「一般民間人の宇宙滞在を快適にするために: 快適ECLSS研究が目指すイノベーション」(QWSアカデミア早稲田大学)
イベント概要
- 日付
- 2025/03/08(土)
- 時間
- 18:00 - 20:30(開場17:30)
- 場所
- CROSS PARK (SHIBUYA QWS内)
- 参加費
- 無料
【SHIBUYA QWSオリジナルプログラム ”QWS ACADEMIA” 】
大学と連携した「未知の問い」と出会うプログラムです。大学には多様な「問い」と向き合う学生や研究者がいます。「QWS ACADEMIA」は、単に知識が伝達される授業ではなく、双方向に刺激を与え合い、化学反応を生み出すことを目指します。
【開催主旨】
早稲田大学グローバル科学知融合知研究所・快適ECLSS研究開発拠点が、「一般民間人の宇宙滞在を快適にするために:快適ECLSS研究が目指すイノベーション」と題して、公開イベントを開催します。
宇宙基本計画(令和5年6月13日閣議決定)では、人類の活動領域が地球、地球低軌道を越え、月面、さらに深宇宙へと本格的に拡大しつつある状況を踏まえ、宇宙空間を舞台にした新たな経済・社会活動の進展を見込み、今後20年を見据えた10年間の宇宙政策の基本方針が定められました。これまで宇宙は、宇宙飛行士などの特別に訓練された人のみがミッション遂行のために活動する空間であり、多くの一般人にとっては非日常の夢物語のような世界でした。昨今では、民間による宇宙旅行が企画され、産業界では従来の非宇宙分野も含めた多くの企業が、宇宙を想定した研究開発を加速しています。まさにこれから、既存産業が宇宙ビジネスに参入していく時代が一気に加速します。
ただし、宇宙拠点の閉鎖生活空間の環境は、地球上でわれわれが普段当たり前に過ごしているような豊かな水資源や大気条件とは全く異なります。宇宙では、重力、温湿度、空気・水循環など様々な環境条件が地球上とは異なります。そこで人間が中長期的に宇宙で日常生活を送ることを目指し、有人宇宙活動に必要な環境制御・生命維持システム(ECLSS:Environmental Control Life Support System)研究や、月以遠の火星等での深宇宙有人探査活動のための閉鎖(あるいは制御)生態系生命維持システム(CELSS:Closed Ecology Experiment Facilities)研究が進められてきました。
このような地球とは大きく異なる環境や行動制約により、宇宙空間では人間の知覚や体験に影響があることが予想されます。これから特別に選抜され訓練を受けた職業宇宙人としての宇宙飛行士ではなく、一般民間人が宇宙に滞在するにあたっては、われわれ人間が地球での暮らしで感じているような「日常性」の中に宇宙でのQOL・Well-being実現の鍵があるのではないかとの着想に至りました。
そこで、われわれは、低軌道の宇宙拠点で一般人が暮らす空間を対象に、宇宙での快適な暮らしと循環をデザインする快適ECLSS研究プロジェクトを発足しました。本イベントでは、宇宙基本法および宇宙技術戦略が掲げる宇宙政策をもとに、非宇宙分野の企業・スタートアップ・研究者の皆さまとこれからの宇宙産業・イノベーションを考えるイベントを開催します。
プロジェクトに参加している研究者や学生が集いますので、プロジェクトに興味のある方、研究テーマに関して情報交換したい方、産学連携の取り組みに興味のある方は、万障お繰り合わせの上、是非ご参加ください。
【概要】
◆日時:2025年3月8日(土)18:00-20:30(開場:17:30)
◆会場:渋谷スクランブルスクエア15階 SHIBUYA QWS クロスパーク
◆参加費:無料
◆参加申込先:https://qws-academia-250308.peatix.com
◆対象者:プロジェクトに興味のある方であれば誰でも参加できます(高校生、大学生、大学院生、教職員、教諭、研究員、社会人 他)
◆合同主催:SHIBUYA QWS Innovation 協議会、産業競争力懇談会(COCN) 「フード・サステナビリティ実現に向けたwell-being代替タンパク質の開発と社会実装」プロジェクト
◆共催:早稲田大学グローバル科学知融合研究所
◆協賛:Beyond 2020 NEXT PROJECT
◆後援:早稲田大学理工学術院、「Insect-related Studies for Food, Fishery, and Farming (iF3)」プロジェクト、東京女子医科大学先端生命医科学研究所
【プログラム】
17:30 |開場/受付
司会 野崎 千尋(早稲田大学理工学術院 国際理工学センター 准教授)
18:00-18:20|開会挨拶/快適ECLSS研究開発拠点の概要
・野中 朋美(早稲田大学理工学術院 創造理工学部 教授)
