リベラルアーツとしての映画制作とは?-東京大学東アジア藝文書院『籠城』制作チームトーク~QWSアカデミア(東京大学)~

2022.02.27(日)
QWSサムネール用写真_1.1.1

イベント概要

日付
2022/02/27(日)
時間
13:00~15:00
場所
SCRAMBLE HALL+オンライン(Zoomウェビナー)
参加費
無料

概要

東京大学東アジア藝文書院(EAA)では、2019年3月の立ち上げ以来、駒場オフィスの設置された101号館が、元々は旧制第一高等学校時代に中国人留学生の学び舎だったことを受け、当時の資料調査と展示をつづけてきた。これらの成果をもとに映像作品を制作することが、その歴史を批判的に継承し、新しい未来の学問を構想することにつながると考え、映像制作プロジェクトを2020年11月に立ち上げた。
本作『籠城』の制作の特徴は、東京大学の学生が自分たちの研究に基づきつつ、ドキュメンタリーとフィクションの位相が複雑に絡み合う作品を創作していることに加え、学外の詩人やサウンドデザイナー、作曲家と協働している点にある。学生主体で、学術研究の成果を映像作品という形で発表することは、リベラルアーツの可能性をいかに広げうるだろうか?

本イベントでは、3月の作品公開に先立ち、制作チームによる約1年にわたる取り組みを発表し、今後、どのように映画制作が研究大学で可能になるのか、映画作品は研究成果を発信する媒体になりうるのか、どういった上映方法の可能性があるのかなどの問いを考え、解き明かす機会にしたい。
*東京大学東アジア藝文書院(EAA) <https://www.eaa.c.u-tokyo.ac.jp/>
*映画『籠城』予告編<https://youtu.be/Y3K6qbdeei0>

※新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、オンライン配信のみとなる場合がございます。

◆日時
 2022年2月27日(日)13:00~15:00

◆会場
 SCRAMBLE HALL+オンライン(Zoomウェビナー)

◆タイムテーブル
 12:30 開場
 13:00 開会の挨拶、QWS紹介、趣旨説明
 13:10 制作チームトーク
     ①『籠城』トレイラーと作品コンセプトの紹介
     ②メイキング映像と制作プロセスについて-映画制作と学術研究
     ③旧制第一高等学校寮歌アレンジ、駒場の音風景、サウンドデザイン
 14:30 ディスカッションと質疑応答
 15:00 閉会の挨拶

◆参加料
 無料

主催:SHIBUYA QWS Innovation協議会、東京大学東アジア藝文書院(EAA)

登壇者

小手川将

東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程、東京大学東アジア藝文書院(EAA)リサーチ・アシスタント

小手川将

東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程、東京大学東アジア藝文書院(EAA)リサーチ・アシスタント

1993年生まれ。映画『籠城』監督。専攻は映画論、表象文化論。現在はロシア・ソヴィエト映画、とりわけアンドレイ・タルコフスキーを研究している。論文に「観察、リズム、映画の生──アンドレイ・タルコフスキー『映像のポエジア』の映画論における両義性」(『超域文化科学紀要』26号、2021年)。2016年に短編映画『グッバイ・ガール』を発表。映画を研究・制作するプロセスを通じて、映像と声のイメージを経験する人間の知覚や身体感覚について考えている。

日隈脩一郎

東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻基礎教育学コース博士課程、東京大学東アジア藝文書院(EAA)リサーチ・アシスタント

日隈脩一郎

東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻基礎教育学コース博士課程、東京大学東アジア藝文書院(EAA)リサーチ・アシスタント

専攻は近代日本教育思想史。「教育学とは何(学ではないの)か?」という問いから出発して、特に1920〜30年代の日本における、哲学者、心理学者、教育学者等の学問構想、教育学批判に関する議論の総括を研究課題としている。論文に、「行為から陶冶へ──吉田熊次の学問構想に関する一考察」(東京大学大学院教育学研究科基礎教育学研究室『研究室紀要』47号、2021年)がある。『籠城』では記録として制作過程にカメラを向けた。リベラルアーツとしての映画制作の、さらにその過程を記録することの学術的意義について、みなさんと一緒に考えたい。

高原智史

東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻比較文学比較文化コース博士課程、東京大学東アジア藝文書院(EAA)リサーチ・アシスタント

高原智史

東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻比較文学比較文化コース博士課程、東京大学東アジア藝文書院(EAA)リサーチ・アシスタント

