衰退する日本文化に新たなニーズを確立させることはできるのか?

プロジェクト名 てらす aroma プロジェクト
#文化#文化の衰退#アロマ#お茶#香り
日本には、世界に認められる素晴らしい文化が数多く存在するが、近年では若者の関心度が低下していることから、その文化は衰退の一途を辿っている。文化の衰退を食い止めるためには、新たなニーズを若者に向けて確立させる必要がある。そこで私たちは「文化」×「香り」をテーマに商品作成をし、商品として社会に新たな提案を行う。それにより、若者の生活の一部に文化を取り入れてもらい、好きになってもらうことで最終的に緑茶産業を盛り上げ、日本文化全体の活発化を図る。

何にチャレンジするのか?

日本には1万年以上前から続いてきた素晴らしい文化が数多く存在している。しかしながら、今この日本の文化が若者の関心度の低下などにより、衰退しつつある。私たちは、この状況を打破するために若者からのニーズを再び回復させ最終的には文化の衰退を食い止め、日本の文化を活性化させることを目標としている。

なぜチャレンジするのか?

日本の文化というのは、他の国には無い非常に独自で面白い文化をもつ。この文化を次の世代へと継承することで、日本人としてのアイデンティティを構築できると考える。最近では、多文化共生や異文化交流などという言葉が増えており、共存することが今の時代、非常に必要とされている。しかし、これは文化融合や文化の統一をするという意味ではない。なぜなら、グローバルとはさまざまな文化的な背景や経験があるからこそ、今まで一つの文化や国ではできなかったアイデアや考え方が生まれ、それにより価値が見出されるのである。そのため、各国が持つ文化や考え方を継承し、伝えなければ国民のアイデンティティが失われ、新たな価値が生まれず、結果的にはグローバル社会の本質から逸脱してしまうと考える

どのようにチャレンジするのか?

私たちはこの問題解決のため、消費量が年々低下しているお茶をテーマに、活動を行っている。文化の魅力を伝えるためには、お茶が苦手な人にもお茶を好きになってもらう必要があるものの、お茶が苦手な人に対して新しい美味しいお茶を作っても、それをすぐに受け入れるわけではない。そこで、お茶を別の形で体験できるように、今までの固定概念から脱却し、緑茶を飲む以外の形で「香り」にし、リードディフューザーとして商品を販売することで社会に新たな提案をしていく。そのため今は調査を通し商品を製造中。

中島悠陽

個人事業主「てらす」代表。聖学院高校グローバルイノベーションクラスに所属

中島悠陽

個人事業主「てらす」代表。聖学院高校グローバルイノベーションクラスに所属

自分の海外経験を元に日本の文化の大切さや素晴らしさを知り、帰国後日本の文化の衰退を知ると同時に、多くの若者が文化に対する関心がないことを感じ危機感を覚えた。そのため今では「日本の文化」×「香り」をテーマに多くの人に文化を触れ/好きになってもらうこと目指し活動中。他にも学生養蜂会社「And18’s」代表を務めるなどさまざまなことに興味がある高校生

市川大紀

高校グローバルイノベーションクラス所属。GIC哲学芸術ゼミ生。

市川大紀

高校グローバルイノベーションクラス所属。GIC哲学芸術ゼミ生。

「自分とは何か、他者とは何か、関係性は何か」という問いをゼミ内でひたすらに考えている高校二年生。善悪や損得よりも、「真理」をひたすらに追い求めていきたいと思い始めている。また、部活では部長を務め、部活の運用方法や部員の心情を常に探りながら活動中。人と話すのが好きなので、将来は先生のような仕事を夢見ている。スポーツと音楽鑑賞が趣味。哲学は身体の一部。座右の銘は「仁」。

伊藤航大

聖学院高校グローバルイノベーションクラス担任。貧困・起業ゼミを担当。

伊藤航大

聖学院高校グローバルイノベーションクラス担任。貧困・起業ゼミを担当。

「その教育、本当にわくわくする?」を自分に問い続けながら授業を展開。生徒の未来を切り開くため、ファシリテーションと筋肉で伴走。聖学院高校グローバルイノベーションクラス3期生担任として、生徒のわくわくを掘り起こすことが最近の楽しみ。生徒が心から楽しんでいる今回のPJを最後まで見届けたい!様趣味は筋トレと料理。座右の銘は「筋肉は全てのSolution」。