18:20-18:50|基調講演「快適ECLSS実現に向けたライフサイエンス」
・清水 達也(東京女子医科大学先端生命医科学研究所所長/教授)
18:50-19:05|講演1「世界のECLSS研究のこれまでと2050年に向けて」
・桜井 誠人(JAXA宇宙航空研究開発機構 研究領域主幹)
19:05-19:20|講演2「宇宙へのオープンイノベーション」
・坂下 哲也(宇宙航空研究開発機構 チーフエンジニア室 独立評価チーム長(有人部門担当))
19:20-19:35|講演3「宇宙ビジネスが変わる・既存産業の参入で変わる宇宙」
・白坂 成功(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 委員長・教授)
19:35-19:45|休憩
司会 松本 綾香 (早稲田大学大学院 先進理工学研究科 一貫制博士課程1年)
19:45-20:25|パネルディスカッション「一般民間人の宇宙滞在に向けた研究開発とイノベーション」
・清水 達也(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所/教授)
・桜井 誠人(JAXA宇宙航空研究開発機構 研究領域主幹)
・坂下 哲也(JAXA宇宙航空研究開発機構 チーフエンジニア室 独立評価チーム長(有人部門担当))
・白坂 成功(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 委員長/教授)
・中川 鉄馬(早稲田大学総合研究機構 グローバル科学知融合研究所 主任研究員(研究院講師))
モデレータ:野中 朋美(早稲田大学理工学術院 創造理工学部 教授)
20:25-20:30|閉会挨拶
・朝日 透(早稲田大学理工学術院 先進理工学部長・研究科長/教授)
【登壇者】
野中 朋美(早稲田大学理工学術院 創造理工学部 教授)
専門は経営システム工学、サービス工学。博士(システムエンジニアリング学)。慶應義塾大学環境情報学部卒業、企業で検索エンジンマーケティングに従事した後、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)修士課程・博士後期課程に1期生として入学し4年間で早期修了。SDMでは、デルフト工科大学やスイス連邦工科大学への研究科派遣留学や、MITに研究インターンシップ滞在。神戸大学大学院システム情報学研究科特命助教、青山学院大学理工学部経営システム工学科助教、立命館大学食マネジメント学部准教授・立命館EDGE+R副総括責任者などを経て2023年4月より早稲田大学創造理工学部経営システム工学科教授。持続可能なビジネス・社会システム研究、働きがいや生産性などの人の情報を起点としたサービス生産システム設計に従事。“Food Transformation (FX): A Systems Engineering Approach to Elevate Value through Cooking Recipe Design with Alternative Proteins”, 34th Annual INCOSE International Symposium(2024)、「Service Engineering for Gastronomic Sciences」(Springer、2020)、「顧客満足度を考慮した従業員満足度モデル―レストランにおける職種による差異の分析」(日本経営工学会論文誌、2016)など。内閣府クールジャパン・アカデミアフォーラム構成員、尾道市ウェルビーイング政策アドバイザーを務める。
清水 達也(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 所長/教授)
1992年東京大学医学部医学科卒業後、循環器内科医師として済生会中央病院、JR東京総合病院で勤務。その後、東京大学大学院で分子生物学研究に従事。1999年より東京女子医科大学先端生命医科学研究所で世界初日本発の細胞シート技術を用いた再生医研究をスタートし、肉眼レベルで拍動する立体心筋組織の作成に成功。2011年同研究所教授、2016年同研究所所長。立体組織構築技術の再生医療・創薬モデル・培養食料への応用を目指している。2009年文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)、2012年第7回モノづくり連携大賞日刊工業新聞社賞、2014年日本循環器学会第39回日本心臓財団佐藤賞、2015年には2015年度日本再生医療学会賞を受賞。専門は再生医療、組織工学、心筋再生、循環器内科。ムーンショット型農林水産研究開発事業目標5「藻類と動物細胞を用いたサーキュラーセルカルチャーによるバイオエコノミカルな培養食料生産システム」プロジェクトマネージャーを務める。
