「未知の価値に挑戦するプロジェクト」を推進するプログラム「QWSチャレンジ」。3カ月のチャレンジ期間を通して、プロジェクトチームが抱く“問い”はどのように磨かれ変化していくのでしょうか。今回は、文化の土壌を創ることをミッションとしている「KAMADO」の柿内奈緒美さんに、9つの質問に答えてもらい、QWSチャレンジについて振り返ってもらいました。
編集・ライティング・撮影=渡辺舞子
1.どういうきっかけでSHIBUYA QWSを知りましたか?
2019年7月にミミクリデザイン主催のワークショップで、渋谷に「問い」をテーマにしたSHIBUYA QWSという施設ができることを知りました。その時に既にKAMADOを立ち上げる準備をしていて、やるなら他のメディアでやっていないことをやろうと考えていたところでした。今の自分に足りないのは色々な方面からKAMADOの持つ「問い」に向き合うこと、多様な答えを出すことだと思い、興味をもったのがきっかけです。元々ロフトワークのスタッフが知り合いで、その人から「QWSチャレンジ」についても教えてもらいました。
2.『QWSチャレンジ』に応募することを決めた理由はなんでしたか?
QWSに関わってる人達の中に知り合いがたくさんいるということ、渋谷という立地、アートや表現について日本や世界に発信するのに渋谷のような多様な価値観がある場所、などしっくりする条件がいくつも重なったことが理由です。全く縁のない場所で活動するよりも、自分に関連するキーワードがいくつもある方が挑みやすい。ここで挑戦したら必ず次に繋がると思って応募しました。
3.具体的にどんな活動を行いましたか?
「KAMADO KUJI」の自走、KAMADOの仲間集め、スポンサー探し(継続中)、QWSでのお茶会企画の発足。お茶会は朝8時にQWSメンバーやQWS以外の人たちを呼びかけて交流会を開催しました!また、QWSチャレンジ同期のメンバーとチームを組んで新しいプロジェクトが誕生。QWSチャレンジ2期にも採択されることが決まりました。
4.実際に参加して、良かったことはなんですか?
普段暮らしていたら出会えないような人たちと知り合えたこと。イベント参加者だったり、様々な業種の人や学生が来るのもQWSならでは。「公民館」みたいだなって思いました。また、SNSだけで繋がっていた人にも久しぶりに再会できました。あと、色々なイベントやピッチに登壇させてもらえたのもよかったです。私は発信していくタイプなので、外部に活動をアピールもできました。
5.自分のプロジェクトがどうして採択されたと思いますか?
運がいいからだと思います(笑)。もともと失敗の先の成功を見るようにマインドセットしているので、何事も運がよかったと思うようにしているんですけど、そう思えるのも周りの人たちのおかげ。今一緒に活動しているデザイナー・エンジニアと運命的に出会えたので、「私がここで落ちる訳ない」という自信もありました。
6.『QWSチャレンジ』にはどんな人が集まっていると思いますか?
好奇心が旺盛な人が多いですよね。印象的だったのが、スクランブルミーティングでPeatixの藤田さんに「KAMADOはかなり具体的な実装課題に向き合ってるよね」と言われて。たしかに他のプロジェクトはアイデアベースで相談している人たちも多かったので、まだ「種」で芽が出ない状態でも受け入れてくれるだけの土壌があるっていいなって感じました。種を見つけられる目を持っている人がQWSチャレンジには集まっていると思います。
7.『QWSチャレンジ』を一言でオススメするとしたら、なんといいますか?その理由は?
どんな小さな種でも受け入れてくれてるホクホクした「可能性の土壌」。ゼロイチでも良い、もしかしたらチャレンジ期間中にアウトプットが変わってしまっても実験の場だからOK。最初に植えた種の別のモノが咲いても問題なし。まずはおいでよ!と伝えたいです。
8.活動する中で見つけた、「未知の価値」はなんですか?
「人こそが価値」だと思います。スタートアップの人が多いコワーキングスペースとは違って、QWSには型にはまっていない未知な人がいっぱい。ここで会った未知な人たちとの出会いが価値になりました。
9.『QWSチャレンジ』を経て、これから社会に起こしたいムーブメントはありますか?
KAMADOの「KUJI」をちゃんと使ってもらえるサービスにして、ユーザーを増やし、日本人が文化に対して心地よくお金を使う精神を波及させていきたいです。文化がみんなの“自分ごと”になって欲しいという想いから「KAMADO」を始める時に、100年続くサービスにしようと設定しました。なので、自分がいなくなったあとでも存続するような、日本の表現を支えるための土台になりたいです。
柿内奈緒美
柿内奈緒美
編集者。雑貨メーカーなど数社を経てHEAPSにて勤務。のち同親会社の新事業としてPLART STORY創刊編集長。のち、ILUCA magazine 創刊編集長。2019年8月より「KAMADO」を運営。表現のアイデンティティを通じて人が繋がり認め合える社会を創るため、現代の表現であるアート、時代の表現である工芸・民芸・モノづくりを軸に発信。
KAMADO
KAMADO
文化の土壌を創ることをミッションとし、現代の表現であるアート、時代の表現である工芸・民芸・モノづくりのコンテンツを日英で発信するウェブマガジン。
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