日本思想史学を専攻。第一高等学校で生徒らにより発行されていた『校友会雑誌』につき検討しながら、知識人の存在形態について考えている。『籠城』では、原案を作成し、小手川監督と共同で脚本化した。声の出演も担当している。論文に、「学生が雑誌をつくるということ」(東京大学比較文学・文化研究会編『比較文学・文化論集』37号、2020 年)、「古典に向かう愛と論理──日本思想史学の方法論としての「フィロロギー」について」(同37号、2020 年)、「明治37年の腸チフス流行と一高自治寮」(同38号、2021年)。

一之瀬ちひろ

写真家、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程

一之瀬ちひろ

写真家、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程

とりとめのない経験や感覚を作品のなかに置きなおすことを試みる。主な個展「きみのせかいをつつむひかり(あるいは国家)について」(2019年、ニコンサロン銀座・大阪)、グループ展「見えるもののむこう」(2019年、神奈川県立近代美術館葉山)、写真集「遠まわりする計画」(2022年、平和紙業)「STILL LIFE」(2015年、PRELIBRI)など。大学院では表象文化論を専攻。主な研究対象のジョナス・メカス作品を通じて、経験の不確かさはいかに映像化されるかを考えている。『籠城』では撮影を担当。公式ウェブサイト:www.freaksphotos.com/chihiroichinose/

金城恒

東京大学教養学部地域文化研究分科アジア・日本コース4年

金城恒

東京大学教養学部地域文化研究分科アジア・日本コース4年

『籠城』では声の出演を担当。教養学部の学生として、大学生活をすべて駒場キャンパスで送る。部活の部室もあり、思い出も多く、駒場への愛着は強い(東京大学の学生は通常は学部1、2年を駒場ですごし、3、4年は本郷キャンパスに移る)。専攻は中国地域文化研究。卒業論文では1980年代の中国政治、中国政治思想史を研究した。

新田愛

東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程

新田愛

東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程

音楽学者。作曲家アリフレート・シュニトケを中心に、ソ連ポスト・スターリン期の音楽創作、音楽美学を研究している。2017年、愛知県立芸術大学音楽学部音楽科作曲専攻音楽学コースを首席で卒業。2021年、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース修士課程修了。柴田南雄音楽評論賞奨励賞(2016)。論文に「ヤヴォルスキーのバッハセミナー:ロシア・ソ連における《平均律クラヴィーア曲集》解釈の一源泉」『超域文化科学紀要』(2021)、“Б. Л. Яворский и А. Швейцер в баховедении: на основе записей С. Н. Ряузова” Вестник Саратовской консерватории. Вопросы искусствознания(2021)など。映画『籠城』では声の出演を担当。

永澤康太

詩人

永澤康太

詩人

2005年、現代詩手帖賞受賞。「声と身体」に根ざしたことばを主眼とし、様々な形態でポエトリーリーディングを行う。「詩の歌性」にも一貫した関心を持ち、2011年より小編成アカペラユニット「ながさわ合唱団」を主宰し、自身のつくった歌曲を中心に公演を行う。近年では韻とフロウに焦点を当て、ラップの形をとった詩作も展開している。詩集に『lose dog』(2008年、思潮社)、『誰もいない』(2016年、七月堂)がある。映画『籠城』では声の出演を担当。

乙幡亮

東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程

乙幡亮

東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程

専攻は哲学、表象文化論。とりわけ、18世紀のドイツ語圏における美学。映画『籠城』では男子学生役として出演。

久保田翠

音楽家・聖学院大学人文学部准教授

久保田翠

音楽家・聖学院大学人文学部准教授

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。東京大学大学院総合文化研究科表象文化論コース修士課程修了。日本作曲家協議会(JFC)理事。記譜と身体の関係性を巡る創作・研究を行なっている。作曲・編曲、ピアノ演奏、演奏会・パフォーマンスイヴェント企画など、活動は多岐に渡る。「実験音楽とシアターのためのアンサンブル」メンバーとして2017年にはヨーロッパツアーを行い、新作発表を行った。2020年秋にはアルバム『later』を発表、各所で好評を博した。その他著書に『not DADA, notnot DADA -ダダ・ペーパー2016-』(2016)、『ピアノで弾くチャーチソング〜讃美歌・聖歌〜』(2021)など。映画『籠城』の音楽担当。公式ウェブサイト:www.midorikubota.net
(Photo by Mayuko Ukawa)