採択者からのコメント

日本文化は衰退していないよ!とまずは言いたくなりました。が、皆さんからすると、もっともっと日本文化に関心が集まり、興味を持ってもらってもいいはず!と思っているということだと思います。そんな皆さんと、日本文化をもっと盛り上げていきたいと思いました。そして「香り」をテーマにしているところもポイントです。香りによって、人の記憶、感情にどのように働きかけ、どのようなムーブメントを起こそうとしているのか。なにが起こるのか、楽しみにしています。
東京大学生産技術研究所 教授菅野智子

リーダーインタビュー

あなたの[問い]は、どのような未知の価値に繋がると考えますか?

一人でも多くの若者が日本文化を好きになるために触れる機会を作ることで、私も大好きな日本の文化が受け継がれ、続いていくと思う。確かに、今までも多くの需要の無くなった文化は歴史から名を消しているはずなにのだから需要がなくなった文化はなくなるべきであるという主張もある。もちろん私も文化は時代とともに変化することが重要であると思っているのでこのようなの意見に対して反対は出来ないが、今まであった文化がなくなってしまうというのは良くない。というのも特に日本では文化というのは、生活や娯楽、経済はもちろん、先人たちの知識や知恵を教える手段として根付いているため、このような文化がなくなってしまうと、社会や個人にさまざまな悪影響をもたらすとともに、国や地域のアイデンティティや価値観などが失われる可能性が大いにあるので、これは一日本人として避けていきたい。また、この活動を高校生という立場で行うことによって、より多くの若者世代の人々に認知していただき、広くく普及させることができると思った。さらに、これは私という「お茶を苦手な気持ちがわかる」自分と「日本の文化の素晴らしさを知る」自分、「若者世代の気持ちもわかる」自分という自分の能力を合わせて作ったものであるため多分自分にしか出来ないようなプロジェクトになると思う。

あなたの「問いの感性」は、どのような経験を通じて育まれましたか?

私はかつて小学3年生からの5年間、アメリカに住んでいた経験がある。その中で日本の文化とアメリカの文化との違いについて知り、この経験を通じて日本の文化の多様性と素晴らしさに気づいた。帰国後、日本で文化のことを調べていく中で多くの日本の文化が衰退していることを知り驚いた。またその後、原因を自分なりにアンケートなどを取り調べることで、文化に対する 若者の関心が薄れてきていることがわかり、私は自分が大好きな日本文化が衰退することに対して危機感を覚え、この状態を打破するために「自分でアクションを起こさなければならない」という強い使命感を感じた。私は、アクションを起こす中でお茶の文化の衰退に出会った。お茶というのは、今大きく衰退している産業の一つで、特にお茶のリーフ茶の消費量はここ10年で30%(京都市/京都市ごみ減量推進会議調べ)も下がっており、まさに大問題となっている。その主な原因として、若者がお茶を飲まなくなっていることが挙げられる。文化庁が行なった世論調査によれば、10代の10人に1人以上が「お茶を飲めない/飲まない選択をしている」という結果が出ている。確かに、お茶は今やペットボトルとして販売されているものがメインとなっているから、この文化自体が消滅することはないかもしれないが、ペットボトルのお茶は少ない茶葉で非常に多くの量のお茶を作るため農家さんは打撃を得ている上に、リーフ茶からお茶を淹れるという行為や茶道などのお茶の文化も無くなってしまう危険性がある。また、そうすることでお茶がお茶葉から取れるものであると知らず他の飲料水と同じく工場で作られたものであると勘違いする人も出てくるかもしれない。このようなことがまだ一つの業界に限った話であれば問題は単純であるが、今やこのような問題を抱える業界がたくさんあるため大問題となっている。また、このようなことが増え、続くことで文化の衰退が進んでしまい、日本人としてのアイデンティティなどが無くなってしまうため社会全体で考えなければならない問題だと考える。また、私は逆にお茶が苦さで小さい頃から飲めないためこのお茶に興味があったが、まさに私はこの問題の当事者として、この問題に取り組んでいるが、このように「日本の文化の素晴らしさ」と「お茶が苦手な人の気持ち」を理解している自分だからこそできるプロジェクトであり、私がアクションを起こすことで何か解決するきっかけ作りができるのではないかと考えた。

QWSステージでの発表

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