桜井 誠人(JAXA宇宙航空研究開発機構 研究領域主幹)
場における流体現象(マランゴニ対流)、宇宙環境利用科学、環境制御・生命維持技術(ECLSS)。微小重力場において顕著となるマランゴニ対流現象に関して、3次元観察技術を発案し、ISS「きぼう」において、最初で最も実験回数の多い実験の根幹を提案した。酸素製造のため、微小重力場における水電解技術を発案し、空気再生、水再生などの再生型の環境制御・生命維持技術(ECLSS: Environmental Control Life Support System)に取り組む。物質循環を意識した宇宙拠点を地球環境問題のテストベットとして実現するべく研究を進めている。
白坂 成功(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 委員長/教授)
東京大学大学院修士課程修了(航空宇宙工学)、慶應義塾大学後期博士課程修了(システムエンジニアリング学)。大学院修士課程修了後、三菱電機株式会社にて15年間、宇宙開発に従事。「こうのとり」などの開発に参画。大学では、大規模システム開発、技術・社会融合システムのイノベーション創出方法論などの研究に取り組む。2004年より慶應義塾大学にてシステムデザインの教鞭をとり、2010 年より同大学院システムデザイン・マネジメント研究科准教授、2017年より同教授。2023年10月よりSDM研究科委員長。内閣府革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)のプログラムマネージャーとしてオンデマンド型小型合成開口レーダ(SAR)衛星を開発。その技術成果を社会実装するために株式会社Synspectiveを創業(日本スタートアップ大賞2022文部科学大臣賞受書)。内閣府宇宙政策委員会、内閣官房デジタル市場競争会議、経産省 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会等、多くの委員として政府の活動を支援。
坂下 哲也(JAXA宇宙航空研究開発機構 チーフエンジニア室 独立評価チーム長(有人部門担当))
東北大学大学院修士課程修了(機械工学)、1990年宇宙開発事業団(現、宇宙航空研究開発機構(JAXA))入社。国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟、生命科学実験施設(セントリフュージ)、宇宙ステーション補給機「こうのとり」の開発を担当(主に与圧モジュール部分)。それらのサブシステムとしてECLSSに携わる。広報部報道グループを経て、「きぼう」の宇宙実験インテグレーション業務や宇宙探査向け技術のオープンイノベーション業務に従事。現在は、JAXAの有人宇宙活動・技術全般への審査支援、アドバイスをおこなっている。日本人間工学会認定 人間工学専門家。
中川 鉄馬(早稲田大学総合研究機構 グローバル科学知融合研究所 主任研究員(研究院講師))
神奈川県生まれ、東京都育ち。2008年早稲田実業学校高等部卒業、2012年早稲田大学先進理工学部生命医科学科卒業、2014年同大学院先進理工学研究科生命医科学専攻修士課程修了、2018年同大学院先進理工学研究科先進理工学専攻一貫制博士課程修了、博士(理学)を取得。2018年から2022年、(地独) 神奈川県立産業技術総合研究所常勤研究員、慶應義塾大学理工学部物理情報工学科訪問研究員、その後、早稲田大学各務記念材料研究所主任研究員 (研究院講師)を経て、現職に至る。現在、JST創造科学技術推進事業(ERATO) 「山内物質空間テクトニクスプロジェクト」ナノ物性計測テクトンのグループリーダーおよびNEDO官民による若手研究者発掘支援事業共同研究フェーズ (環境・エネルギー分野) 「誘電体メタサーフェスによる光接続メタレンズの開発」の研究代表者を務める。2023年、応用物理学会から第53回(2022年秋季)応用物理学会講演奨励賞およびフラーレン・ナノチューブ・グラフェン学会から第19回大澤賞を受賞。専門は、物理化学、ナノ材料工学、電気電子材料工学で、研究対象はキラルドラッグ、高温超伝導体における対称性の破れ、メソポーラス金属・半導体薄膜の化学・光センサ応用、光通信用メタレンズの開発など、多岐に渡る。
朝日 透(早稲田大学理工学術院 先進理工学部長・研究科長/教授)
