さんがQWSチャレンジの審査員でした。以前から今まで温め続けたコミュニティ内の種火をどうやって外に拡張していこうかと考えていたので、応募を決意しました。
3.具体的にどんな活動を行いましたか?
「母親アップデートカイギ」という名前で何回かイベントを実施しました。母親をテーマにした“かるた”を作ったり、QWSで出会った「議論メシ」とのコラボ、母親アップデートコミュニティの1周年イベントも開催できました。
1周年イベントでは1分間ピッチを企画。ピッチをすると、自分の中にある壁を乗り越えた達成感をすごい味わえるので、絶対にメンバーにやってもらいたかったんです。結果、発表した人も見ていた人も感動して、みんなが「次はやりたい!」と言ってくれました。メンバーが盛り上がっているのを見て、もっと自己表現出来る場を増やしていきたいなと思いましたね。
4.実際に参加して、良かったことはなんですか?
スクランブルミーティング(※)で、G’s ACADEMYの山崎大助さんに母の日にイベントしたいと考えていると相談したら、「自分達で記念日作っちゃえばいいんじゃない?」って言われ、確かにそうだなって。1週間後の1月23日がコミュニティが発足の日だったので、「母親アップデートの日」と決めて急遽記念日としてリリースを打ち出しました。あの時山崎さんに相談しなきゃ記念日は生まれなかった。QWSチャレンジに参加していたからこそ起こった出来事です。
5.自分のプロジェクトがどうして採択されたと思いますか?
私たちが掲げている「誰も否定しない、自分も否定しない」というテーマや、活動内容に栗栖さんが共感してくれたからと思っています。「このテーマは母親に限らず普遍的なものだし、社会にとっても必要なこと」と言ってくれて、栗栖さんの想いと共鳴度を強く感じました。
6.『QWSチャレンジ』にはどんな人が集まっていると思いますか?
一言でいうと「面白い」ですかね。QWSチャレンジってスタートアップだけを育成するような場ではなく、今すぐ儲けには直結しないけど社会的には価値がある活動をしている集まりで、未知なる可能性を追及している人が多い。ひとりづつニュアンスは違うだろうけど、お金じゃなくて「信頼」や「成長」、「共感」、「挑戦」というようなものに価値を見出している人たちの集まりではないでしょうか。
7.『QWSチャレンジ』を一言でオススメするとしたら、なんと言いますか?その理由は?
「触発される場所」かな。以前、ウレタン作家の澤奈緒さんの作品の背負える羽を(下記写真参照)身に着ける機会があって試してみたら、本当に翼が生えて羽ばたいている感覚が味わえたんです。それを見ていたメンバーが「なにそれやってみたい!」と背負った時に、「人のワクワク感って触発されるんだ」って気付きました。
QWSチャレンジはワクワク感や考え方、動機づけが触発される場所だと思います。色んな人が行き交う場所だからこそ思いもよらないアドバイスももらえて、チャレンジができる。アイディアがアクションに繋がるきっかけがたくさんありました。
8.活動する中で「問い」は変化しましたか?
コミュニティ発足から1年活動して「どこに向かって活動しているのか」という本質的な問いが生まれました。その問いを抱きながら、QWSステージの3分ピッチに向けて、問いを研ぎ澄ませていきました。母親を取り巻く課題って数えきれない。でも、私たちが結局したいことは何?って考えた時に、「今よりも面白くしたい!それに尽きる!」という答えに辿り着いたんです。
QWSチャレンジでの3カ月間は、みんなの中でふわっとしていた活動の目的がクリアになって、ゴールに向けて全員で意識を集中して終着できました。
9.『QWSチャレンジ』を経て、これから社会に起こしたいムーブメントはありますか?
「誰も否定しない」「もっとカラフルに」というテーマは、母親に限らず今社会に求められていることだと感じています。この価値観が刺さる企業はたくさんあると思っているのでアプローチして、同じ気持ちのコミュニティを増殖するような動きをしたい。母親って自分が自由に動けるコミュニティの居場所を複数持っていることが重要だと思うので、多様的な価値観を広げたいと思ってます。
それと、2月から運営メンバーを全員入れ替えたので、今後どんな動きをしていこうか話し合っています。私たちのコミュニティってカルピスの原液みたいなもので、熱意やキャラクターが濃い。彼女たちが一人ひとりが表現できるプラットフォームを作ろうと計画中です。
鈴木奈津美
鈴木奈津美
コミュニティメンバー同士の価値観やつながりをミックスして、科学反応を楽しむ。 2002年日本ヒューレット・パッカード株式会社に入社。お客様のIT運用コンサルティングを担当後、マーケティング部門に異動。企業向けのITソリューションのブランディング、需要喚起などを担当。
今期QWSチャレンジに採択されたプロジェクトはこちらのページで紹介中
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