森永泰弘

サウンドアーティスト

森永泰弘

サウンドアーティスト

世界各地をフィールドワークしながら、楽器や歌の初源、儀礼や祭祀のサウンドスケープ、都市や集落の環境音をモチーフにした作品を発表している。森永の身体を包み込む様な視聴覚インスタレーションは、普段注意を払えていない音への自覚を促す。また映画・舞台芸術・展示作品等のプロジェクトに音楽監督やサウンドデザイナーとしても関わっており、カンヌ・べネチア・ベルリンといった国際映画祭や芸術祭での活動を通してサウンドデザインの気鋭として国内外からも支持されている。映画『籠城』ではサウンドデザインを担当。公式ウェブサイト:www.the-concrete.org

髙山花子

東京大学東アジア藝文書院(EAA)特任助教

髙山花子

東京大学東アジア藝文書院(EAA)特任助教

映画『籠城』プロデューサー。フランスの批評家・作家であるモーリス・ブランショについての博士論文を執筆後、過去の出来事をどのように次の世代に継承できるのか、という問いのもと、「物語」概念や「歌」概念を再考している。EAAでは石牟礼道子を読む会を主宰するほか、駒場博物館所蔵の旧制第一高等学校時代の資料を調査する一高プロジェクトに参加している。もともとクリス・マルケルに関心があり、ドキュメンタリーとフィクションの境界を揺るがせながら、映像が誰かの記憶として継承されてゆくプロセスとシステムに興味を持っている。

中島隆博

東京大学東洋文化研究所教授、東京大学東アジア藝文書院(EAA)院長

中島隆博

東京大学東洋文化研究所教授、東京大学東アジア藝文書院(EAA)院長

研究分野は、中国哲学、世界哲学。著書に、『残響の中国哲学──言語と政治』(東京大学出版会、2007年)、「ヒューマニティーズ』(岩波書店、2009年)、『荘子──鶏となって時を告げよ』(岩波書店、2009年)、『共生のプラクシス──国家と宗教』(東京大学出版会、2011年)、『悪の哲学──中国哲学の想像力』(筑摩書房、2012 年)、『思想としての言語』(岩波書店、2017年)、『危機の時代の哲学──想像力のディスクール』(東京大学出版会、2021年)、共著に『日本を解き放つ』(東京大学出版会、2019年)、『世界哲学史』(全8巻+別巻、 ちくま新書、2020年)など。

石井剛

東京大学大学院総合文化研究科教授、東京大学東アジア藝文書院(EAA)副院長

石井剛

東京大学大学院総合文化研究科教授、東京大学東アジア藝文書院(EAA)副院長

専門は中国近代思想史・哲学。主著に『斉物的哲学』(華東師範大学出版社、2016年)、『戴震と中国近代哲学(知泉書館、2014年)、『ことばを紡ぐための哲学』(中島隆博との共編、2019年、白水社)など。映画『籠城』企画者。

■ABOUT SHIBUYA QWS~「渋谷キューズ」とは~
2019年11月1日、渋谷駅直結・直上に開業した渋谷スクランブルスクエア。SHIBUYA QWS(以下QWS)は、その15階に誕生する会員施設です。【Social Scramble Space / 渋谷から世界へ問いかける、可能性の交差点】をコンセプトに掲げ、多様なバックグラウンドを持つプレイヤー達の[問い]を交差させることで、未知の価値に繋がるムーブメントを生み出すことを目指していきます。
https://shibuya-qws.com/

【SHIBUYA QWSにお越しになる方へ】※必ずお読みください
(お申込みを頂いた時点で、ご同意頂いたとみなします)
・SHIBUYA QWSエントランスでの検温・手指の消毒、館内でのマスク着用をお願いいたします。
・検温で37.5°以上の場合、ご入館をお断りさせていただくことがございます。
・感染を疑う症状が出ている場合や当日体調が優れない場合はご来館をお控えいただきますようお願いいたします。

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(お申込みを頂いた時点で、ご同意頂いたとみなします)
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・後日配信するための動画の撮影や、チャットの事後共有を行う予定はございません。
・参加者とのチャットを使った双方向のやりとりを想定していますが、迷惑行為だと主催者側が判断した場合は、即時ご退場いただき、今後の参加をお断りさせていただくことがありますので、ご了承ください。

■当イベントの記載情報について
登壇者やプログラムに関する情報については、変更や追加決定事項があり次第、随時更新をさせていただきます。(2022年2月3日更新)

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