防災は”つながり”から始まる ~ハブ人材育成の体系化を目指して~(QWSアカデミア 東京都市大学)

イベント概要
- 日付
- 2025/12/01(月)
- 時間
- 17:00 - 19:00
- 場所
- CROSS PARK (SHIBUYA QWS内)
- 参加費
- 無料
- 定員
- 70名程度
【SHIBUYA QWSオリジナルプログラム ”QWS ACADEMIA” 】
大学と連携した「未知の問い」と出会うプログラムです。大学には多様な「問い」と向き合う学生や研究者がいます。「QWS ACADEMIA」は、単に知識が伝達される授業ではなく、双方向に刺激を与え合い、化学反応を生み出すことを目指します。
【イベント概要】
日付:2025/12/01(月)
時間:17:00 – 19:00
場所:CROSS PARK (SHIBUYA QWS内)
参加費:無料
定員:70名程度
【開催趣旨】
近年の災害対応では、「行政の危機管理」や「企業の防災対策」だけでは限界があり、複雑で予測不能な災害に向き合うには、平時からの人と人との関係性(=ソーシャル・キャピタル)が重要だと指摘されています。地域行事(祭り・盆踊り・運動会など)の振興や、平時からの地縁的な活動、ボランティア活動を通じて信頼や付き合いを深めておくことが、災害後の「共助」行動を高めることが実証的にも示されています。
<参考>
川脇 康生「地域のソーシャル・キャピタルは災害時の共助を促進するか ―東日本大震災被災地調査に基づく実証分析―」
布施 匡章「ソーシャル・キャピタルが防災活動に与える影響に関する分析 ―震災関連3都市住民アンケートを用いて―」
しかし一方で、近年ではこうした地域行事そのものが衰退し、地域のつながりを育む場が減少している現実もあります。少子高齢化や転入人口の増加、働き方の多様化によって、地域に根ざした行事や自治会活動の担い手が不足し、「共助」を支える基盤となる日常的な関係性が弱まりつつあります。
さらに、行政・企業・市民を横断して人と人、組織と組織をつなぐ“ハブ人材”や“コーディネーター”の育成も、いまだ体系的には進んでいません。多くの地域では、こうした役割が一部の熱意ある個人に依存しており、その人が異動・退任すればネットワークが途切れてしまうという脆弱さを抱えています。
つまり、ソーシャル・キャピタルの重要性が理解され始めている一方で、それを日常の暮らしや地域運営のなかで、いかに持続的に育み、継承していくかという課題が、今まさに問われているのです。
<参考>
一方、官民共創プラットフォーム「つなげる30人」は、この10年、日本各地で行政・企業・NPO・市民を越境的に結び、「公共の担い手」を自然に増やしてきました。今後は、防災分野においても“ハブ人材”育成の観点から、その知見とネットワークを生かせる大きな可能性を秘めています。
今回のセッションでは、東日本大震災の現場から活動を始め、市民主体の防災を続ける一般社団法人四番隊・伊藤代表をゲストに迎えます。災害復興の現場から見えてきたリアルを出発点に、「つなげる30人」が平時と災害時の双方でどのような力を発揮し得るのか、研究知と実践知を交差させながら探ります。
<登壇者>
西山 敏樹 (Toshiki Nishiyama)
東京都市大学 教授 博士(政策・メディア)
1976年03月29日東京北区赤羽生まれ.慶應義塾大学総合政策学部,同大学院政策・メディア研究科修士課程及び後期博士課程修了.2003年03月博士(政策・メディア)学位を取得.慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師,同医学部特任准教授,同大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任准教授を経て,2015年04月01日から東京都市大学都市生活学部准教授.2025年04月01日から同教授.
国土交通省所管の一般財団法人地域開発研究所の客員研究員も永年兼務し,大学・シンクタンクの双方でユニヴァーサルデザインとエコデザイン(環境低負荷デザイン)の融合方策を実践的に研究・提案.公共交通でも,特に,路線バスの活性化の方策に明るい数少ない研究者の一人.地方自治体の地域交通計画部門やバス会社のアドヴァイザ経験も豊富.ユニヴァーサルデザインを専門とする関係で,人々のニーズを吸い上げる社会調査の手法にも精通.
日本テレワーク学会理事,ヒューマンインタフェース学会評議員等の学会要職も務める.日本看護技術学会会員.
著書:『データ収集・分析入門―社会を効果的に読み解く技法』(慶應義塾大学出版会,2013年),『ユニバーサルデザインハンドブック』(訳書,丸善,2003年)等.
加生健太朗
株式会社ADDRIVE代表取締役、一般社団法人つなげる30人代表理事
福岡県出身。高校から単身上京。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、通信会社の営業職を経て2005年にフリーランスとして独立し、NPOの広報企画等に携わる。2013年に東北での巨大防潮堤建設に関する行政(国・県・市町村)と市民との対話の場づくりを行ったことを契機に、2015年に株式会社フューチャーセッションズに参加。 2016年から「渋谷をつなげる30人」の立ち上げと運営に携わり、2019年SlowInnovation株式会社にて同プログラムの横浜・名古屋などへの全国展開や運営を担当。2022年に一般社団法人つなげる30人を立ち上げ、代表理事を務める。2023年、「つなげる30人」のさらなる可能性を求め、株式会社ADDRIVEを設立。
伊藤純(よん)
岩手県出身。建設業の安全管理者として働く傍ら2011年の東日本大震災をきっかけに、被災地強襲型独立支援団体 四番隊を結成。
2022年8月、継続的な支援の必要性ならびに復旧復興作業だけでなく、防災減災を主として幅広く啓発活動を行うため一般社団法人四番隊を設立。
現在は能登半島地震への支援活動を行なっている。