福井県生まれ、東京育ち。都立白鴎高校卒。1986年早稲田大学理工学部応用物理学科卒業、1988年物理学及応用物理学専攻修士課程修了、1992年同専攻博士(理学)、2007年経営学修士を取得。早稲田大学グローバル科学知融合研究所所長、ナノ・ライフ創新研究機構副機構長、2024年9月より、早稲田大学理工学術院先進理工学部長・研究科長を務める。学際的研究を推進し、イノベーション人材の育成に取り組む。ムーンショット型農林水産研究開発事業目標5の「地球規模の食料問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発」副プロジェクトマネージャーおよび「藻類と動物細胞を用いたサーキュラーセルカルチャーによるバイオエコノミカルな培養食料生産システム」プロジェクトメンバー、産業競争力懇談会「フード・サステナビリティ実現に向けたwell-being代替タンパク質の開発と社会実装」プロジェクトリーダー、JST創造科学技術推進事業(ERATO) 「山内物質空間テクトニクスプロジェクト」プロジェクトマネージャー、尾道市ウェルビーイング政策アドバイザーを務める。専門はキラル科学、生物物性科学、結晶光学、機能性薄膜、対称性の破れ、循環型食料生産システムの研究。
【司会】
野崎 千尋(早稲田大学理工学術院 国際理工学センター 准教授)
2004年京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科高分子学専攻博士前期課程修了、2007年星薬科大学大学院薬学研究科薬科学専攻博士後期課程修了、修士(工学)および博士(薬学)。デンマーク国立オールボー大学、フランス国立遺伝細胞分子生物学研究所(IGBMC)、ドイツ国立ボン大学医学部と欧州各地を転々とした後、2020年より現職。オピオイドあるいはカンナビノイドといった嗜好性薬物が寄与するシグナル伝達系をターゲットに疼痛を伴う慢性炎症疾患への寄与について基礎的な研究を重ねる一方、社会受容性の低い動植物資源を過不足なく現代社会に活かす方法を模索している。
松本 綾香 (早稲田大学大学院 先進理工学研究科 先進理工学専攻 一貫制博士課程1年)
2020年早稲田大学本庄高等学院卒業、2024年早稲田大学先進理工学部生命医科学科卒業、現在、早稲田大学生物物性科学研究室 (朝日研究室) に所属。専門は物理化学、キラル科学。2023年、シンポジウム「モレキュラーキラリティー2023」にてBest Poster Presentation Awardを受賞。2024年4月より、早稲田大学本庄高等学院で非常勤講師を務める。学生団体Beyond 2020 NEXT PROJECT事務局長、国連を支える世界こども未来会議PJ、SDGs教育カリキュラムPJ、アントレプレナーシップ教育PJメンバー。
【実行委員】
岡本 将樹(早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命医科専攻 博士後期課程2年)
細木 春花(早稲田大学大学院 先進理工学研究科 先進理工学専攻 一貫制博士課程2年)
菅原 アマンダ 里沙(早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命医科専攻 修士課程2年)
Zhilin SONG(早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命医科専攻 修士課程2年)
岡野 洸明(早稲田大学 先進理工学部 生命医科学科 学部4年)
久米川 夏穂(早稲田大学 国際教養学部1年/Beyond 2020 NEXT PROJECT 幹事)
千葉 俊彦(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士1年)
綾部 拓直(早稲田大学創造理工学部経営システム工学科3年)
石澤 園花(早稲田大学創造理工学部経営システム工学科3年)
石曽根 有咲(早稲田大学創造理工学部経営システム工学科3年)
上原 瑞葵(早稲田大学創造理工学部経営システム工学科3年)
髙橋 ひなた(早稲田大学創造理工学部経営システム工学科3年)
【ABOUT SHIBUYA QWS】
2019年11月1日、渋谷駅直結・直上に開業した渋谷スクランブルスクエア。SHIBUYA QWS(以下QWS)は、その15階に位置する会員制の施設です。「問うだけじゃなく、出会うだけじゃなく、生み出すだけじゃなく、世界を変えよう。」をコンセプトに掲げ、多様なバックグラウンドを持つプレイヤー達の[問い]を交差させることで、未知の価値に繋がるムーブメントを生み出すことを目指しています。
https://shibuya-qws.com/
【ご回答をいただいた個人情報を含む内容について】
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【当イベントの記載情報について】
登壇者やプログラムに関する情報については、変更や追加決定事項があり次第、随時更新をさせていただきます。