グーテンベルクは電子書籍に夢を見るか?

プロジェクト名 Shipasip
#読書の再設計
現代人は、中毒的にコンテンツの海に溺れています。
その中では「読書」はあまりに刺激が少なく、「読書率の低下」という言説にも頷けます。
グーテンベルクにとって、電子書籍の誕生は肩透かしだったでしょう。紙をそのまま移植したフォーマットのままで、電子だからこそ可能になる拡張機能などの進化が進んでいません。シパシは、SNSやゲームのような感覚で、ジャンキーに耽読できる電子読書アプリの開発を試みています。その末に、「電子書籍の未来に夢を見させられるか」という問いにYESをもたらします。

何にチャレンジするのか?

「新しい読書」ができる電子書籍アプリの開発
・怠惰でも、中毒的に読書ができる
・読書の本質的価値は保存、構造的欠陥は補完する
・電子だからこそできる、現代人に最適化された読書形式
・よりカジュアルで、ジャンキーで、ファッションのような読書ができる

これらを可能にする電子書籍アプリの開発を行います。また、QWS期間中はデモを用いた実証実験、プロダクトインタビューを行います。

なぜチャレンジするのか?

作家の大宅壮一はかつて、テレビの出現によって人々が無思考になっていくことを危惧し、「一億総白痴化」と警鐘を鳴らしました。しかし、SNSやショートコンテンツが現れた現代、「一億総白痴化」は一層リアリティを増しています。
情報の濁流にある現代社会においては、改めて「立ち止まって考える」ことが必要です。
そのために、読書は最適なデバイスであると言えます。読書が作り出してくれる「孤独」は、人々が改めて自身や社会に関わる問題と向き合う契機を作り出してくれます。

しかし、「読書」は他のコンテンツにディスラプトされつつあります。
本来はKindleが、電子ならではの機能拡充で、「読書」を広げることもできたはずですが、それは叶わず、ほぼ紙の書籍の移植に過ぎない状態です。

元を言うと読書自体、日本最古の書籍と言われる聖徳太子の著書から、ほとんど形式が変わっていません。

現代人が、文字媒体といかに付き合うか、改めて「読書」のあり方を再設計することが必要だと考え、チャレンジをしています。

どのようにチャレンジするのか?

私たちが提案する「新しい読書」を実現するために必要な機能の仮説が以下になります。
①「エキサイティングな没入的読書」
従来、読書はのっぺりしており、ゲームやSNSと比べると飽きやすいという課題を抱えていましたが、背景のグラフィックス、アンビエント、効果音、触覚フィードバックで体験をジューシーに再設計します。
また、従来は縦書き横進みが日本の書籍の特徴でしたが、現代スマホを介して得る文字媒体のほとんどは横書き縦進み。縦長のスマホに最適化されています。
そこで、横書き縦進みを基本の形式に据え、そのほかにもスマホに最適化したUI設計をします。
これらによって、より没入しやすい、イマーシブな読書体験を提供します。

②「読前から読後までのオールコーディネート」
読書は、読んでいる最中のみの行為ではありません。書店での本との出会いから、読後のアウトプット、再読を含めて読書です。
また、これらを全て遂行して初めて最高の読書になります。読書とは、難しい行為でもあります。
シパシでは、読前から読後までの体験を、アプリ内でオールコーディネートします。
同一のアプリ内で一気通貫した体験設計を行うことで、自然と読書を続けることができ、その末には自然と読書家になれるアプリです。

③「章や節ごとのプレイリスト機能」
そもそも、ショートコンテンツが盛んな現代、書籍は相対的に長いです。
そこで、シパシでは章もしくは節単位での販売を行います。それら短尺コンテンツが連続する形式で、自然と継続してしまう仕組みです。
また、プレイリストとして、ユーザーが別の書籍の章や節同士を自由に組み換え、編むことが可能です。これらをUGCとしてコミュニケーションの媒介にしつつ、時間と空間をダイナミックに切り裂いて、人々が「一緒に」読書することができる体験を創出します。

④「電子書籍を”所有”可能」
従来、電子書籍は購入しても、閲覧権のみしか得られず、それらを貸借、贈与、販売するための「所有権」を得ることはできませんでした。
また、買った本を本棚に並べられるのも読書の魅力。
「あなたの本は、あなたのもの」本棚に並べて知人に共有することも可能。貸すことも、プレゼントすることも、付加価値をつけて販売することも可能です。
従来の電子書籍がたどり着けなかった読書体験の境地に、あなたをお連れします。

中村賢汰

CEO

中村賢汰

CEO

2003年神奈川県生まれ。幼少期、内政混乱期のタイに五年間滞在。現在は慶應義塾大学商学部に在学中・休学中。よりジャンキーに、カジュアルに、ファッションのように読書できる電子書籍アプリの開発を目指して、Shipasip(シパシ)を立ち上げました。目下、当プロジェクトの使命「読書の再設計」のためコミット中です!

小林陸

COO

小林陸

COO

2003年大阪府生まれ。 慶應義塾大学総合政策学部に在学中。 中学生の頃のシリコンバレーへの短期留学をきっかけに、スタートアップやビジネスに興味を持ち、現在に至る。 Shipaispでは、経営戦略、渉外、バックオフィスまで幅広く担務する。

濱田夏碧

CCO

濱田夏碧

CCO

2003年生まれ。
北海道大学文学部に在学中。
Shipasipでは、クリエイティブディレクター、CGアーティストを務める。

佐藤裕弥

CMO

佐藤裕弥

CMO

2003年東京都出身。
慶應義塾大学総合政策学部に在学中・休学。自身でyoutubeやtiktok等のSNS運用をしている。

犬伏俊輔

犬伏俊輔

2003年鹿児島生まれ。慶應義塾大学商学部に在学中。
高校時代に、高校生のビジコンでは最大規模であるキャリア甲子園の準決勝まで進出。大学では慶應の起業サークルであるKBCに所属。

長澤大世

長澤大世

2004年神奈川県生まれ。慶應義塾大学環境情報学部に在学中。9歳の頃から5年間ハワイに滞在。当時英語の練習として始めた映像制作にハマり、今に至る。英語の練習も実り、英検一級、TOEFL106点と完璧なバイリンガル。現在は自身のSNSに加え、病院やスタートアップなど、企業のSNSコンテンツを制作している。

採択者インタビュー

中世までは読書体験とは音読するものであった。記述者の声を再現する体験装置でもあった。
また書かれた記号化されたロゴス中心主義だけではなく、口伝伝承のように固有の身体を通して解釈や揺らぎを受け入れ、強度を増していく伝承もあった。
渋谷に限らず、街中から書籍店が消滅しつつある。
開架図書館のような書籍店とは書籍の販売が目的であるばかりではなく、フラヌールや無目的性、手段が目的となり得る空間でもあった。それは「身体性」とも大きく関わる問題であろう。
書かれた情報だけではない、そこに書かれていないことを読み取る読書術などにも拡げていけたら面白いかもしれない。
美術家、文筆家、非建築家、ドラァグクイーンヴィヴィアン佐藤

QWSステージでの発表

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